2013年のPPIHCは、例年同様にパイクスピーク山の観光道路を3つの区間に分けての練習走行および予選が行われる。さらに今回は、車検翌日の28日(火)にも山を上下2分割して練習走行を実施。4輪グループは麓から中腹までの区間を走行する。
モンスターマシンに囲まれながらスタートした塙選手は快調にロワーセクションを走行していたが、途中で電装系のマイナートラブルが発生してストップしてしまった。チームはトラブル再発を防ぐべく原因の究明にあたり、その甲斐あって塙選手は翌日からの3日間の練習走行と予選を無事にクリア。マシンとタイヤの進化をしっかりと感じながら、塙選手は大いなる自信と供に山を降りた。
6月30日(日)のレース決勝は、白い雲が一部に見えるも青空が広がり爽やかな朝となった。しかし天気予報は、EVクラスが走行する午後に一時強い雨が降ると報じる。そして、その予報は現実となってしまった。
EVクラスのスタート直前、大粒の雨が路面を濡らした。山頂ではヒョウが降っているという情報も入り、ライバルのチームは慌ただしく装着していたスリックタイヤを溝を有するレース用スポーツラジアルタイヤや、スリックタイヤに溝を彫り込んだカットスリックに交換。しかし、雨に強い「BluEarth-A」を装着する塙選手は余裕の表情で出走を待ち、そしてスタート。
雨が降って滑りやすくなった路面を、塙選手はまるで水を得た魚のようにスムーズに走行した。雨だけでなく濃霧で走行条件は最悪だったが、それでも塙選手はコーナーでしっかりとした手応えを感じ、ブレーキングでは抜群の制動力に快哉を叫びながら次々とコーナーをクリアしていった。
しかし、全部で156あるコーナーのうち、山頂に近い155本目にさし掛かったところで突如マシンがストップ。塙選手の快走は、フィニッシュまであと少しというところで終わってしまった。
原因は大雨によるシステムのエラー。非常に残念な結果となったが、それでも止まる直前まではウェット路面にも関わらず前回よりも速いペースを維持していた。塙選手とTeam
YOKOHAMA EV Challengeのスタッフは、失望と悔しさを感じながらも、さらに大きく成長して再びこの山に戻ってくることを心に誓った。
※参戦の模様を撮影したフォトギャラリー&ムービーは、後日掲載いたします。