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JRC 2013
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News Index
JRC Round 3
開催日
2013年6月7日-9日
開催場所
福島県・棚倉町 近郊
天候/路面
Day 1 : 晴 一時 雨
Day 2 : 晴れ
グラベル(非舗装路面)
総走行距離
581.77km
SS総距離
68.68km (16SS)
得点係数
1.5
(非舗装路 50km〜100km)
参加台数
54台(INVクラス含む)
(ヨコハマタイヤ装着車 26台)
>> Report (レポート)
>> Result (競技結果)
>> Detail (カテゴリー紹介)
九州、四国と転戦してきた2013年の全日本ラリー選手権、今シーズン初の本州での開催は福島県を舞台にした「がんばろう!福島 MSCCラリー2013」。昨年までに引き続き、6月上旬に棚倉町をホストタウンとして開催された。
この大会は昨年から、いわき市にもステージを広げた。このため、今年も総走行距離581.77kmとスケールの大きな一戦となる。
Day1はいわき市方面を中心として「長草萱山(6.18km)」「鶴石山(8.50km)」、古殿町の「三株牧野(2.76km)」、サービスパークに隣接する棚倉町に設けられたショートのギャラリーステージ「ルネサンス(0.50km)」を各2回ずつ走行。さらに二本川林道をスタートして鶴石山のステージに合流する「二本川鶴石(5.75km)」というステージが新設されて1回走行する。
Day2では「東野牧野(2.81km)」を3回、「室・大平草(5.01km)」と「流・岡田(4.30km)」を各2回走行するアイテナリーだ。
ヨコハマタイヤ勢にとっては、先に発売を開始した「ADVAN A053」の全日本ラリー選手権デビュー戦となる。発売された215/60R15サイズを履く、JN4クラスの三菱・ランサーエボリューションとスバルWRX STIの戦いぶりには俄然注目が集まった。
ADVAN A053の優れたポテンシャルは、オープニングのSS1「長草萱山1」から存分に発揮された。ツイスティなコーナーも多いこのステージで、奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組がベストタイムを奪取、柳澤宏至選手/中原祥雅選手組がセカンドベストで続く。3番手は勝田範彦選手組となるが、奴田原選手組との差は8.6秒でキロ1秒以上だ。
SS2「鶴石山1」。このステージは本大会最長となり勝負どころと目されるが、奴田原選手組が連続ベスト、柳澤選手組も再びセカンドベストで続いた。このステージでも奴田原選手組と3番手の勝田選手組のタイム差は9.6秒とキロ1秒以上となる。
さらに奴田原選手組は2ループ目となる「長草萱山2」、「鶴石山2」も制して4連続ステージベストと好調な走りでサービスイン。ここまでのステージ距離は23.96kmだが、勝田選手組との差は25.9秒と大きく開いており、2番手には柳澤選手組がつけていることから、ADVAN A053装着車がワン・ツー体制を序盤早々から構築した。
セクション2に入っても、ADVAN A053装着車は磐石な走りを見せる。ショートステージのSS5「ルネサンス1」こそ0.1秒の僅差でベストに届かなかったものの、SS6以降はDay1最終のSS9まで奴田原選手組が再び4連続ステージベストを奪取。
東日本選手権が併催されていることもあり、Day1の走行台数は70台ほど。そのため2走目でワダチが掘れた箇所も少なくない上に、SS8をJN4上位陣が走り終えた後に豪雨が襲い、最終SSはウェットコンディションへと転じた中、あらゆるシチュエーションにおいてADVAN A053の速さが実証されたかたちとなった。
こうしてDay1を終えて、トップは奴田原選手組、23.6秒後ろの2番手に柳澤選手組、さらにそこから9.6秒後ろが3番手の勝田選手組というオーダーでラリーは折り返す。
