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奴田原文雄 選手
>> 公式サイト
こんにちは、ラリードライバーの奴田原文雄(ぬたはら・ふみお)です。
私がアジアの各地でADVANとともに活躍しているラリー・ドライバーを訪ねてレポートする企画も今回が第二弾。前回のスリランカに続き、今回は中国に足を伸ばして「CRC(中国ラリー選手権)」の開幕戦を訪れてきました。
私自身もCRCには助っ人ドライバーとして中国のチームから参戦した経験があるのですが、今回はあくまでも"レポーター"としての現地訪問。自分で走ることが無いだけに最初は物足りなさを感じたことも事実。
しかし、改めて参加選手とは別のスタンスから見ていくことで、競技の模様や会場全体の熱気、中国におけるモータースポーツやラリーの置かれている状況を、今まで以上に深く知ることが出来ました。
日本の約10倍にあたる13億人が暮らしている中国。
オリンピックの開催などで目ざましい経済発展と国際化が進んでいるのは良く知られているが、中でも沿岸部の上海は同国最大の国際都市である。
この上海から260km内陸に位置する都市が南京。明朝時代などには首都であった歴史ある街で、現在も約740万人が暮らす江蘇省の省都として発展を続けている。
中国は経済発展に伴い自動車市場も拡大を続けており、今やその規模は世界最大級。日欧米のメーカーと地場企業の合弁会社や、幾多の地場独立系メーカーが様々な車種を生産している。
経済の発展と共に、モータースポーツの分野でも凄まじい勢いで成長を見せ続けている中国。
上海サーキットではF1が開催され、2009年は上海で開催されたモーターショーには50万人を超える来場者を集めたという話を聞くと、自動車やモータースポーツに対する人気や注目度が高まっていることを想像するのは難しくありません。

そして気になるラリーの世界については、現地を訪れてみると想像していた以上に活気ある熱戦が繰り広げられていました。

世界経済の同時不況という荒波に、各国のモータースポーツ業界は予算縮小や参戦中止などという厳しい状況に置かれています。
しかし、さすがに13億もの人口を抱える中国の底力でしょうか、CRC(中国ラリー選手権)を見た限りでは、参加台数、参戦チーム共に増加していることもあって、暗い影を感じさせません。

ここで中国のモータースポーツの全体像を見てみると、大きく分けてラリーとサーキットレースの2つのカテゴリーが存在しています。ラリーの国内最高峰が今回訪れたCRC(中国ラリー選手権)で、サーキットレースの国内最高峰はCTCC(中国ツーリングカー選手権)。
ちなみにCTCCは2008年までCCC(中国サーキット選手権)という名称だったシリーズで、ADVANはシリーズチャンピオンを獲得するなどの活躍を見せています。

さて、日本などと同様にラリーとサーキットレースがそれぞれ存在している中国ですが、現地のモータースポーツ関係者に聞いてみると、どうやらレースよりもラリーの方がステータスは上という位置づけのようです。
ラリー関係者にとっては嬉しい限りですが、どうやら独自のラリー文化、戦略が形成されつつあるようです。

ラリーの主催は、日本で言うところのJAFのような組織、FASCが統括しているのですが、中国というお国柄か、統一されたスムーズな大会運営がなされていることが印象です。競技運営や車両規則などもFIAの規則に準じて開催されているので、中国語がわからなくても違和感はありません。

また、エントラントの多くが、チーム単位で参戦してきているのもCRCの大きな特徴です。
各クラスのトップチームのほとんどは、プロチームとして成り立っています。カーディーラー、タバコ会社、製薬会社、IT企業などがスポンサーとなっていて、各チームは4〜6台もの統一されたカラーリングのラリーカーを揃え、キャンギャルを用意し、派手なプロモーション活動を展開しています。
では、より具体的にCRCの特徴をご紹介していきましょう。

まず注目したいのは、独自のレギュレーションともいうべき、チーム部門(倶楽部杯)のタイトルが設けられていることです。
CRCは中国人ドライバーの選手権なのですが、チーム部門では助っ人ドライバーとして1台分の外国人枠が設けられていて、中国人ドライバー+助っ人ドライバーの合算ポイントでタイトルを争うという仕組みになっています。

そのために、各チームともに、世界各地で活躍している外国人ドライバーを雇い入れています。
今シーズンも、APRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)チャンピオン経験者のバリマキ選手、イギリス選手権チャンピオンのヒギンズ選手、昨年のAPRC・パシフィックカップを制したヘリッジ選手、フィンランドのサロ選手などをはじめ、多くの外国人ドライバーが参戦していて非常に国際色も豊かになっています。

またクラス区分は大きく分けると、国際組と国家組の2つになります。
国際組はグループN規定のN4クラス、ランサー・エボリューションやインプレッサの2リッター・ターボクラスです。
国家組はノンターボの2リッターから1.4リッター以下まで、排気量によってS1〜S4という4つのクラスに細分されています。このクラスにはフォルクスワーゲン、シュコダ、ホンダ、プジョー、MG、そして中国の民族系メーカーと、バラエティ豊かな車種が参戦しています。

また、ドライバーとともに、世界各国からエンジニアやメカニックも帯同。
各チームのサービスワークをサポートしているため、年々、中国チームのレベルもアップしてきています。

グループN規定で行われるN4クラスでは、各チームともにランサーやインプレッサの最新モデルを揃え、エンジン・マネージメントやサスペンションをはじめ、世界最新のトップブランドを惜しげもなく投入しているわけですから、驚くべきものがあります。

今回のCRC開幕戦、参加台数は87台と、ちょっとしたWRC(FIA世界ラリー選手権)並みの賑わいでした。
トップチームの華やかさもそうですが、人気俳優のジミー・リン選手をはじめとするTVスターや有名人が参戦していることもCRCの特徴のひとつです。
TVや雑誌など各媒体での露出も多く、またラリー会場では数多くのギャラリーから黄色い声援が飛んでいました。
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