APRCでも存在感を見せるプロトン・サトリアネオ。昨年まではサイズの関係から、グラベル用タイヤは全日本ラリー選手権でもお馴染みのADVAN
A035を使用していた。その優れたポテンシャルは番場選手のプロダクションカップ獲得を支えたことでも証明されているが、2012年は新たにADVAN
A053を投入した。
2011年のIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)で、新井敏弘選手のプロダクションカップ獲得を足元から支えたADVAN
A053。横浜ゴム・MST開発部の技術開発2グループで国内外のラリータイヤを担当するエンジニアの八重樫剛は、次のようにAPRCの前半戦を振り返った。
「今年のAPRCには、プロトン・サトリアネオに適合する150/625R15サイズのADVAN A053をデビューさせました。
シリーズ前半戦となるパシフィックラウンドでは各選手がADVAN A053でどのような戦いを演じてくれるのか注目していましたが、結果的には昨年までのADVAN
A035と比べて確実にタイムアップをしていますし、トラクションやコントロール性能についても高いレベルにあるということを、各ドライバーから評価していただきました。
コンパウンドはソフトをニュージーランドとオーストラリアでともに使いましたが、摩耗などの問題は全くありませんでした。コースのレイアウトなども含めて、どちらかといえばオーストラリアがベストマッチしていたように思います。
そのオーストラリアは若手のヤング選手がジュニアカップを制しましたが、実はニュージーランドでヤング選手はADVAN
A035を装着してラリーをスタートしていたんです。その後、終盤でADVAN A053を装着して走りきったのですが、走り終えてから『どちらを選ぶ?』と聞いてみたら、『ADVAN
A053です!』と即答されました。
そしてオーストラリアではスタートからADVAN A053を装着したヤング選手ですが、週末を通じて好タイムを連発して番場選手との見応えある攻防戦を繰りひろげてくれましたね。
この週末からAPRCはアジアに舞台を移して後半戦に入りますが、例えば今週末に行われるマレーシアのように、ドライとウエットで大きくコンディションが変わるようなケースではADVAN
A053が強さを見せると思います。
ADVAN 035はハンドカットを入れることが無かったのですが、ADVAN A053では状況に応じてカットを入れて細かく対応していくことが出来ますから、選手は大変でしょうがコンディションが悪化した時の走りにも注目してほしいですね」