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[vol.2] ラリーの全体像を知ろう! [vol.3] 知っておきたい観戦ノウハウ [vol.4] ラリー開催地の観光と食
自動車やモータースポーツに少しでも興味があれば、「ラリー」という競技があることは皆さんご存じだろう。では、「ラリー」という言葉から、どんなシーンを頭に思い描きますか?
大自然の中を駆けていくマシン、時には盛大なジャンプを見せ、また時には激しいクラッシュを喫してしまう。そんな迫力ある場面をテレビやインターネットで配信される映像としてご覧になられた方も多いと思のではないだろうか。

「ラリー」と聞けば、多くの方がWRC(FIA世界ラリー選手権)やIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)、もしくは往年のパリ・ダカール・ラリーなど、国際的な競技会を連想されるかもしれない。
しかし、元来ラリーというのは最も身近なモータースポーツカテゴリーであり、日本国内でも国際格式の「Rally Hokkaido」を筆頭に、実に数多くの競技会が全国各地で開催されている。

日本のラリーにおける最高峰が全日本ラリー選手権。今までラリーを生で観たことがないという皆さん、ぜひこの夏から秋に、ラリーの迫力を全身で体感してみませんか!?
 
そもそも、ラリーとはどういったモータースポーツなのだろうか。

限られたサーキットという競技専用の場で競い合うレースに対して、ラリーは全ての道がフィールドとなる。その全体像は本稿の第2回で詳しく解説するが、現在の全日本選手権はSS(スペシャルステージ)と呼ばれる、主に林道などの一般公道を専有した競技区間がいくつか設けられ、それぞれで行ったタイムアタックの合計で速さを競い合う方式となっている。

そこに参加する選手について、他の4輪モータースポーツと決定的に違うのは、1台のマシンに対して同時に2人の選手が乗り込んで競技に臨んでいるという点だ。
耐久レースなどでは複数の選手が1台のマシンを走らせているが、これはあくまでも交代しながらのリレーであり、競技中のマシンには1人のドライバーしか搭乗していない。しかし、ラリーではマシンのステアリングを握るドライバーに加えて、ナビシートにコ・ドライバー(ナビゲーター)という選手も乗り込み、2人で栄光のフィニッシュを目指しているのだ。

では、ドライバーは車を走らせているからわかりやすいとして、コ・ドライバーとは何をしている選手なのだろうか?
例えればコ・ドライバーは女房役と言える存在で、まさにドライバーがベストを尽くした走りを出来るように影に陽に支えている頼もしい相棒なのだ。その役割は多岐に及び、競技全体の時間管理を行ったり、移動区間のルートを把握して道案内の役割も担う。そしてタイムアタックを行うSS区間では、ペースノートと呼ばれるノートを読み上げてドライバーの走りを支える。

ラリーではドライバーが目で見える情報だけで車を走らせるのではなく、レッキと呼ばれる事前に2回行う下見走行で道の状況を書き記したペースノートを造り上げ、本番ではこれをコ・ドライバーが読み上げて先の状況を伝え、ドライバーはそれに応じてマシンを走らせているのだ。
ペースノートは特に作り方が規則で決められているものではないので、選手によって内容は様々。ただ、共通する記入事項としてはコーナーの向き(右か左か)にはじまり、コーナーのきつさを数段階の数字で表記している。さらに段差や危険個所、滑りやすいポイントなどの情報が書き込まれている。
 
レースの世界でF1を世界的な頂点としたピラミッドが構成されているのと同じく、ラリーの世界もまずはピラミッドを理解することで各シリーズの位置づけが見えてくる。

ラリーの世界最高峰に位置づけられるのは、ご存じWRC(FIA世界ラリー選手権)。超弩級のWRカーが戦いを演じるほか、改造範囲を厳しく制限されたP-WRCと呼ばれるプロダクションカー部門もあり、2006年にはヨコハマタイヤを装着した奴田原文雄選手が日本人として初めてモンテカルロ・ラリーを制し、シリーズ2位を獲得したことは記憶に新しいところだ。

この次位には、近年盛り上がりを見せ、2011年はヨコハマタイヤを装着する新井敏弘選手がプロダクション部門のチャンピオンを獲得したIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)や、全世界4つのエリアで開催されているFIA地域選手権が存在している。

一方で、日本国内のラリーにおける頂点に位置するのが、全日本ラリー選手権。北海道から九州まで全国各地を転戦するカレンダーが組まれており、トップラリーストが激しい戦いを演じている。
この下には全国を5つのブロックにわけた地方ラリー選手権、さらに各県戦やジュニアラリーシリーズといった入門シリーズが構成されている。いずれもJAF(日本自動車連盟)公認競技会であり、参戦には国内B級ライセンス以上を所持していることが必要となる。

なお、レースの世界と同じように、ピラミッド構成はあるものの、下位シリーズで一定の成績をおさめなければ上位カテゴリーに参戦できないという仕組みではない。つまり、その気になればいきなり全日本選手権でラリーデビューすることも可能だ。
ただ、全日本選手権は国内最高峰に位置するだけあって、特にトップ争いのレベルは非常に高い。地方選手権や県戦で表彰台常連の選手だったとしても、全日本選手権で優勝するのはそんなに簡単ではないのが現実だ。
 