朝から眩しい太陽が照らしたDay2、この日もオープニングステージを奴田原選手組が奪うところから一日が始まった。既に大量マージンを構築した奴田原選手組は、後続とのタイム差を一定にキープしてフィニッシュまで運べば良いわけで、完全に主導権を握っての戦いとなる。
対して追い上げてくるライバルには攻めの走りを求められる。SS11は奴田原選手組がベストを譲るかたちになったがその差は僅か0.1秒。
奴田原選手自身が「ドライバーが無理をしなくてもタイムを出せる」と語ったADVAN A053のポテンシャルを垣間見れる結果がSS11であったと言えるかもしれない。
その後、勝田選手はマシントラブルでリタイア。対して奴田原選手組と柳澤選手組はワン・ツー体制を一度として脅かされることなくマシンをフィニッシュまで運んで、ADVAN A053の全日本ラリー・デビューウィンをワン・ツー・フィニッシュで飾った。
また、前戦・久万高原では柳澤選手組が従来品のADVAN A035で2日間のデイポイントを含めた満点優勝を飾ったが、今回の福島ではADVAN A053で奴田原選手が同様の満点優勝。世界のラリーシーンで定評あるヨコハマタイヤのラリー(ダート)タイヤの高性能ぶりを改めてアピールした。
JN3クラスでは、トヨタ・86の三好秀昌選手/保井隆宏選手組がDay1ではエンジンが4,000回転までしか回らないというトラブルに見舞われてしまった。しかし、修復されて本来の調子を取り戻したDay2ではトップであがってデイポイントを獲得、カローラ・レビンの山口清司選手/島津雅彦選手組に続く6位でフィニッシュして、山口選手組ともども入賞を飾った。
JN2クラスは川名賢選手/小坂典嵩選手組が、天野智之選手組とシリーズランキング争いは同点トップでこの大会に臨んでいる。この両者が戦いの主役になると思われたが、そこに割って入ったのがマツダ・デミオを駆る加藤辰弥選手/松浦俊朗選手組。SS2で天野選手組を6.2秒引き離すステージベストをマーク、一気に2番手のポジションへと躍進。
その後、天野選手組がSS6でリタイアするとクラストップに立ち、ここからはヨコハマタイヤを装着する若手選手同士の一騎討ちになっていく。
SS6を終えて加藤選手組と川名選手組の差は11.2秒、これを川名選手組がSS8で逆転に成功してトップでDay1を終えた。Day2も川名選手が終始戦いをリードしてフィニッシュ、シリーズを戦う上でも大きな意味を持つ満点優勝で歓喜のシャンパンファイトとなった。
JN1クラスは久しぶりの参戦となる葛西一省選手/安田弘美選手が力走。タフな路面を粘り強く走りきり、3位表彰台を獲得した。
【今回の成績 : JN4クラス 優勝】
ここのコースはテクニカルで、低速コーナーがあったり車速が乗るところもあったりと難しい道です。幅は決して広くなく、深く掘れていきますから、典型的な本州のダート道という感じでしょうか。ADVAN A053のデビュー戦となりましたが、速度域の高い海外ラリーで開発してきたものの国内仕様デビューということで、日本の道でも優れたポテンシャルを発揮してくれることを、勝って証明できましたね。
今回はSSの合計が70kmに満たないので、どこか一カ所で大きく遅れると取り返すのが大変になってしまいます。ですからオープニングのSS1からマージンを稼いでいかなければならないのですが、予定通りに行けましたね。
ADVAN A053は、無理をしないでも普通に動かせばタイムを出せるタイヤ。マシンのセッティングやドライビングスタイルは特に変えていませんが、前後方向のトラクションが圧倒的にあるので、荷重移動など基本通りに車を動かせば何の違和感も無くタイムを出して行けると思います。
【今回の成績 : JN4クラス 2位】
ADVAN A053のデビュー戦ということで、タイヤが変わったことでセットアップが詰めきれていない部分はあったのですが、タイヤのフィーリングは感じ取っていたので、実戦でタイムがどうかなという不安が半分ある中でのスタートでした。しかしオープニングステージから、他社のタイヤを装着している選手よりもタイムを出せているので、それで安心して走れたという感じです。
