TEAM YOKOHAMA EV Challenge
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雲に向かうレース -パイクスとは?
ヨコハマタイヤの挑戦 -Speed & Eco"を支えるタイヤ
進化を続ける先駆者 -塙郁夫選手にきく
伝統のカラーで新たな挑戦 -奴田原文雄選手にきく
2012年、戦いの記録 -サマリー・レポート
これがパイクスの走りだ! -ストリーミングムービー・ギャラリー
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2009年の初参戦から数えて、ヨコハマタイヤにとって4回目の挑戦となる今年のパイクスピーク。その戦い本番は7月8日(日)に決勝が行われ、いよいよカウントダウンが始まっている。

そして、何といっても話題を集めているのが、塙郁夫選手と奴田原文雄選手というふたりのビックネームがともにヨコハマタイヤを装着して戦う、2台体制での参戦になるということだ。

横浜ゴム・タイヤグローバルマーケティング室のCMP(チーフ・マーケティング・プランナー)、白井顯一はプロジェクトを牽引する一人として2台体制で参戦する意義についても熱く語る。
「今年はご紹介しているように、塙選手と奴田原選手が、ともにヨコハマタイヤを装着してパイクスピークの戦いに挑みます。

まず塙選手ですが、去年は自分たちの記録したコースレコードを更新しようという目標を掲げての参戦でした。それは、マシンに成熟の余地がまだ残っており、もっと速く走ることが出来るという背景があったからなのです。

塙選手は過去3回の挑戦で、パイクスピークのコースではタイヤのグリップ力をそれほど必要としないと仰いました。塙選手ご自身がオフロードのご出身で、タイヤのグリップ力を極限的に欲するタイプのドライバーではないという面もありますが、グリップ力よりも燃費、いやEVですから"電費"に振ったタイヤのポテンシャルを持っている方が、思いっきりアクセルを踏んでいけるので速く走れるのではないかという分析なんですね。

そこで塙選手のマシンには、新商品のBluEarth-A(ブルーアース・エース)を投入します。この商品は低燃費タイヤのジャンルに属しますが、ハンドリングの良さも売りにしていますので、その点についてパイクスピークでも実証していきたいと思っています。

どうしても低燃費タイヤというと、スポーツモデルに装着すると違和感を覚えられる方が多いですよね。でも、例え250psというハイパフォーマンスなスペックを持つマシンでレースに出ても、きちんとした成績を残すことが出来るポテンシャルのあるタイヤなんですよ、ということを証明したいんです。

一方で奴田原選手のマシンは塙選手のマシンと比べれば、倍近いパワーがあります。だから、こちらはより勝つことを意識したマシンですよね。スピード&エコのスピードの方に重きを置いているというか。
バッテリーの余裕も大きいですし、パワフルですから、こちらのマシンにはADVAN A048という競技用のタイヤを装着します」
話題を集めている、BluEarthとADVANの2台体制。ともにヨコハマタイヤであることは共通するが、コンセプトの異なるふたつのタイヤを装着したマシンが参戦することで、身内同士の対決に興味を覚えた方も少なくないだろう。
この2台体制が持つ意味について、白井が続ける。

「僕たちとしては、あくまでも2台体制での参戦という捉え方で、どちらがエースカーというわけではありません。

EVというのは現実的な問題として、深刻なトラブルが起きるとお手上げの状態になってしまいます。ガソリンエンジンとは異なり、どこがトラブルの原因なのかを探ることも容易ではありません。メカニカルなものなのか、モーターなのかバッテリーなのか、配線なのか、それともプログラム的な要因なのか。

ゆえに、突然のリタイアという予期せぬ事態もあり得るわけです。特にパイクスピークは上り勾配のコースで競い合いますが、バッテリーやモーターへの負担は想像以上のものがあります。こればかりは平地のサーキットでいくら事前にテスト走行をしても再現出来ません。

でも、僕たちはこれまで3年にわたって参戦してきた実績があるから、ゴールを確実に目指すことが出来ます。そういう意味では、ヨコハマタイヤを履く2台のどちらが勝ってもおかしくないでしょうね。
その上で僕たちとしては、どちらが勝ってくれてもいいわけです。それよりも、ヨコハマタイヤとして長く挑戦してきているという立場や自負がありますから、いきなりやって来たライバルに簡単に勝たれるわけにはいかないぞ、という思いが強いんです。
だから、2台体制になったことで、内輪でも切磋琢磨出来るというのは、とてもありがたいことですね。

