ADVAN A050(アドバン・エイ・ゼロゴーゼロ)。
2000年5月の誕生以来これまで、ジムカーナやサーキットで圧倒的な高いポテンシャルを見せ続けてきたADVAN
A048の系譜を受け継ぐ新しいタイヤがデビューした。
横浜ゴムモータースポーツ部技術開発2グループの丹羽正和。
1987年に横浜ゴム入社、海外向けのタイヤや新車装着タイヤの開発に携わった後、2000年から当時のモータースポーツ開発部に配属。
今回のADVAN A050では設計や構造を担当するとともに、全体のまとめ役となった。
「ADVAN A050開発プロジェクトが正式にスタートしたのは2006年の秋からです。もっとも、一昨年あたりからはA048の次期商品に向けたベースとなる開発を始めていました。」
ADVAN A050を産み出すにあたって掲げられた"ふたつのコンセプト"を丹羽は次のように説明する。
「基本的に全体としては、ご好評を頂いているA048を更に進化させることがコンセプトです。そのためにはウィークポイントとされる部分を消していくことにまず主眼を置きました。
ひとつは摩耗であり激しいドライビングによる損傷への対策。
そしてもうひとつ性能面ではブレーキトラクションの強化です。これは横方向に比較して物足りなさがあった縦方向のトラクションを高めるということです。」
7年の歳月を経ても、なお高い戦闘力を持ち続けているA048。しかし日進月歩の中で更なる進化を果たし、ライバルたちに対する高いアドバンテージを持ち続けるためのADVAN
A050デビューということになる。
ところでタイヤ開発というのは、どのような流れで行われていくものなのだろうか。
「開発には"コンパウンド"、"構造"、"パターン"という三つの基本要素があります。
これらを同時進行させられれば良いのでしょうが、例えばパターンが変わると形状も構造もコンパウンドも変わってきます。
そこで、ある程度は何かひとつを固定していかなければならないのですが、ADVAN
A050ではパターンを軸として開発を進行させました。
構造というものは全てが整った後でなければ調整できませんし、コンパウンドについてはA048のパターンである程度のテストを行えるという背景もあります。」