今回はSコンパウンドを使いましたが、とてもグリップレベルが高いのでドライビングはなるべくアクセルを開けてコーナーリングできるように心がけていきました。
今後はマシンのセッティングをしっかり煮詰めて、ドライバーとしても慣れていけば、さらに上に行けると思います。不安は払拭できたし結果も良かったので、とても満足しています。次の洞爺は昨年勝っていますし、道もより高速でADVAN A053とのマッチングが良いと思われるので、とても良いイメージを持って臨んで行けると思います。
【今回の成績 : JN2クラス 優勝】
去年の福島よりはタイム差を見ると良くなっているのですが、走りとしてはいまひとつ納得できない状態でDay1の前半を戦っていました。サスペンションを新しくしたのですが、時間の余裕が無くてセッティングが間に合っていませんでした。レッキなどを通じていろいろやっていたのですが、Day1の昼のサービスで大きく変えてかたちになりました。
足が決まって午後のセクションに入ったら、そこからはノリノリで(笑)。こんなに変わるのかと思いましたね。
天野選手がリタイアした後は、加藤選手との一騎討ちになりました。久万高原から速さを見せてきているので気になる存在ではありましたが、SS6をとても気持ちよく走れてタイムも良かったので、自分の走りに集中してしっかりDay1のうちに逆転できました。
グラベルラリーをトップで折り返すことがあまり無かったのでDay2は緊張しましたが、朝一番のステージでしっかりリード出来たことで、あとは新しい足回りに慣れることも念頭においてフィニッシュまでマシンを運びました。
洞爺でしっかり勝たないと皆さんに納得してもらえない部分もあると思うので、しっかりマシンを煮詰めて臨みたいと思います。
【今回の成績 : JN2クラス 2位】
久万高原のDay2くらいからマシンのセッティングも決まってきて、ここ福島でもオープニングステージから良い感じでスタートすることが出来ました。道は福島のほうが綺麗で、フラットな路面というイメージがありました。ワダチはレッキの2回目で既に掘れてきていましたが、本番ではかなり深いワダチになりましたね。とにかくフロントをしっかりワダチのアウト側にひっかけて行けばリアはついてきてくれるだろう、と。
Day1のSS6を終えてクラストップに立ちましたが、なんだか不思議な気分でしたね(笑)。みなさんが100%で走っている状態を追い抜いてのトップではないので、嬉しさはあまり感じなかったんです。
結局2番手で折り返して迎えたDay2、差は小さかったので初日同様のペースで行けばと思ってスタートしたのですが、朝一番のSSでペースノートのズレもあって離されてしまいました。
結果は悔しいですが、納得はしています。上位争いに絡んで行けそうな手応えと自信をつけられた一戦でした。まだ伸ばすべきところも多々あるのでどう伸ばしていくか、ミスをいかに少なくするか、これを今後の課題として洞爺に全力で臨みます。
【今回の成績 : JN1クラス 3位】
予定とおり、洞爺に向けての良い練習になりました(笑)。
昨年のRally Hokkaidoから全然車に乗っていなくて、5日前くらいに30分くらい走っただけでの参戦が今回。30分くらい走った時はいい感じだったのですが、実際の荒れたコースを走ったら全然ダメで(苦笑)。Day1でリズムが合わなくて、やはり走っていないとダメだと痛感させられました。
鷲尾(俊一)選手といい勝負をしたいと思っていたのですが、序盤で何十秒もやられてしまって。そこで、気持ちを切り替えて3位狙いにして洞爺に向けての走り込みと位置づけました。Day2はいい感じで乗れて、洞爺はガツンと行けそうな手応えを掴めました(笑)。
全日本ラリーでもさまざまなキャラクターをカラーリングしたマシンが増えているが、JN2クラスを戦う中西昌人選手のスズキ・スイフトには全国的に人気沸騰中のキャラクターが姿を見せた。
「くまモン」は2010年に誕生した、熊本県のPRマスコットキャラクター。2011年のゆるキャラグランプリで王座に輝いた人気者だ。この「くまモン」がマシンの前後左右にあしらわれた経緯を中西選手にお聞きした。
