TEAM YOKOHAMA EV Challenge
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雲に向かうレース -パイクスとは?
ヨコハマタイヤの挑戦 -"Speed & Eco"を支えるタイヤ
進化を続ける先駆者 -塙郁夫選手にきく
伝統のカラーで新たな挑戦 -奴田原文雄選手にきく
2012年、戦いの記録 -サマリー・レポート
これがパイクスの走りだ! -ストリーミングムービー・ギャラリー
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第90回目の開催となったパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(以下、パイクスピーク)は8月の第2週にレースウィークを迎えた。
本来は7月8日に決勝が行われる予定だったが、舞台となるアメリカ、コロラド州を襲った大規模な山火事の影響を受け8月12日に決勝を行うスケジュールに変更された。

パイクスピークは、アメリカでインディ500マイルに次ぐ長い歴史を誇るビッグモータースポーツイベントである。
コロラドスプリングスのシンボルともいえる名峰、パイクスピークの麓から山頂までの道約19.98kmを一気に駆け上がりタイムを競う。コーナーの数は全部で156あり、去年までは一部が未舗装路だったが今年はコースのすべてが舗装路となった。

出場できるマシンのカテゴリーは多岐にわたり、4輪だけでなく2輪やクワッド、さらにはトラックヘッドまでエントリー可能。その中で、今年もっとも大きな注目を集めたのは、ヨコハマタイヤがサポートを行う2台の電気自動車(EV)が参戦するEVクラスだ。

市販車の世界では化石燃料を使わないクリーンなエネルギーのマシンが増えてきているが、それはモータースポーツの世界でも同様。とくにパイクスピークは走行距離が20kmに満たず、航続距離の点でやや不利なEVにあっている。また、パイクスピークは頂上部分の標高が4.301mと富士山の山頂よりも高く空気が薄い。そのため、通常のエンジン車だと高地では40%前後パワーダウンして本来の性能を活かすことができない。
しかしバッテリーとモーターで走行するEVはパワーダウンが皆無に等しい。パイクスピークは、EVのメリットを最大限に引き出すことができるイベントなのである。
ヨコハマタイヤは2009年から塙郁夫選手とともにオリジナルのマシンでEVクラスへの出場を開始。2010年、2011年と2年連続でEVクラスの記録を更新することに成功した。そして、今年もまた塙選手はEVクラスに「チーム・ヨコハマ・EVチャレンジ」から専用開発マシン「HER-02」でエントリー。
さらにもう1台、TMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)が製作したEVレーシングカー「TMG P002」を、ラリードライバーの奴田原文雄選手がドライブすることになった。

両選手はともにヨコハマタイヤを履いての出場となるが、参戦スタンスの違いは装着タイヤの違いに表れる。
塙選手が装着するのは低燃費タイヤ、BluEarth-A(ブルーアース・エース)。今年は一般に販売しているものとまったく同じ市販用タイヤを装着し、自身が持つEV最速タイム記録の更新を狙う。ライバルが豊富な予算をかけて開発したより強力なマシンを持ち込む中、塙選手は低燃費タイヤとEVによる次世代のモータスポーツを、美しくキレイな走りによる効率的な走行で実現することをテーマにEVのエコな側面を広くアピールしたいと意気込む。

対する奴田原選手は、俳優の哀川翔さんが監督をつとめる「Show Aikawa World Rally Team」からのエントリー。トヨタの元F1チームであるTMGが手がけたEV P002はふたつのモーターを搭載するハイパフォーマンスマシンで、最高出力は塙選手駆るHER-02の2倍近い。
そのためタイヤは競技用スポーツラジアルタイヤの「ADVAN A048」を採用。コースとマシンにあわせたタイヤをパイクスピークに持ち込んだ。


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