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JRC Round 7
開催日
2013年9月27日-29日
開催場所
北海道・帯広市 近郊
天候/路面
晴れ/ドライ
グラベル(非舗装路面)
総走行距離
1007.15km
SS総距離
232.32km (18SS)
得点係数
2.5
(非舗装路 150km以上)
参加台数
44台(オープンクラス含)
(ヨコハマタイヤ装着車 13台)
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全日本ラリー選手権は、第4戦に続いて北海道に再上陸。十勝地方を舞台にAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)との併催で、今年も「Rally Hokkaido」が盛大に開催された。
帯広市の北愛国交流広場に設けられたサービスパークを拠点に、十勝地方北部の音更町、本別町、足寄町、陸別町、そしてサービスパーク隣接のステージを含めて全18本、合計232.00kmのSS(スペシャルステージ)で競われる。リエゾン含めた総距離は1007.15kmと、圧倒的なスケールの大きさが特徴であり、ポイント係数も高いことからシリーズの天王山にも位置づけられる一戦だ。

競技は27日(金)の夜に、サービスパーク隣接のショートステージ「SATUNAI River (2.54km)」からスタート。28日(日)は「NEW ASHORO LONG (29.11km)」と、久しぶりにステージとして使われることになった陸別北部の「YAM WAKKA (23.49km)」、大勢のギャラリーが見守る「RIKUBETSU LONG (4.63km)」を走行。29日(日)は昨年までの逆走となる「OTOFUKE Reverse (6.12km)」と「HONBETSU Reverse (11.03km)」、そして「PAWSE KAMUY (10.40km)」を巡って、土曜・日曜ともに最後は「SATUNAI River」で締めくくるというアイテナリーだ。

シリーズリーダーとしてこの大会に臨む奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組は、チャンピオンに王手をかけての一戦。金曜夜の「SATUNAI River 1」こそ4番手に甘んじたものの、土曜日になって林道に舞台を移すとこの日のオープニングとなるSS2「NEW ASHORO LONG 1」ではステージベストを叩き出してラリーリーダーとなる。しかし、これに待ったをかけたのが柳澤宏至選手/中原祥雅選手組で、続くSS3「YAM WAKKA 1」を制して奴田原選手組と1.7秒差の2番手に。3番手の勝田範彦選手組には17.4秒差をつけ、ラリー序盤からADVAN A053を装着する2台がワン・ツー体制を構築する。

陸別でのリモートサービスをはさんでセクション2に入ると柳澤選手組がチャージ、2走目のSS6「YAM WAKKA 2」で再びステージベストを奪うと奴田原選手組を逆転してラリーリーダーの座におさまる。勢いに乗る柳澤選手組は続くSS7「RIKUBETSU LONG 2」も制して奴田原選手組との差を11.2秒に拡大した。
惜しくもセクション3に入って「NEW ASHORO LONG 3」で勝田選手組にトップを譲ったものの、LEG1を終えての順位は奴田原選手が5.0秒差の2番手、柳澤選手組は8.8秒差の3番手。172.14kmを戦って僅差の三つ巴となり、29日(日)のLEG2に臨む流れとなる。

LEG1に続いて好天に恵まれたLEG2。既に大雪山系旭岳では初冠雪も観測されている北海道、朝晩の冷え込みは秋というよりも冬の足音さえ聞こえてくるほどである。そんな中で繰り広げられる熱い戦い、LEG2オープニングのSS11「OTOFUKE Reverse 1」で奴田原選手が快走を見せて勝田選手をキロ1秒以上リードするステージベストをマーク。残念ながら柳澤選手組は駆動系に抱えたトラブルから3番手への後退を余儀なくされたが、奴田原選手はこれでトップを奪還する。

そのまま奴田原選手組の勢いは留まることなくステージベストを連発、最後の林道ステージとなる「PAWSE KAMUY2」まで6連続ステージベストをマークして、勝田選手組との差を15.2秒にまで拡大、残すはショートステージの「SATUNAI River」2本のみ。

