チーム・ヨコハマ EVチャレンジ 2013 [パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム]
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参戦レポート&フォト 参戦レポート&フォト 参戦レポート&フォト 参戦レポート&フォト 2013年のパイクスピーク
ヨコハマタイヤ・挑戦の歴史
塙選手が抱く闘志
マシンの特徴とスペック
アメリカ、コロラド州で行われるPPIHC(パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム)は今年で91回目の開催。2013年大会は6月27日(月)にレースウィークがスタートし、車検、練習走行、予選を経て30日(日)に決勝を迎える。 前回、途中でマシントラブルに見舞われながらもEVクラスでの自己ベスト記録を更新した塙郁夫選手は、Team YOKOHAMA EV Challengeのドライバーとして5回目のPPIHC挑戦。マシンは去年と同じくオリジナルEVレーシングの「HER-02」を使用する。
搭載するバッテリーや液冷式モーターの基本性能に変わりはないが、冷却系やサスペンションを改良し信頼性とハンドリングを改善。そして今回、従来よりもウェットグリップ性能がさらに向上した最新仕様の低燃費タイヤ「BluEarth-A(ブルーアース・エース)」を7月1日の市販に先がけて装着。あらゆる走行条件に対応できる、バランスの良いEVレーシングに仕上がった。
大いに話題を集めた2013年のパイクスピーク、BluEarthも注目の的!
2013年のPPIHCは例年以上に大きな注目を集める大会となった。WRC(FIA世界ラリー選手権)で9年連続王者に輝くセバスチャン・ローブ選手が初出場ということもあるが、EVクラスのエントリー充実度の高さも話題に。

昨年「ADVAN A048」を装着した「TMG EV P002」でEVクラス優勝、そしてEVコースレコードを更新した奴田原文雄選手は欠場したが、多くのハイパフォーマンスEVマシンがエントリー。前回2位の三菱自動車は最新マシン「MiEV Evolution2」2台体制で出場。前回リタイアの田嶋伸博選手はオリジナルの「Eランナー・パイクスピークスペシャル」でリベンジを狙う。そして、パイクスピークの主とも言われる大ベテランのロッド・ミレン選手が去年の優勝車「TMG EV P002」に大幅な改良を加えたマシンでカムバック。
いずれも総合優勝も十分に狙えるハイパワーEVマシンだ。 その一方で、EV本来の高効率性を追及した「HER-02」駆る塙選手に対する注目度も例年以上に高い。

オール舗装路のPPIHCは今回よりレース専用のスリックタイヤを装着することが解禁となり、ドライコンディションにおいてはただ1台をのぞいたすべてのマシンがレーシングタイヤを装着。

唯一、塙選手だけが市販ラジアルタイヤの「BluEarth-A」を装着しての出走となる。
塙選手の参戦目的は、EVの普及とBluEarth-Aの性能証明およびテスト。優勝を狙うことは難しいが、それでも地元の人々やメディアの塙選手に対する視線は優しい。

レースの前々日にコロラドスプリングスの街中で盛大に行われた「ファンフェスタ」では、主催者がTeam YOKOHAMA EV Challengeのために一等地を用意。多くの人がブースを訪れ、塙選手や応援に駆けつけた奴田原選手にサインを求めた。
チームが大量に用意したポスターやノベルティグッズはあっという間に底をついたが、それでも人の波がチームのブース前から途切れることはなかった。
塙選手は悔しい結果なれど、次回に向けて大いに収穫のある戦いに!
2013年のPPIHCは、例年同様にパイクスピーク山の観光道路を3つの区間に分けての練習走行および予選が行われる。さらに今回は、車検翌日の28日(火)にも山を上下2分割して練習走行を実施。4輪グループは麓から中腹までの区間を走行する。

モンスターマシンに囲まれながらスタートした塙選手は快調にロワーセクションを走行していたが、途中で電装系のマイナートラブルが発生してストップしてしまった。チームはトラブル再発を防ぐべく原因の究明にあたり、その甲斐あって塙選手は翌日からの3日間の練習走行と予選を無事にクリア。マシンとタイヤの進化をしっかりと感じながら、塙選手は大いなる自信と供に山を降りた。