「元々は、ギャラリーの方々に配るプレゼントが欲しいと思って話を進めたのがきっかけです。特に子供たち、私にとっては孫にあたる世代でもあるのですが(笑)、ちびっこ達にとっては親しみやすいキャラクターですからね。ステッカーなどをもらって嬉しく思ってもらえるでしょうし、それをきっかけに自動車やラリーに興味を持って好きになって欲しいと思っています」
ファンサービスへの思いをきっかけに実現した、ラリーマシンへの「くまモン」の登場。中西選手は福岡県在住であり、全国を転戦する全日本ラリー選手権において九州をPRすることにも一役買う立場になった。
「車体の四面に『くまモン』を貼っていますが、リアウィンドゥから顔をのぞかせているタイプは熊本県で出しているパターンの中に無いオリジナルのものです。公認の『くまモン』ですから、著作権表記もつけてあるんですよ。
実は久万高原のサービスで、私自身が『くまモン』にとても似ていると言われまして(笑)。そこで急いでステッカーを買いに行って、そこからマシンに貼付するところまで話が膨らみました。
チームスタッフには『なかモン』なんて呼ばれたりもしますが、いずれはレーシングスーツやヘルメットにもあしらってみようかと思っています」
マシンには「くまモン」のステッカーなどを積んであり、サービスパークやラリーパークなど機会があれば観戦に足を運んでくれたファンにプレゼントしていくという。家族連れでラリー会場に足を運んだら、まずは「くまモン」を目印に中西選手の元を訪れてみてはいかがだろうか。
日本国内の観光旅行といえば、温泉めぐりを楽しみにしているという方も多いだろう。東北も温泉の宝庫として知られているが、福島県にも数多くの名湯や秘湯が存在している。
今回のラリーが開催された市町村にも、ぜひご紹介したい名湯がある。
いわき市では「フラガール」で全国に知られるリゾート施設や、愛媛の道後、兵庫の有馬と並ぶ日本の三古泉として知られていた「いわき湯本温泉」が人気を集めている。
古殿町では、大自然の中にある一軒宿「入道の湯」が秘湯ムードもあって多くの常連客が足を運んでいる。鮫川村には村民保養施設「さぎり荘」に温泉があり、地元の木材を使った景観にマッチした建物と、木の香り漂う浴場が人気だ。
そして本大会のホストタウンをつとめた棚倉町では、ラリーのヘッドクォーター(大会本部)やサービスパークとしても使われた「ルネサンス棚倉」(写真)のクアハウスがお薦め。弱アルカリ単純泉のお湯は無色透明で肌にやさしく、疲労回復やリウマチ、運動機能障害などへの効能が謳われている。
近代的な施設にはレストランや宿泊ゾーンも用意されており、乗馬やテニス、プールも楽しめる充実度の高さが自慢。
大会に参加した選手や関係者の多くもここに宿泊し、身体の芯まで温めてくれるお湯で英気を養っていた。
ADVAN A053の全日本ラリー選手権デビューとなったが、その戦いの内容としては三菱・ランサーを駆る奴田原選手組とスバル・WRXを、駆る柳澤選手組のワン・ツー・フィニッシュでライバル勢を圧倒するという期待に応える結果となった。
元々はP-WRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)やAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)、IRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)といった、ハイスピード領域で長距離のSSを戦う海外ラリーで生まれ、鍛えられてきたADVAN A053。これを主に構造を日本国内の道に最適化した国内仕様のADVAN A053がこの度デビューを飾ったわけだが、その持てるパフォーマンスは随所で遺憾なく発揮され、特に奴田原選手組の満点優勝で実証されたと言える。
奴田原選手のコメントにもあるように典型的な本州のダートコースが主体となる福島だが、Day1終盤では雨によりウェットに路面が転じるなどの変化もあるなかで、高いトラクション性能をはじめとしたADVAN A053の強さが遺憾なく発揮される展開となった。