何度も記しているように、ラリーという競技はフィールドがとても広大だ。極端に言えばグランドスタンドに陣取っているだけでレース展開の多くを把握できるサーキットとは異なり、ラリーでは観戦する側も目的を持って動くことが求められる。
しかし、ただ闇雲に動き回っても効率的とは言えない。まず、おのおのが観戦プランを構築するにあたっては、どこに的を絞るか明確にするとよいだろう。
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ラリーならではの迫力ある走りを楽しむなら、「ギャラリーステージ」を中心としたスケジュールを組もう。ここで注意すべきは、ギャラリーステージが常時入退場可なのか、入場締切り時間が設定されているか。後者の場合は、競技中を中心とした時間帯は一切の出入りが出来なくなるため、入場締切時間までに余裕をもって現着することが必須となる。
また、特にグラベル(未舗装路)ラリーで、競技車両が走行するステージを観客も車で移動しなければならない設定の場合は、車高が低かったりエアロパーツを装着している車で行くのは避けたいところ。競技車両が走行した後のステージは、ワダチが深く掘れていることがほとんどだ。
なお、観客席などが設けられいるわけではないので、周囲の他の観客の視界を奪うような帽子や傘、過度な応援グッズは避けたい。写真やビデオ撮影についても三脚の使用は慎み、許可されたエリアからは絶対に出ず、係員の指示に従うのが鉄則だ。
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サービスパークでは、なんといってもメカニック陣の奮闘を間近にできるのがポイント。競技が始まると、セクションの間で設けられているサービスタイムで、限られた時間の中で手際よくメンテナンスを進めたり、トラブル箇所の修復を行う姿を観ることができる。
また、選手たちもサービス時間を利用して、ひとときの休憩や食事を済ませる。この時に、余裕があればサインをもらったり写真撮影をすることも可能だ。
ただし、サービスパークも競技会場の一部であることを忘れてはならない。入場無料のケースが多いが、車両も行き交っているので特に子供連れの観戦では注意が必要。また、みだりにチームのサービスエリアやテント内に入らないようにし、サインなどを求める際も一言必ず声をかけて断ってからにしよう。
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SS間などの移動区間であるリエゾンは、既に解説したように競技車両が一般車両と一緒に交通法規に従って一般公道を移動する。ゆえにスピード感という点ではギャラリーステージ観戦に遠く及ばないものの、このリエゾンこそがラリー観戦の醍醐味であるという見方もできるのだ。
リエゾンは、景色の良い場所や、観光名所などの前を通る場合もあり、こうした場所は競技開催地の土地柄も表す絶好の撮影ポイントとなる。また、自宅の前がリエゾンルートに指定されていたなら、わざわざこちらから足を運ばずとも、競技車両の方からやってきてくれるのだから、申し分ない観戦ロケーションになるだろう。
なお、写真などを撮影する場合は、あくまでも一般公道であることに配慮しよう。無用なトラブルを避けるために闇雲に走ってくる車にカメラを向けるようなことはせず、通行の邪魔にならない場所からお目当てのマシンを狙ってみよう。
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近年の全日本ラリー選手権では、多くの大会でセレモニアルスタートやセレモニアルフィニッシュが催されるようになった。前者は金曜日の夕方などに行われることが多く、大会名称を記したアーチを1台ずつ競技車両が通っていくもの。各車のクルーが紹介され、上位選手は車から降りて戦いへの意気込みなどを語ることも多い。
後者は未だに行われない大会もあるのが残念だが、サーキットレースのフィニッシュ後に行われる暫定表彰式と同じ位置づけ。上位入賞選手によるシャンパンファイトや記念撮影が行われ、選手たちの喜びの表情を間近にできる。
このほか、いくつかの大会で設定されるようになったのがラリーパーク。リエゾンを移動しているマシンが一時的に立ち寄って、簡単な選手紹介などが行われるものだ。サインなどをもらうことは出来ないが、間近で写真を撮影する絶好のチャンス。近隣の方々が多く足を運び、和気あいあいとした雰囲気に包まれていることが多い。
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