6月30日(日)のレース決勝は、白い雲が一部に見えるも青空が広がり爽やかな朝となった。しかし天気予報は、EVクラスが走行する午後に一時強い雨が降ると報じる。そして、その予報は現実となってしまった。

EVクラスのスタート直前、大粒の雨が路面を濡らした。山頂ではヒョウが降っているという情報も入り、ライバルのチームは慌ただしく装着していたスリックタイヤを溝を有するレース用スポーツラジアルタイヤや、スリックタイヤに溝を彫り込んだカットスリックに交換。しかし、雨に強い「BluEarth-A」を装着する塙選手は余裕の表情で出走を待ち、そしてスタート。

雨が降って滑りやすくなった路面を、塙選手はまるで水を得た魚のようにスムーズに走行した。雨だけでなく濃霧で走行条件は最悪だったが、それでも塙選手はコーナーでしっかりとした手応えを感じ、ブレーキングでは抜群の制動力に快哉を叫びながら次々とコーナーをクリアしていった。

しかし、全部で156あるコーナーのうち、山頂に近い155本目にさし掛かったところで突如マシンがストップ。塙選手の快走は、フィニッシュまであと少しというところで終わってしまった。
原因は大雨によるシステムのエラー。非常に残念な結果となったが、それでも止まる直前まではウェット路面にも関わらず前回よりも速いペースを維持していた。塙選手とTeam YOKOHAMA EV Challengeのスタッフは、失望と悔しさを感じながらも、さらに大きく成長して再びこの山に戻ってくることを心に誓った。


※参戦の模様を撮影したフォトギャラリー&ムービーは、後日掲載いたします。
Comment : 塙郁夫 選手
去年の出場で得た経験を生かし、今年はマシンの各部をコースにマッチさせるべく様々なアップデートを行いレースウィークを迎えました。

リニューアルした「BluEarth-A」はウェットグリップが向上しただけでなく、ドライ性能も良くなっています。
天候が不安定なパイクスピークには最適のタイヤで、しかも今回は市販予定のワイドなサイズをテスト目的で後輪に装着しました。EVカーはリヤが重く、しかもコースは上り坂で常にリヤに大きな荷重がかかるのでバランスはとても良くなりました。

決勝レースではスタート直前に雨が降り、ウェット路面となりましたが新しいタイヤのお陰で自信を持って走る事ができました。濡れた道を気持ちよく走っていたのですが、頂上まであと少しというところでシステムエラーが起こりマシンが止まってしまいました。

とても残念ですがこれもレース。マシンやタイヤの進化はしっかりと感じることができたので、この経験を次回に活かしたいと思います。
Comment : 白井顯一 [横浜ゴム(PPIHC参戦統括マネージャー)]
今回の我々のチャレンジは、リニューアルした「BluEarth-A」が苛酷なパイクスピークのコースで、そしてEVマシンへの装着でどのような性能を発揮するのかを確認することが目的のひとつでした。

まず、練習走行時の路面はドライで、塙選手によれば乾いた路面での性能向上が感じられたということです。そしてレース決勝は雨。ウェットグリップの向上が重要な開発テーマだった「BluEarth-A」にとっては願ってもない天気となりましたが、雨の量が尋常ではなく豪雨と表現すべき状態でした。
それでもマシンとタイヤのマッチングはとても良く、期せずして「BluEarth-A」のウェット性能の高さが証明されることになりました。

ゴールまであと少しというところでマシンは止まってしまいましたが、データやオンボードカメラの映像を見る限りそれまで塙選手は素晴らしい走りをしていました。
リタイアという結果は残念ですが、「BluEarth-A」が大雨のパイクスピークでも通用するタイヤであることが実証され、参戦の目的は十分に果たされたと思います。
"パイクス"を駆けるBluEarth
奴田原文雄選手からのエール
参戦レポート&フォト
ズトリーミング・ムービー
YOKOHAMA TIRE BluEarth (ブルーアース)
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