北海道から九州までを転戦する国内ラリーの最高峰、全日本ラリー選手権。1979年にシリーズが発足したが、時を同じくして「ADVAN
Rally Team」も産声を上げ、今日までRed in BlackのADVANカラーをまとうラリーマシンは栄光の歴史を刻み続けてきている。
今やWRC(FIA世界ラリー選手権)やAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)の開催もあり、日本もラリーが広く認知されるようになってきた。そんな中で競技形態も国際基準に近づき、今では全日本選手権の全戦が「SSラリー」で開催される。これは林道などを封鎖して設けられたSS(スペシャルステージ)区間でフルアタックを行い、純粋に速さを競う形式である。レースの世界において国内ではまだ実現していない公道を使った競技だが、ラリーでは既に広く浸透しているのだ。
2013年の全日本ラリーは全9戦、そのうち5戦がターマック(舗装路面)、残る4戦がグラベル(未舗装路面)のイベントとなる。路面の違いはポイント制度にも反映されており、ターマックよりもグラベル、そしてSSの合計距離が長いほどに大きなポイント係数が設定されており、APRC併催となる「Rally
Hokkaido」は長距離SSのグラベルステージとしてシリーズの天王山とも言える位置づけになる。
競技フォーマットは基本的に2Dayスタイル。金曜日には開会式やセレモニアルスタートが催されることも一般的だが、競技としてのSS走行は土曜と日曜の二日間で行われる。それぞれはDay1、Day2と表現され、各日の成績に応じたデイポイントも与えられる。
また、近年では観客や近隣住民が見守る中でのセレモニアルスタートやセレモニアルフィニッシュが行われる大会も増えている。ギャラリーステージと呼ばれる観戦可能なSSも設定され、迫力ある全日本トップラリーストたちの競演を楽しめる。
以前はラリー観戦というとサーキットでのレース観戦よりも敷居が高い面があったことも否めないが、近年は各主催者の尽力によって身近なモータースポーツ観戦の場となりつつある。特にラリーの場合は町全体がフィールドとなるため、観光や特産物のPRといった地域起こしへの効果も高い。そのため、開催地の行政や経済界が大会を支援していることがほとんどで、地元と主催者が一体となって盛り上げているケースが多い。
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