まずは1回目、奴田原選手組のタイムはベストを刻んだ勝田選手から3.4秒遅れの4番手。これで差は11.8秒に縮まったが、ショートステージということもあって誰もが奴田原選手の優勝とチャンピオン獲得を信じて疑わない展開であった。
しかし、この走行でタイヤが何らかのダメージを受けていたようで、じわじわと空気圧が低下してしまったのである。2回目の走行までの間にパンクした状態となってしまい、スタートに向かった奴田原選手がフィーリングの悪化を認識した時には、既にタイヤを交換する時間的な余裕が残されていなかった。

それでも10秒以上のマージンがあり、残る距離は2.54kmなので、逃げきりを図ってアタックに臨んだ奴田原選手組。ところがアタック中に空気の抜けたタイヤがホイールから外れてしまい万事休す。勝田選手も全力で追う最後の一騎討ち、トップラリードライバー同士の壮絶な戦いは、232.32kmのステージを走りきって僅か1.0秒差で奴田原選手組が最後の最後で2番手にドロップするという結果になった。

JN3クラスは金曜日のSS1から2番手に7秒の大差をつけるステージベストを叩き出して、鎌田卓麻選手/市野諮選手組が速さを見せた。土曜日もオープニングの「NEW ASHORO LONG 1」で連続ベストをマークする好調さでトップを快走していたが、SS9でロアアームを破損して無念のデイリタイア。しかし、日曜日にスーパーラリーで復活した後も、8本中6本のSSでステージベストを刻んで、その速さを遺憾なくアピールした。

サバイバルな展開となる中で、JN3で4位フィニッシュを果たしたのは三好秀昌選手。今回は保井隆宏選手がAPRCでの参戦となるため、いつもはAE111レビンで参戦する島津雅彦選手とのコンビとなったが、久しぶりの復活となった「YAM WAKKA」や逆走となった「HONBETSU」「OTOFUKE」に多くの選手が戸惑いを見せる中で、ベテランの持ち味を発揮して安定した戦いぶりを披露した。

JN2クラスはシリーズチャンピオンに王手をかけている川名賢選手が、安東貞敏選手とのコンビ復活で参戦。金曜夜の「SATUNAI River 1」で天野智之選手組にキロ1秒以上の差となる2.7秒のリードを得てトップを奪うと、土曜日は9本中6本でステージベストをマーク。LEG1を終えて天野選手組に対して39.1秒のマージンを構築、完全に主導権を握ったかたちでLEG2に臨む。
LEG2に入っても川名選手組が手綱をゆるめることは無く、セクション4で3連続ステージベストをマークしていく。JN3の上位勢をも上回る快走、さらに速さのみならず安定感も増した危なげない走りでマシンをフィニッシュまで運び、堂々の優勝で念願のシリーズチャンピオンを獲得することに成功した。
また、加藤辰弥選手/松浦俊朗選手組が3位でフィニッシュし、ヨコハマタイヤを装着する若手が表彰台の主役となった。

