−いよいよ2009年シーズンを迎えようとしています。
齋藤事務局長 :
「新しく日本でロータスによるJAF公認のワンメイクレースを発足させたのが2007年ですから、今年でエリーゼについては3シーズン目を迎えようとしています。
それまでも日本ではロータス車によるサーキットイベントが盛んに行われてきていました。
そんな中で私たちがJAF公認のレースを立ち上げたのは、安全面を重視したからです。公認レースということで規則の制定など難しい面もありましたが、メーカーであるロータス社や日本のインポーターであるエル・シー・アイ社の協力も得てシリーズ開催に至りました。
−安全面では、2009年に一部の規則を改正されるそうですが?
齋藤事務局長 :
「はい、技術規則の一部を改正することになりました。
まずロールケージについて一部を変更します。JAFの規則的には昨年までの仕様で問題ないのですが、昨年発生したアクシデントを受けてより安全性を高めなければいけないという判断に至りました。
3ヶ月ほどの時間をかけてロールケージを製作する業者さんとも検討を重ねて、バーを1本追加することを決定しました。
また、バッテリーのカバーもメーカー側で装着されていないので、新たに規則で装着を義務づけることにしました。」
−今季からは新たに2-ELEVENカップも発足することになりましたが。
齋藤事務局長 :
「これは日本のインポーターを通じてメーカーから、日本で2-ELEVENでのレースが出来ないものか、という話が来たことがきっかけです。
ところが経済事情の悪化という逆風もあって、実際に800万円ほどの車両を購入してレースをされる方がどれほどいらっしゃるのか、など課題や悩みも出てきました。
そのような状況で事務局である私としては、2-ELEVENはサーキットを走るために造られたクルマなのだから、これでレースをしない手はない、と訴えたのです。国内で販売されている車の中でワンメイクレースに最も適した車種ではないかと。こうした議論を経て2009年から発足させる運びになりました。」
−シリーズ開催地には、SUGOや鈴鹿が加わりました。
齋藤事務局長 :
「ロータスの販売代理店さん、そしてお客さんが全国にいらっしゃいますから、全国展開を望む声がありました。
またF1も開催される鈴鹿、東北唯一の国際サーキットであるスポーツランドSUGOをシリーズ開催地に加えることになりました。
これで東北や北海道、関西などの方々にも、ご参加頂きやすくなると思います。
もちろん関東近郊にお住まいの既存の参加者の方からは反対の声もありました。遠征費用もかかりますし、どうしても移動に時間がかかるので仕事を休まなければならないという方もいらっしゃいます。
こうしたご意見も決して無視出来るものではありませんから、事務局としてはとても悩みました。そして、やはり色々な会場でレースをするということは参加される皆さんに楽しい結果となるでしょうし、スキルアップにもつながると思います。
鈴鹿は今年F1が開催されますから、そのコースで自分もレースをするという経験はとても貴重なものになるはず。F1を観戦する際にも、より楽しむことが出来るのではないでしょうか。」
−2009年シーズンの参加台数はどの程度を見込まれていますか?
齋藤事務局長 :
「既に2-ELEVENについても車両を購入して参戦されることの確約をいただいている方が何人かいらっしゃいます。
開幕して回を重ねていくことで注目も高まり、シーズン途中から参戦されるという方も出てくるのではないでしょうか。個人的にはシーズン終盤には2-ELEVENで二桁の台数を走らせられればと考えています。
エリーゼSの方は若干の入れ替わりもありますが、新しい参加者の方を迎えて昨年並の台数になると見込んでいます。
ロータス・カップ・ジャパンは年間エントリー制ですが、例えば1台のクルマを複数のドライバーでシェアして参加されるという方法も可能です(年間ポイントはドライバー別)。車両の購入についてもエリーゼSカップカーはナンバープレートが付いた車両ですから自動車ローンを適用できますし、ナンバー無しの2-ELEVENについても物品リースのような形式の適用も可能です。」
−最後に3シーズン目に向けての抱負を聞かせてください。
齋藤事務局長 :
「安全という土台をしっかり築いた上で楽しくレースをしよう、という私たちの考え方やJAF公認レースの意義にご賛同いただいた皆さんにご参加いただいているので、シリーズはとても良い雰囲気に包まれていると思います。
ともすると自分のテクニックを磨くよりも車にお金を賭けて速くなろうという人が現れそうなものですが、ロータスカップ・ジャパンにはそういった方はいらっしゃらないですね。
ゲストドライバーとして参戦されるプロドライバーの存在も大きく、毎回色々なアドバイスをいただいて参加者の皆さんが上達していることは疑う余地もありません。
3シーズン目を迎えてますます活性化していますし、新たな参加者の方もお迎えして楽しく、真剣なレースが展開されることを期待しています。」