第5戦の日本ラウンド「Rally Hokkaido」で、アジアカップ優勝を飾った炭山選手組と、ジュニアカップ優勝を飾ってタイトルを確定させた番場選手組。
2012年のAPRC最終戦・中国ラウンドに、炭山選手組はそれまでのランサー・エボリューション]に替えてスバル・WRX
STIを投入してタイトル獲得を目指し、番場選手組は来シーズンを見据えて引き続きプロトン・サトリアネオで出場した。
「China Rally」は今年も龍遊(ロンユー)を舞台として、10月26日から28日にかけて開催された。26日(金)、オープニングは1.82kmのスーパーSSとなるが、ここを炭山選手組は2番手であがって上々の滑り出し。番場選手組もカラムジット・シン選手組を0.1秒上回り、S2000規定以外のサトリアネオ勢でトップタイムをマークする。
ラリーウィークに入って週の半ばで雨が降った日もあったが、競技本番となる週末に影響が残ることは無く、ドライで競われることになった2012年の「China
Rally」。競技が本格的にスタートする27日(土)、炭山選手組とチームにとって総力戦の戦いが幕を開けた。
SS総距離230.96kmの今大会、金曜日と土曜日のLEG1合計は106.48km。土曜日のLEG1-Bは3本のステージを、サービスをはさんで各2回走行するアイテナリーとなる。16.35kmのSS2、さらに続く13.18kmのSS3をトップゼッケンのクリス・アトキンソン選手組を抑えて3番手であがった炭山選手組。しかし、22.80kmのSS4でコースオフを喫してタイムロス、ポジションを下げてしまう。
無事にマシンはサービスイン、メカニック陣が修復作業を施して午後のステージへと挑む。しかし午後のオープニングとなるSS5、先程は2番手であがったSS2のリピートステージだが、ここで勢い余ったか炭山選手組はロールオーバーを喫してしまう。ただ、マシンが横向きに一回転したものの、再びタイヤが着地できたことから再スタート。
とは言うもののマシンのダメージは小さくなく、SS6ではサスペンションアームが折れてしまってタイムダウンを余儀なくされる。それでも炭山選手は執念を見せ、破損したアームをスペアタイヤ固定用のベルトで引っ張って応急措置を施し、走行を続行する。その間に、断片的ながらサービスに入って来る破損状況の情報を元に、メカニック陣はスペアカーを調達してマシンのサービスインに備える。
そしてサービスにマシンが戻ると、メカニック陣が限られた時間の中で修復作業を手際よくこなし、無事に翌28日(日)の戦いではステージへと炭山選手組を送り出した。そんなメカニック陣の奮闘に応えるように、LEG2オープニングとなる25.64kmのSS8で、炭山選手組はS2000勢に続く4番手タイムをマーク。
その後も好タイムを連発、終盤はペースコントロールを行って着実にフィニッシュへとマシンを運び、最後は中国らしい巨大な爆竹に出迎えられてサービスパークへと戻り、堂々の総合4位/アジアカップ2位でフィニッシュ。この結果、2年ぶりとなるアジアカップのタイトル獲得に成功した。
また、番場選手組は安定した戦いぶりで総合7番手フィニッシュ。カラムジット・シン選手組がひとつ上の総合6番手でフィニッシュし、こちらは2年連続で2WDカップのタイトルを手中におさめた。
【>> 第6戦 結果表】