全日本選手権の位置づけが理解できたら、次に具体的なカレンダーを見ていこう。
2012年のシリーズは既に折り返しを迎えているが、九州・佐賀県での開幕戦から愛知県での最終戦まで、全9戦のカレンダーが組まれている。観戦にあたっては、まずは近場で開催されている最も足を運びやすい一戦を見つけ出すことが第一歩だ。また、詳しくは後述するが、ラリーは全国的に人気の観光地を舞台とした大会も多い。そこで日程的な都合がつきそうな一戦を見つけ出して、近隣の観光を組み合わせた“ラリー観戦ツアー”を自分なりに組み立ててみることもお薦めだ。

ここでラリーという競技ならではの特徴を把握しておこう。
ひとつめに、ラリーは一般公道を競技の舞台としていることである。公道レースは日本ではまだ実現していないが、ラリーについてはクローズされた特設コースが使われるケースもあるものの、ほとんどは一般公道である林道などを専有したSS(スペシャルステージ)と呼ばれる区間でタイムアタックを行い、さらに移動では一般車両に混じって公道を走行する。

また、同じ全日本選手権であっても、異なる路面での戦いがひとつのカレンダーに組まれていることも特徴と言える。
サーキットレースは当然、全ての大会が舗装されたコースで開催される。スピード行事ならジムカーナも同様、ダートトライアルはその名の通り、全てが未舗装のダートコースで開催される。

しかし、ラリーは「ターマック」と呼ばれる舗装路と、「グラベル」と呼ばれる未舗装路、それぞれを舞台にした大会が混在するカレンダーとなる。舗装された道ならではのスピード感にあふれるターマックラリー、対して豪快なドリフトから土煙をあげてマシンが駆け抜けるグラベルラリー。どちらも魅力的な戦いの舞台であり、観戦するならばそれぞれの大会に足を運んでみたくなるだろう。

ラリーを戦うマシンが装着するタイヤは、ターマックラリーの場合はジムカーナやサーキットでのタイムアタックでもお馴染みの、競技用スポーツラジアル。全日本選手権を戦うヨコハマタイヤ勢は、ADVAN A050の高いポテンシャルを武器にして戦っている。
一方、グラベルラリーの場合はグラベル用ラリータイヤが用いられる。2013年は第3戦で新商品の「ADVAN A053」が全日本ラリー選手権に待望のデビュー。このタイヤは海外ラリーで優れた性能を鍛え上げてきたもので、国内の道に最適化した日本仕様をリリース。デビュー戦となった「かんばろう!福島 MSCCラリー2013」ではライバルを序盤から寄せつけず、ワン・ツー・フィニッシュで圧勝を飾った。
【2013年 全日本ラリー選手権 開催カレンダー】
 ラウンド
 開催日
 大会名称
 開催拠点
 路面
 
 
Round 1
[04/12-04/14]
ツール・ド・九州2012 in 唐津
佐賀県唐津市
Tarmac
Round 2
[05/03-05/05]
久万高原ラリー
愛媛県久万高原町
Gravel
Round 3
[06/07-06/09]
がんばろう!福島 MSCCラリー
福島県棚倉町
Gravel
Round 4
[07/05-07/07]
2013 ARKラリー洞爺
北海道洞爺湖町
Gravel
Round 5
[07/26-07/28]
モントレー2013 in 群馬
群馬県渋川市
Tarmac
Round 6
[08/23-08/25]
丹後半島ラリー 2013
京都府京丹後市
Tarmac
Round 7
[09/27-09/29]
Rally Hokkaido
北海道帯広市
Gravel
Round 8
[10/11-10/13]
ラリーハイランドマスターズ
岐阜県高山市
Tarmac
Round 9
[10/25-10/27]
新城ラリー 2013
愛知県新城市
Tarmac
>>Report
>>Result
 
競技としての全日本ラリー選手権に関する基本的な詳細は、当サイトのカテゴリー紹介ページに詳しいので、そちらを参照していただきたい。特にシリーズランキングポイントの付与基準や、車両クラスの詳細が解説されているので、より深く全日本ラリー選手権を観ようという方にはお薦めだ。

しかし、「初めてラリーを観たい!」というのであれば、詳しい規則などは抜きにして楽しんでみても良いだろう。
その上で、ラリーの特徴として覚えておきたいことは、“競技に参加するマシンは、ナンバープレートがついている”ことと、“参加マシンは4つのクラスに分類されている”ということ。

前述の通り、一般公道が戦いの舞台となるラリーでは、参加車両はもちろん全車が保安基準に適合したナンバープレートのついたものとなる。派手なカラーリングが施され、ロールケージなどモータースポーツならではの装備も持っているが、位置づけとしては皆さんの愛車と変わらないナンバー付きの車なのだ。

さらに全日本選手権ではマシンが4つのクラスに分類される。細かい分類基準はカテゴリー紹介ページの「クラス区分」に詳しいが、エンジンの排気量と駆動方式のふたつがクラス区分の要素となる。
区分はJN4からJN1まであり、JN4がもっとも排気量やパワーの大きいクラスで、世界的にラリーシーンで活躍している三菱ランサー・エボリューションとスバルWRXが主役だ。JN3はバラエティ豊かな顔ぶれが揃い、スポーティなモデルから輸入車、話題の最新型まで個性的な面々。JN2、JN1は一般的に“コンパクトカー”と称される車種が主役で、街中で見かける機会も多い慣れ親しんだ名称の車種が揃っている。
[UPDATE : 20.Jul.2012 / Last UPDATE : 21.Jun.2013]
           
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