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変えた"走り"、変えない"自分のスタイル"
 
丸和でのテストが大きなターニングポイントとなった。それを境に谷田川選手の連勝が始まる。
だが連勝中も試行錯誤を繰り返していた。

「今年を振り返ってみると、やっぱり九州で負けちゃって参ったなっていうのはありました。いろいろテストして挑んだ2戦目、大丈夫かなって。2本目ベストタイムが出て、『良かった』って。
それからはいつも『大丈夫かな大丈夫かな?』でした。やっぱり第1戦、第2戦が一番緊張しましたね。
その後は先が見えてきて、焦る必要はないなというのが分かってきたんですけれど」

[Click] クリックすると拡大画像を表示しますどんな競技でもトップドライバーたちは自分の走りのイメージを持っている。
全日本ダートトライアルの選手たちに話を聞くと、いつも感じることがある。ダートトライアルほど自分の走りにこだわる競技は無い。
刻一刻と変化する路面状況。うねりやワダチから弾き飛ばされて、一瞬のうちにロールオーバーすることも当たり前の世界。ドライバー自身が強いメンタリティを持って走らなければ、優勝はおろか完走も危うい。ライバルではなく路面と戦っているのでは?、という錯覚さえ覚える。

そんな中でトップを走ってきた谷田川選手が走りを変えた。

「乗り方は変わりましたね。
あまり姿勢変化を与えない方がいい。どちらかというと極端だけれど、こじらせながら走ったほうが走らせやすいしタイムは出やすい。ただ自分のスタイルとしてそれはやりたくない、そういう走りは。
だから狙ったのは、アングルを抑えつつ自分のスタイルで走ること。見た目今までよりもアクション的には小さいかも。
あくまで自分の走りのスタイルで勝つ。どっちか欠けてもカッコよくないですからね」
 
「オーバーオールで勝つ」という誇り
 
パドックで谷田川選手のクルマを見た。鷹の目のGDBインプレッサは、全日本ダートラの会場で一番キレイだと思えるほど整備されている。メカニックは丹念にエアーで砂ボコリを吹き飛ばしている。
見ると最近流行りのガジェトが・・・、GPSのデータロガーだ。

「あまりボクは活用していません。チームメートなんかはボクのラインと見比べてやってますけどね。ボクは見たところで、自分のラインを走っているだけであまり必要ないんですよ。
区間タイムも取っていますし、どこでミスったかも分かっている。タイムを見れば2本目に修正すればいいんですから。
それよりも自分が思ったラインと姿勢の作り方。カッコよく、しかも勝てるように走るにはどうしたらいいのか? そう考えちゃうんで。ただ勝つためだけに自分の走りを犠牲にしたくないんですよ」

[Click] クリックすると拡大画像を表示します谷田川選手自身、常に口にする言葉がある。

『オーバーオールで勝つ』。

その言葉のウラには勝つだけでない、自分が理想とする走りをして勝つという高い目標がある。
今シーズン谷田川選手は、第2戦丸和と第5戦切谷内の2戦で、オーバーオールタイムで優勝している。
 
 
2010年・全日本ダートトライアル選手権 谷田川敏幸選手リザルト
ラウンド 開催日 会 場 クラス順位 ベストタイム リンク
Round 1 4月18日(日) モビリティおおむた (福岡県) 2位 1'30.655 >> REPORT
Round 2 5月30日(日) 丸和オートランド那須 (栃木県) 優勝 1'37.546 >> REPORT
Round 3 6月20日(日) 輪島市門前モータースポーツ公園 (石川県) 優勝 1'16.535 >> REPORT
Round 4 7月11日(日) オートスポーツランド スナガワ (北海道) 優勝 1'30.210 >> REPORT
Round 5 8月08日(日) サーキットパーク切谷内 (青森県) 優勝 1'28.047 >> REPORT
Round 6 8月29日(日) モーターランド野沢 (長野県) 優勝 1'24.102 >> REPORT
Round 7 9月19日(日) コスモスパーク (京都府) 2位 1'31.224 >> REPORT
Round 8 10月10日(日) テクニックステージ タカタ (広島県) 優勝 1'49.321 >> REPORT
 
谷田川選手とともに進化を続けるADVAN
 
今回の取材をした第7戦の京都。谷田川選手が口にする目標の困難さに直面する場面があった。
最高速に達するストレート、4速から1速まで一気に減速してのコーナリング。1本目は止まりきれず土手にヒット。リヤバンパーを落としてパドックに帰ってきた。
[Click] クリックすると拡大画像を表示します
その時のインカービデオを見た。ストレート、谷田川選手は自分の巻き上げたホコリで前方が全く見えなくなっていたのだ。その先にフルブレーキングの減速があると分かりながら、砂ボコリの中に飛び込んでゆく映像。思わず息を呑んだ。
道具を信頼できなければ、そんな芸当は絶対にできない。オーバーオールを狙うということはこんなにもリスキーなのかと感じさせられた。

「今年は2勝くらいしかしてないんじゃないかな? Dクラスとの争いは。
勝たなきゃ意味ないけれど、自分のスタイルは曲げたくない。そこですよね。今日はまさに、そのリスキーさからミスが出ちゃった結果ですね。そんなことではDクラスに勝てないですよね、SC3はもとより。
今まで食えていたのだから、やっぱりDを食わないと」

その日の谷田川選手の結果は2位に終わった。表彰台の2位の位置でメダルを受け取る。会場を後にする谷田川選手に、黒い帽子が似合ってますねと声を掛けた。すると、

「そう? 昔を知っている人は、みんなそう言うんですよ。自分じゃ意識したことなかったんですけれどね」
と笑顔で応えた。

[Click] クリックすると拡大画像を表示しますタイヤを使いこなすことに必死だった2010年シーズン。不安に対して自分のスタイルを貫き通す中で見えた光明。そして8回目のチャンピオンという称号。
谷田川選手は次のシーズンに向けてテストの予定を組み込んだ。

「第6戦でチャンピオンも決まったので、この後のテストは行かなくてもいいかなとも思っていたんです。正直な話、経費もかかりますし。
でも待てよと、谷田川が行くことでタイヤが良くなる可能性があるんだったら、と。ADVANユーザーが速く走れるタイヤを作りたいって思いました。参加して今後の手助けになればいいなと思ったのです。
だからユーザーに対しては、これから開発してドンドン良いタイヤになるから、ということを言いたいですね」

ADVANのチャンピオンドライバーとして迎える2011年。さらなる活躍を期待したい。
 
       
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