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[Vol.1] 2010年、自身4回目のマカオに挑戦 [Vol.2] 波乱の決勝を制して表彰台の中央に!
子供の頃に抱いた“憧れ”をかたちに ADVANとともに戦う“プライド”
 
織 戸 学 選手 =Manabu Orido=
1968年12月3日・千葉県生まれ。
1990年にCAR BOY誌のドリフト全国大会でグランドチャンピオンを獲得。翌'91年に富士フレッシュマンでレースデビュー、2シーズン目となる'92年にはシリーズチャンピオンに輝く。
その後、スーパーシルビアカップやミラージュインターなどで輝かしい成績をおさめ、1996年に全日本GT選手権のGT500クラスにスポットで初参戦。'97年にはGT300クラスにシルビアでフル参戦、2勝を挙げてシリーズチャンピオンを獲得。2000年〜2007年はGT500クラスに参戦、'05年にはSUPER GTシリーズとしての緒戦で優勝を飾るなどの活躍を見せる。
ADVANを代表するレーシングドライバーの一人であり、レーシングタイヤはもちろんのこと、ADVAN NEOVA AD08などの開発にも大きく貢献している。
 
 
 
     
織戸学選手。
ストリートやドリフトから、まさに“腕ひとつ”で国内最高峰のSUPER GTなど第一線のレーシングシーンまで駆け上がってきたサクセスストーリーの主人公である。

その織戸選手とADVANは、まさに二人三脚で数々の栄冠を手中におさめてきた。
2010年11月のマカオグランプリ。伝統あるストリートレース、その中の「マカオ・ロードスポーツチャレンジ」では、R35・GT-Rを駆る織戸選手が堂々のトップチェッカーを受け、自身マカオでの初優勝を飾った。

ADVAN FANの連載企画100回目となる今回は、織戸選手にクローズアップ。連載前半ではマカオ・ロードスポーツチャレンジについて、そして後半では織戸選手のこれまでの歩みをご紹介して、その素顔に迫ります。



メインレースのWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)とF3・インターコンチネンタルカップがともにADVANのワンメイクということもあって、例年グランプリウィークのマカオはADVAN一色に染まる。

そのマカオグランプリではメインの2レースに加えて、4輪のみならず2輪も含めていくつかのカテゴリーが開催されているが、注目を集めたひとつが「マカオ・ロードスポーツチャレンジ」だ。

レーシングマシン、というよりはハイレベルなチューニングカー、と表現した方が良さそうなマシンたちが、マカオのストリートコースで熾烈なバトルを展開。レーシングゲームの“バーチャル”ではない、リアルワールドのストリートレースは世界で最もエキサイティングでホットな戦いとも言えるだろう。

まず最初に、この「マカオ・ロードスポーツチャレンジ」への参戦経緯をお聞きした。

「香港にあるHKSの代理店、Top RacingがR35・GT-RをHKSパーツなどを使って作っていたのです。2010年はTop Racingが設立20周年なのでロードスポーツチャレンジに参戦しようという話になって。最初は谷口(信輝選手)が乗る予定でしたが、彼はWTCCに出場するのでダブルエントリーは出来ないということで、僕に声がかかりました」


織戸選手にとっては2008年のWTCC以来、自身4回目の出場となるマカオグランプリ。ロードスポーツチャレンジというカテゴリーについて、織戸選手の口から改めてどのようなカテゴリーなのかを紹介してもらおう。

「このレースはエンジンやパフォーマンスに関する改造の規制は緩くて、安全面はしっかりしていますが基本的に改造無制限のフリーといった感じ。
その中で僕が乗ったR35・GT-R、『Top Racing TR35 GT800R』は完全なストリートカーというか、日本でいうタイムアタックカーに近い感じですね。ライバル勢では日本のスーパー耐久に近いレベルのマシンも多いですが、逆に僕が乗ったGT-Rのようなチューニングカー寄りのものもあったりで、様々なキャラクターのクルマが出場しています」


車種的には日本のハイパフォーマンスモデルが圧倒的に主流で、ランサーエボリューションやインプレッサなどが多数派となっている。
 
     
織戸選手はレース本番をおよそ2ヶ月後に控えた9月下旬、仙台ハイランドレースウェイでステアリングを握ってテストを行った。

「GT-RについてはHKSのクルマで何度かテストもしているので、そのポテンシャルについては感じていました。
レースに出場するマシンについては事前に日本へと持ち込んでHKSでエンジンを仕上げたりパーツを組み込んだりしていたので、最終チェックを含めて仙台で乗ることになりました。
しかし、残念ながら率直な印象は決して良くなかった。GT-Rはノーマルで良い空力バランスが取れていますが、色々な付加物がついていたのでバランスが崩れてしまっていた。あとは駆動系などに装着されていたパーツも上手く機能しきれていなくて、ちょっとトリッキーな状態になっていたのです」


残された時間は決して多くない中、急遽10月中旬に再度テストを行うこととなった。

「HKSさんがもう一回テストをしたいという話になって、今度は富士スピードウェイに持ち込みました。この時は、普段GT-RをHKSがサーキットで走らせている状態に近い、スタンダードな仕様にしたのです。仙台から大きく変化したのは前後のデフで、これによってクルマはとても素直な挙動を示すようになりました。
ところが富士は仙台よりも圧倒的にスピードレンジが高いので、空力バランスが悪くなってフロントが持ち上げられるような感じがした。それは現場で対策して答えも出て、クルマは結果的にビシッと安定するようになりました」


このTop Racing TR35 GT800Rは、その名にもあるように最高出力は約800ps、最大トルクは100kg-mに達する。そのパフォーマンスを受け止めるタイヤはADVANのレーシングスリック。サイズは290/710R20である。

「事前にタイヤテストを行って、スーパー耐久で使っている20インチか、SUPER GTと同じタイプの18インチか、どちらのスリックタイヤでマカオに臨むことにするかを検討しました。
富士スピードウェイでテストした限り、実はラップタイムは両者で大きな違いが無かった。しかし、マカオはストリートコースゆえに路面が荒れています。この点を考慮すればエアボリュームのある18インチの方が良いのではないかという判断もありました。
しかし大きな問題があって、18インチを使うとブレーキが入らなくなってしまう。そこで全体的なバランスやパフォーマンスを考慮した結果、20インチの方で行くことを決断しました」



マシン、そしてタイヤと最高のパフォーマンスで参戦準備は整った。
いよいよマシンは香港へと戻され、そしてマカオグランプリの大舞台に臨むことになる。

           

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