Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.77 News Index
ひとつ前に戻る
奴田原文雄 選手
>> 公式サイト
こんにちは、ラリードライバーの奴田原文雄(ぬたはら・ふみお)です。
スリランカ、中国とアジアのラリーを中心としたモータースポーツ事情をレポートしている"漫遊記"シリーズ。
今回は番外編としてアジアの枠を飛び越え、アメリカはコロラド州で開催された伝統のヒルクライムイベント「パイクスピーク」の参戦レポートをお届けします。
"パイクス"の名は日本のモータースポーツファンにも広く知られていますが、実に90年以上に渡って続けられている伝統の一戦。1台ずつ、クローズされた観光山岳道路という特設コースを一気に駆け上がるタイムアタックイベントです。
私はこのイベントに俳優の哀川翔さんのドライビング・アドバイザーとして参加。そして急遽、コ・ドライバーとして一緒にゴールを目指すことになったという戦いの記録です。
アメリカ西部のコロラド州。南北をロッキー山脈が貫き、その東側には今回の戦いの舞台となるパイクス・ピーク山がある。
山の麓に広がるコロラド・スプリングス市は人口約36万人、標高が高い山岳都市として栄えている。
観光客も全米からやってくる地で、パイクス・ピーク山は地域を代表する観光スポット。
日本からの直行便はないため、ロサンゼルスやサンフランシスコ、シカゴなどでアメリカ国内線への乗り継ぎが必要。州都・デンバーとは110kmの距離がある。
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(Pikes Peak International Hillclimb)は、アメリカ、コロラド州で毎年行われているレース。

初めて開催されたのは今から90年以上も昔の1916年。
日本はまだ大正時代、既に自動車が欧米から上陸を果たしていたとはいえ、まだまだ東京でもようやくタクシーが産声をあげて間もない頃、ゆえに乗用車を見かける機会は滅多に無かったことでしょう。

90年を超える歴史を重ねてきたパイクスピーク、このレースはインディ500に次いでアメリカでは二番目に古いレースだそうです。

ロッキー山脈の東端に位置するパイクスピークの標高は4301m、その山頂までは観光登山道路が通じています。
普段は一般車でも頂上まで行くことが可能ですが、当日はこの道路を閉鎖して競技が行われます。

レースのスタート地点は標高2862m。
ここから山頂までの距離約20kmの区間を、1台づつ1〜2分間隔でスタートしタイムアタック・ヒルクライムが行われます。
コーナーの数は156、平均勾配7%、近年はターマック(舗装)路面がコースのおよそ半分まで増えてきていますが、まだまだグラベル(未舗装)路面も残されていて、ガードレールなどもほとんどない雄大な景色の山岳コースです。

スタートとゴール地点の標高差は1500m近くもあり、空気も薄いためにマシンセッテイングも難しく、山頂付近でのエンジンパワーは30%近くもダウンするそうです。
もちろんマシンだけでなく人間にも厳しい環境で、高山病になるのを防ぐために多くのチームは携帯の酸素ボンベなどを準備して挑んでいます。

なにせ富士山(3776m)よりも高い所でレースをしているわけですからね。
また、スタート地点は晴れていても、山頂付近は雪が降っていたりと、まさに変わりやすい山の天候、大自然との闘いでもあるレースです。
今回、私は「TEAM SHOW」の一員としてパイクスを訪れることになりました。
「TEAM SHOW」とは、俳優の哀川翔さんが中心になってラリーなどに参戦しているチーム。哀川さんがパイクスに初挑戦するということで、ドライビング・アドバイザーという任を引き受けたのです。
クルマは、2008年の「RALLY JAPAN」に参戦した、フォード・フィエスタをパイクス仕様にセッテイングしたものを使います。

日本から太平洋を越えてひとっ飛び、ロサンゼルスで飛行機を乗り換えてやって来たのはコロラド・スプリングス。
人口はおよそ36万人、コロラド州第2の都市はロッキー山脈の麓に位置しており、豊かな大自然に恵まれた素晴らしい場所です。

パイクスピークというレースは、本番が行なわれる日曜日に麓から山頂へ向けてワントライの一発勝負で競い合います。
ステージ距離20kmの山岳コース、また路面状況もミックス・サーフェースと特殊なコンディション。
最初にお話ししたように舞台となるのは山岳観光道路、レースや練習走行以外の時はもちろん一般の車で通行できます。

そこで到着した翌日にはレンタカーで、どんなところなのかを下見することに。
一般車に混じってノンビリと走りましたが、まるで空に向かって駆け上がっていくような道のりです。
そして標高4301mの山頂にあるゴールに到着!
人生の中で最も高いところに立ったのですが、天気は気持ちよい青空で最高の気分・・・。

のはずだったのですが、さすがに富士山よりもさらに高いところゆえ、空気が薄いのでしょうか私を含めたみんなから段々と元気が失われていき・・・。早々に撤収して下山、体力温存を図ることにしました(笑)。

水曜、木曜、金曜というレースウィーク中の3日間は公式練習日。
全コースを6〜7qの3区間に分けて、参加者は3つのグループに分かれて、それぞれ夜明けから一般車の入山してくる8時半までの2時間ほどが割りあてられて走行することが出来ます。

この3日間で、ドライバーのコース慣熟はもちろん、マシン・セッティングやタイヤ選択などを行なわなければなりません。
ドライビング・アドバイザーというのが今回の私の役割、いよいよ出番となるわけですが、チームで話し合った結果として私は哀川さんのナビ・シートに乗ることになりました。

やはりアドバイスをするにしても、横に乗って走りながらやった方が効果的ですしね。
パイクスピークという競技、基本はドライバー1人で走行するものですが、規則ではコ・ドライバーを登録して2人乗車で参加することも可能です。
そこで私がコ・ドライバー登録して、練習日から決勝本番までサイドシートに乗って哀川さんとともにパイクスの頂上を目指すことになりました。
写真をクリックすると拡大画像を別ウィンドゥで表示します。

         
ひとつ前に戻る