JN1クラスはラリーGB参戦に向けた練習をかねて出場した大庭誠介選手が、SS1から4連続ステージベストでブランクを全く感じさせない走りを見せる。その大庭選手が後退してからは中西昌人選手/北川紗衣選手組がトップ争いの主役となり、鷲尾俊一選手組との激しい攻防戦を展開。
SS9「NEW ASHORO LONG 3」でラリーリーダーに立ちLEG1をトップで折り返すと、そのままLEG2もフィニッシュまでマシンを運んで今季初優勝を飾り、セレモニアルフィニッシュではマシンにカラーリングされている「くまモン」にも大きな声援が寄せられていた。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 2位】
LEG1は2番手であがりましたが、どのみち最後まで接戦になると思っていましたし、差も小さかったのでLEG2で逆転できると思っていました。LEG2に入って、オープニングステージで逆転して林道ステージを終えて帰ってくるまでは順調な流れで来ていました。
最後のSATUNAIはリードして迎えたので、極端に無理することなく石などを避けて走ろうと思っていたので、1回目での3秒のビハインドはちょっとタイムを落としすぎたかと思いましたが、まぁこれでいいという感じで。ただ、おそらく1回目でタイヤになんらかのダメージがあったようで、リグループに入るまでは問題なかったのですが、そこでの10分間のうちに空気が抜けてしまったようで、スタートに向かうまでの間でタイヤのトラブルに気がつきました。しかし移動時間しかなくて、タイヤ交換をする余裕はなく、そのまま走るしかありませんでした。2.5kmなのでキロ4秒遅れても大丈夫ということで行ったのですが、タイヤがホイールから外れたことが想定外でした。
道は全体的に完全に乾いているというまででもなく、APRC勢が走って表面が掘れると濡れている感じでした。そんな場面ではADVAN A053の対応領域幅の広さが強みになりますし、高速ステージ、かつワダチも出来るRally Hokkaidoではポテンシャルの高さが武器になってくれますね。
川名賢 選手
 【今回の成績 : JN2クラス 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
チャンピオンを賭けて臨んだ一戦でしたが、ドライビングに関してグラベルはとても良い状態で来ていたので、そのままのイメージを守っていけばいいと思っていました。ただ、林道オープニングのSS2が僅差だったので、自分としては改めてここで気が引き締まりましたね。
結果としてはトップでLEG1を折り返しましたが、最後の「NEW ASHORO LONG」でマシンがかなりガタついたので、クルマが最後まで大丈夫かなという思いが強くなりました。実はLEG1でミッションのシンクロが、SS2でダメになってしまっていたんです。だからシフトはかなり丁寧にしていたのですが、「それでもベストは獲れるんだ」ということに気づきました(笑)。
LEG2はハイスピードなOTOFUKEからだったので、道から落ちないことを心がけました。一つ目のコーナーでリアが思った以上に振れたので慎重にいきましたが、ライバルとの秒差を見て自信が持てましたね。2ループ目からは最後までマシンを運ぶこと、それだけを考えながら走りました。
最後のHONBETSUを走っているときは「絶対リタイアしてはいけない」ばかり考えていて、走りきって「これで行けるかな」と思いました。
これでチャンピオン確定ということですが、いまはまだ実感が無いですね。去年よりドライビングスキルが上がっていると実感しているのですが、このタイミングで獲れたことが良かったと思います。
 
Movie
 
AREA GUIDE
ホストタウンとなった帯広市を中心とした北海道・十勝地方は、広大な平野で農業が盛ん。また、南部や西部は太平洋に面しており、秋鮭に代表される海の味覚にも恵まれた地域だ。
こうした環境を背景に、帯広市は「フードバレーとかち」というプロジェクトを進めており、食と農林漁業を柱とした地域産業の育成に力を入れている。

観光客のお目当ても、雄大な自然美ももちろんだが、やはり恵まれた食を楽しみに足を運んでいる人が多い。Rally Hokkaidoに参戦したクルーやスタッフも食事を楽しみにしているという人が多く、今や全国区の人気となっている豚丼や、新しい名物として定着しつつある中華ちらし、定番の焼き肉やスイーツなどで英気を養って戦いに臨んでいたようだ。

また、サービスパークでは「とかち・北海道満腹フェスティバル」も併催され、十勝のみならず全道各地から美味しいものが勢ぞろい。会場に足を運んだ家族連れなどが、美味しい味覚に舌鼓を打っていた。
 
TECHNICAL INFORMATION
残念ながら最後の最後で逆転を喫したものの、Rally Hokkaido全体としてはADVAN A053の高いポテンシャルが光る内容となった。海外ラリーで鍛え上げられたハイスピード領域での性能、そして日本仕様に最適化されたことによる対応領域幅の広さやコントロール性能が選手たちの走りを支え、序盤から装着車がライバルを圧倒する速さでワン・ツー体制を構築した。

週末を通じて好天に恵まれた十勝地方であったが、林道ステージは完全なドライコンディションという状態ではなく、表面は乾いているもののAPRC勢が通過してワダチが掘れると湿った土が顔を出していた。一方で長いストレートは乾いており、タイヤの対応領域幅の広さが試されるステージが多かった。
そんな中でADVAN A053は持てるポテンシャルを遺憾なく発揮。最後こそ惜しくも2番手となったが、ステージリザルトでその速さを実証した一戦であった。
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