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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.135 News Index
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2013年5月22日に発表、24日から発売された日本仕様の「ADVAN A053」。このニューフェイスは6月7日から9日にかけて福島県・棚倉町をホストタウンに開催された全日本ラリー選手権の第3戦、「がんばろう!福島 MSCCラリー2013」で、日本のラリーシーンにデビューを飾った。
注目を集めるなか、ADVAN A053を装着する三菱・ランサーエボリューション]とスバル・WRX STIが快走、ライバルを大きく引き離す速さを見せて堂々のワン・ツー・フィニッシュ。このデビュー戦を改めて振り返ってみよう。
第3戦として開催された福島県での「がんばろう!福島 MSCCラリー2013」。
そのステージは典型的な本州のダート(非舗装路)林道であると言える。その路面は変化に富み、比較的締まった硬質な箇所から、リピートすることで深いワダチが掘れていく箇所、さらにツイスティな日本の道らしい箇所と、ADVAN A053の日本仕様が持つポテンシャルを試すには不足のない舞台が用意されていた。

そして、ADVAN A053は遺憾なくその優れた性能をオープニングステージから見せつけた。SS1の「長草萱山」は6.18km、ツイスティな連続コーナーもある道だが、ここで奴田原文雄選手組のランサーがベストタイム、柳澤宏至選手組のWRX STIがセカンドベストを叩き出す。3番手のライバルは奴田原選手組から8.6秒後ろで“キロ1秒以上”、つまり1kmあたり1秒以上の差をつけて圧倒的な速さを見せつける。
さらにSS2「鶴石山」も奴田原選手組がベスト、柳澤選手組がセカンドベストを連取、両ステージのリピートとなるSS3とSS4も奴田原選手組が制して4連続ステージベストの快走。

ショートステージを挟んでのDay1後半、SS5からSS9も結果的には奴田原選手組がベストを独占、各ステージは複数回の走行でワダチが掘れていたり、最終SSは夕立によるウェット路面へと変化したものの、ADVAN A053のポテンシャルは多彩な路面を的確に捉えていった。
初日を終えて奴田原選手組が1位、柳澤宏至組が2位。3番手のライバルと奴田原選手組の差は33.6秒に開いている。
一夜明けたDay2、朝から快晴に恵まれるなかでADVAN A053は、この日もオープニングステージからライバルを寄せつけない速さを見せる。2.81kmと比較的距離の短い「東野牧野」、ここで奴田原選手組はライバルを0.9秒上回る本大会9回目のステージベストをマーク。

その後、プッシュをかけてきたライバルがリタイアしたこともあり、奴田原選手組と柳澤選手組のワン・ツー体制は磐石なものとなり、両者はそのままADVAN A053に走りを支えられてマシンをフィニッシュまで運んだ。

注目のデビュー戦で、圧勝のワン・ツー・フィニッシュを飾ったADVAN A053。
IRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)やERC(FIAヨーロッパ・ラリー選手権)、APRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)といった海外ラリーで鍛えられ、磨き上げられた性能を日本の道に最適化してポテンシャルを昇華させたニューフェイスは、期待に応えるリザルトを残したのであった。


【LINK >> 2013 全日本ラリー選手権・第3戦 レポート結果表
ADVAN A053の全日本ラリー選手権デビューウィンを飾った奴田原文雄選手。改めてADVAN A053の日本仕様での初戦を振り返ってもらおう。

「ADVAN A053は、元々は車速の高い海外ラリー向けに生まれたグラベル(非舗装路)タイヤです。日本仕様ではクネクネした林道を走ることなどへの最適化がなされていますが、そのポテンシャルの高さはデビュー戦となった福島で序盤からステージベストを連発したことでも実証できたと思っています」
IRCでは海外仕様をドライブした奴田原選手だが、日本仕様の実戦投入を前にした気持ちも本音で語ってくれた。

「正直に言えば、実戦前には日本独特の連続する低速コーナーや、路面の浮き砂利、深く掘れていくワダチなどに対して、『どうなんだろう?』という心配もありました。
しかし、いざ競技がスタートして実際に走ってみると、そんな心配は全て杞憂に終わりましたね。ステージタイムも好タイムを出せたことで、日本仕様の完成度の高さがはっきりわかりました」
ADVAN A035から、新製品のADVAN A053に変わったことで、ドライビングスタイルやマシンセッティングの変化はあるのだろうか。

「まず、マシンのセッティングについては、そんなに大きく変える必要は無いと思います。事実、福島はその前戦、ADVAN A035で戦った久万高原のままの状態でしたから。
ドライビングスタイルも大きく変える必要はありません。ただ、タイヤの特性としてADVAN A053はタイヤを常にしっかりと路面に接地させてやることを意識すれば良いでしょう。ADVAN A035ではエッジを使って曲げることもありましたが、ADVANA 053は前後方向の高いトラクションを活かして、荷重移動など基本に忠実なドライビングを心がけ、ステアリングに頼らない走らせ方をすればタイムを出せますね」
ADVAN A053の“デビュー前夜”となった、第2戦の久万高原。ADVAN A035でデイポイントを含めた満点優勝を飾ったのが、スバル・WRX STIを駆る柳澤宏至選手だ。ADVAN A035の熟成されたポテンシャルを成績で実証した柳澤選手は、ADVAN A053がデビューした第3戦の福島でも奴田原選手組とともに“進化した速さ”を披露。ワン・ツー・フィニッシュを飾ってポテンシャルの高さを見せたのみならず、ADVAN A053の“車を選ばない速さ”も実証した。

その柳澤選手が、準優勝を飾ったADVAN A053のデビュー戦を振り返る。

「正直に言えば、ADVAN A053にタイヤが変わった事に対して、厳密にセットアップを煮詰めるところまではいっていませんでした。ただ、好フィーリングを感じ取ってはいたのですが、果たして実戦で走ってみてのタイムはどうなのかな、という不安がスタート前にあったのは事実なんです」
期せずして奴田原選手と同様に、走る前に不安があったと語った柳澤選手。
タイヤという走りの根幹を司るパーツが変わる事に対して、これは誰もが思う自然なことなのかもしれない。

しかし、いざスタートしてみると、その不安は解消されたという。

「1本目を走ってみて、他社のタイヤを装着するライバルに対して速いタイムをマーク出来たので、そこからは安心して走る事ができましたね」
オープニングステージでセカンドベストをマーク、その後も安定して好タイムを連発した柳澤選手。同じADVAN A053を使う奴田原選手とワン・ツー体制を構築したが、奴田原選手がMコンパウンドを選択したのに対して、柳澤選手はSコンパウンドを装着していたという違いがあった。

「Sコンパウンドを使ったのですが、グリップとトラクションのレベルがとても高いので、なるべくアクセルを開けてコーナーリングするようなドライビングを心がけて走りました。デビュー戦は手さぐりの部分もありましたが、参戦を重ねる事でセットアップも詰めてきていますし、ドライバーとしても慣れてきているので、まだまだ速くなると手応えを感じています」

第4戦の洞爺、そして第7戦のRally Hokkaidoでも、随所で好タイムをマークした柳澤選手。これからデータの蓄積、そしてドライバーが経験値を重ねることで、ますますADVAN A053の持つ実力を引き出してくれることが期待されている。
[UPDATE : 11.Oct.2013]
             
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