TEAM YOKOHAMA EV Challenge
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雲に向かうレース -パイクスとは?
ヨコハマタイヤの挑戦 -"Speed & Eco"を支えるタイヤ
進化を続ける先駆者 -塙郁夫選手にきく
伝統のカラーで新たな挑戦 -奴田原文雄選手にきく
2012年、戦いの記録 -サマリー・レポート
これがパイクスの走りだ! -ストリーミングムービー・ギャラリー
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レースは8月7日(火)の公式車検から正式にプログラムがスタート。そして8日(水)、9日(木)、10日(金)の3日間をかけて約19.98kmのコースを3つのパートにわけ練習走行および予選を行う。
EVクラスは麓、中腹、そして山頂付近と徐々に高度を上げていくグループに属し、塙、奴田原の両選手はもっとも走行距離の長いボトムセクションから練習走行を開始した。

パイクスピークの経験が十分でマシンにも慣れている塙選手は、理想とする「スムーズな走り」でEV4番手のタイムを記録した。
奴田原選手はドライバーとしての出場は初めて、しかもマシンは普段乗っているラリーカーとはまったく異なるEVサーキットレーサーながらクラス2番手タイムをマーク。よりハイパワーなマシンで走行したディフェンディングチャンピオン田嶋伸博選手と遜色のないスピードを披露した。
ボトムセクションのタイムは予選タイムとして記録され、塙、奴田原の両選手は余裕で本戦への出場を決めた。その後練習走行は2日間にわたって行われ、ミドルセクション、トップセクションを走破し奴田原選手は全セクションでセカンドタイムを記録。塙選手も安定した走りで3位、4位のタイムを刻んだ。

11日(土)の中休みを経て迎えた12日(日)の決勝日は早朝、好天に恵まれた。しかし、天気予報は午後には山の天気が崩れる可能性が高いと報じる。
走行は午前9時に2輪からスタートし、EVクラスの出走は午後1時前後の予定。ただし例年アクシデントなどで時間がずれることが多く、正確な出走時間は直前にならないと決まらない。案の定、今年もスケジュールは大きく乱れ、EVクラスのスタートは2時間以上も遅れた。
そして、ようやくEVクラスはスタートの時を迎えたが、1番手スタートの田嶋選手がモータートラブルで途中ストップ。マシンの回収作業のためレースは中断され、スタートはさらに遅れた。
その影響をもろに受けたのは奴田原選手だった。
奴田原選手は練習走行のデータやシミュレーション結果をもとにチームやヨコハマタイヤのスタッフと使用するタイヤについて協議。午後1時頃だと路面温度はまだかなり低いという分析結果に基づき、用意したADVAN A048の3種類のコンパウンドのうちもっとも柔らかい、雨にも対応可能なスーパーソフトを決勝タイヤに選んだ。

しかし、スケジュールが大幅に遅れたことで強い日差しにより路面温度は徐々に上昇。奴田原選手が走る頃になると路面はかなり熱を帯びていた。
それでも奴田原選手はスーパーソフトを履いたままスタートを切ったが、予想していた以上に路面温度が高くスーパーソフトにとっては厳しい走行コンディションに。スタート後しばらくするとグリップ力が低下し、やや厳しい条件での走行を強いられた。

一方、塙選手は市販仕様のBluEarth-Aを装着して快走。市販用低燃費タイヤだけにタイヤの対応域が広く、オレンジオイルによるグリップ力も発揮され、安定して駆け上がっていく。

今年HER-02は搭載するモーターが液冷の新しいものとなり、また未舗装路がなくなったことで自身のタイムを更新できる可能性が高い。
塙選手はあえてバッテリーやモーターに負荷をかける攻めた走りを続けたが、フィニッシュを前にモーターの温度が上昇しマシンは自動的にパワーを約半分程度まで絞るモードに入ってしまった。ペースダウンを強いられた塙選手だが、2〜3分我慢すればパワーが回復することを知っていた。

その予測どおり再び力が戻ってきたが、フィニッシュライン直前のコーナーで再びパワーダウン。前回よりもさらに出力を絞る「移動モード」に入り、最後はゆっくりとしたスピードでチェッカー。それでもタイムは11分58秒974と、自身のベストタイム(12分20秒084)を大幅に更新した。


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