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奴田原文雄 選手
>> 公式サイト
こんにちは、ラリードライバーの奴田原文雄(ぬたはら・ふみお)です。
ADVANとともに活躍しているラリー・ドライバーをスリランカ、中国と訪ねてきた連続企画の「アジア・モータースポーツ漫遊記」。今回は経済の成長とともに自動車産業でも著しい発展を遂げているインドのモータースポーツ事情をレポートします。
今や世界に名だたるIT立国となっているインド。自動車の分野では日本メーカーのシェアが高い一方、地元のタタ社がリリースした格安のマイクロカーが世界中の注目を集めました。また、ヨーロッパの伝統ある高級車ブランドをタタ社は傘下におさめるなど、インドの自動車産業界も活況を見せています。
そんなインドのモータースポーツはラリーが中心。INRC(インド・ナショナル・ラリー選手権)は国内最高峰のラリーシリーズとして人気を集めています。
日本からインドまでは直行便のほか、タイのバンコク経由などで往復できる。
首都のデリーから南部のバンガロールまでは、国内線で約2時間30分のフライト。
バンガロールはIT産業で栄えており、インド各地から優秀な若者たちが集まる街。
デカン高原という立地ゆえ真夏でも湿気は少なく、デリーなどよりは快適に過ごすことが出来る。
アジア各国で活躍しているADVANユーザーを紹介する旅。第3弾はインドへとやってきました。

インドを訪れるのは、2003年のAPRC(アジア・パシフィック・ラリー選手権)インド・ラリーへの参戦以来、二度目です。このときはムンバイの東、約200km内陸に位置するプネーという都市での開催でした。
今回訪問するのは、デカン高原の南に位置する、バンガロールというIT産業の盛んな都市で、インドのシリコンバレーとも呼ばれる国際的にも有名な場所です。

まずは首都デリーにある、ヨコハマ・インドのオフィスを訪問し、インド国内モータースポーツ事情などを情報収集したあと、国内線の航空機に乗り換えて3時間、バンガロールに到着しました。
インドでのモータースポーツというとあまり馴染みがないかもしれませんが、APRCがシリーズ制定された1988年以前からも、ヒマラヤン・ラリーなどの国際的な大会が開催されていて、ラリー競技はインドにおいてはとてもメジャーなモータースポーツなのです。

INRC(インド・ナショナル・ラリー選手権)は、2009年は全6戦の開催です。もちろんインド国内では最高峰に位置付けされるラリーシリーズです。

参戦車両、クラス分けを見てみましょう。
トップカテゴリーは、排気量2,000cc・ノンターボエンジンを搭載するFF(前輪駆動)車両で争われているNプラス・クラス。このクラスはFIAグループN規定に、INRC独自の改造範囲を加えた車両で争われ、参戦車両は三菱ランサー(日本名・ランサーセディア)の事実上ワンメイクになっています。

その下にはエンジン排気量1,600ccと1,400ccのクラスがあり、ここにはスズキ・エスティーム(日本名・カルタスエスティーム)の新旧モデルが参戦しています。
さらに、スズキ・サムライ(日本名・ジムニー)のジプシークラスもあります。

そう、実は参戦車両はオール日本車なのです。いかに日本メーカーの車がインド国内に浸透しているかがわかりますね。
今回のINRC第2戦「K-1000ラリー」の開催地はバンガロール。このINRCはシリーズの開催地域が広大なインドの全域にわたっています。
北はヒマラヤ山脈のふもとから、東はガンジス川の河口デルタ地帯に位置するコルカタ、そしてデカン高原の南端までと、インド国内を転戦していくだけでも、かなりの労力と時間を要します。

高速道路などの道路網整備も徐々に進んで来てはいますが、まだまだ地方ではこれからという所も多いようです。実際に今回の移動でも、あちこちで新しい道路の建設中であるがゆえの迂回路に遭遇しました。

さて、これまで訪れたスリランカや中国でもそうだったのですが、やはりインドでもラリーに対する注目度の高さは驚くほど高いものがあります。

バンガロール市内で宿泊したホテルの部屋に毎朝届けられる朝刊のスポーツ欄では、「K-1000ラリー」の様子が毎日カラー写真入りで詳細に紹介されていました。
それだけ、モータースポーツファンのみならず一般の人達が、ラリーに関心を持って見ているということでしょう。

最終日のSSS(スーパー・スペシャル・ステージ)を観戦に詰め掛けたギャラリーの多さや、交通に不便な郊外のステージへも足を運ぶギャラリーの多さにも驚きました。
SSSといえば、クリケットのナショナルチームのキャプテンがゲストとして来るとの事で、みな大騒ぎをしていました。日本でいえば、イチロー選手がラリー会場に来る感じですね。

ラリーの運営自体は非常にプロフェッショナルな印象でした。各ラリーカーにはGPSが取り付けられ、競技車両の位置確認を行なっているなどの、WRC並みの工夫も見て取れました。
一方で、プライベートチームのメカニックなどが裸足で車両整備をしていたりと、のどかさも垣間見え、トップチームとの格差を感じたりもしました。
写真をクリックすると拡大画像を別ウィンドゥで表示します。


         
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