もうひとつ注目していただきた点として、ふたつのスタイルでの参戦というものがあります。

今年はEVでの参戦台数が一気に増えましたが、その多くはハイパワーで勝ちに行くという、どちらかというと従来型のモータースポーツスタイル。奴田原選手のマシンもこちらに分類出来るかもしれません。

一方で塙選手のマシンは、絶対的なパワーは大きくないですが、適度なパワーと適度なパフォーマンスのタイヤを組み合わせて、エコという要素も加えて高次元でバランスさせています。これは環境にも配慮した次世代型のモータースポーツスタイルと言えるのではないでしょうか。
ヨコハマタイヤはモータースポーツの現在、そして未来も見据えて、いずれのスタイルもしっかりサポートしていきたいと考えています」
他社に先駆けてEVでのモータースポーツ参戦実績を、パイクスピークで重ねてきたヨコハマタイヤ。
白井はモータースポーツの将来について、そしてヨコハマタイヤの取り組みについて、次のように締めくくった。

「私自身もハイブリッドカーを愛車としていますが、昔はスポーツモデルに乗っていた"クルマ好き"の一人です。
正直、今は家族や環境のことを優先したクルマ選びをしているので、走ることの喜びやワクワク感といったものは物足りないのも事実。
しかし、燃費や環境のことを考えると、ハイブリッドやEVという選択肢はこれからますます大きな存在になっていくでしょう。ただ、このままでは自動車文化は面白くない方向に行ってしまいそうな気も個人的にはしています。

でも、EVでも乗って楽しいクルマを造ることは可能です。だからこそ、私たちのようなクルマとともに育った世代、子どもの頃にスーパーカーに憧れたような世代が中心となって、新しいクルマの楽しさを広めていきたい。同時にタイヤとしても、クルマを走らせることの楽しさや喜びを伝えられる商品でありたいと思っています。

例えばEVのレースは、とても知性的な世界です。エンジンをかけて轟音を響かせるわけでもないので、騒音に対する苦情が出るようなことはほとんどありませんし、油脂類をほとんど使わないのでマシンをメンテナンスしても手やガレージが汚れるようなことは無くてとてもクリーンです。

しかし一方で、データのマネージメントは凄いものがあります。いろいろな項目のデータが蓄積、分析されて、いかにモーターとバッテリーを効率よく使えるかを追い求めているのです。これは凄い頭脳戦で、ちょっとオタク的というと語弊があるかもしれませんが、新しいタイプのエンジニアが不可欠な人材となっているのです。
こうした積み重ねで、走って楽しいEVが生まれてくるのではないかと期待しています。

モータースポーツは、それがハイブリッドカーでもEVでも、タイヤメーカーとして支えていかなければならない大切な世界です。私たちもADVANというブランドを大切にしていますし、モータースポーツを通じて格好よさや強さを広く訴求していけます。
コンペティション、つまり競い合いの場というのは絶対に必要。それが無くなってしまうと、タイヤメーカーとしても面白くないじゃないですか。EVでもこの世界をしっかり下支えしていきたいんです。

自分で言うのも変ですが、ヨコハマタイヤって変わった人が多いんです(笑)。
だからこそ新しいものにも積極的にチャレンジしていくし、良い意味で失敗を恐れない。そんなヨコハマタイヤが好きだ、と言ってくださるファンの方も世界中にたくさんいらっしゃいますし、そういうお客さんを大切にしていくためにも、これからも頑張っていきたいですね」
モータースポーツに限らず、新しいことへの挑戦を続けてきた横浜ゴム。そこで得られた経験や技術は、商品へとフィードバックされてお客さまのカーライフを豊かなものにするお手伝いをしてきました。
2012年、次世代モータースポーツのひとつの形といえる、EVでのパイクスピーク参戦も4年目。2台体制で新たな挑戦を展開するヨコハマタイヤに、ご声援よろしくお願いいたします。
       
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ヨコハマタイヤのウェブサイト BluEarth (ブルーアース) ADVAN