−−2010年からはシャシーにも新規参入の噂がありますね。
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カーボン/アラミドの認可で新シャシー参入の情報も。
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神谷事務局長
「アルミモノコックに2,000ccエンジンを積むのも、ありだと思うんですよ。そういうのがどうなるか」
畑川副会長
「どうなるかは想像つかないですよね、最終的には速いところに落ち着くんでしょうけど。
結局どの組み合わせ、どのバージョンがいいのか分からないので、まだ結論は無いんですよ。いまはまだ見えませんねぇ」
−−ところでエンジンが2,000ccになると、F3と一緒ということになります。F4がF3に近づく、あるいは近づけることを狙ったんでしょうか?
神谷事務局長
「ここにF3協会の会長もいますんで(笑)」
畑川副会長
「そういうことではないし、全然違うカテゴリーであり続けると思います。
F3は国際規格のフォーミュラであって、年に7千万から1億かかるカテゴリー。野球を例にとっていうと、高校野球の甲子園大会はF3です。それはどういうことかというと、プロはもう目の前ですよと、そうでしょう? 甲子園に出ている優秀な人はプロから誘われる。まったく同じ状況ですよね。
F4はむしろアマチュアとしてやっていくのに、非常にいいカテゴリーなんです」
神谷事務局長
「F3とF4とで、いちばん違うのはドライバーだけでなく、メンテナンスガレージやメカニックも育てられるのが、F4だということ。
自由に触れて、なおかつ規則の中で改良して、お客さんの要望に基づいてセットアップしていくことができるから」
畑川副会長
「F3はもう完全にシステマチックですからね」
−−確かにそのとおりですね。セッティングが自由にできることでドライバーにも、メカニックにも勉強になりますから。
逆に言ったら、古いクルマでもガレージが努力しているじゃないですか。ちゃんとメンテナンスして、改良し続けているから、戦闘力が保たれているというのは確実にあるでしょうし
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変革は見方を変えると参加者の底力が試される事である。
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畑川副会長
「F4にかぎらず、FJでもしっかり勉強されたメカニックで、エンジニアとしてフォーミュラ・ニッポンやSUPER
GTで活躍されている方、けっこう多いですよ。
むしろトップカテゴリーをやっているからといって、そう簡単にはいかない。確かにいいもの見ているから、一見すごいもの作ってきたりすることはありますけど、実際にこの中に入ってきてどうかというと、やっぱりいままで築き上げてきたノウハウや蓄積がありますから。
カーボンのモノコックを持ってきて、いきなりうまくいくかと言ったら、『そりゃ、どうかな?』と思う。まぁ、いずれはいいものを作ってくるでしょうけどね」
−−すでにやっているところの、技術とかノウハウは絶対的に大きいですからね、その点の強みはあると思います。
ところで、コスト的には新しいものになっても、そう変わらないと考えてもいいですよね?
神谷事務局長
「そうあって欲しいというのが、F4協会の立場としての気持ち。せっかく価格上限を設けて、それでカテゴリーがうまく成り立っているのに、カーボンにしましたから200万、300万アップしますよとなったらどうなのかな、と。
極端な話、だったら海外から買ってきた方が安いということになりかねない。そうなって欲しくないから、守って欲しいんですけどね」
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F4への熱い思いを語る畑川(右)、神谷(左)の両氏。
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畑川副会長
「そこを含めて、さっきのF3とは違うという話であって、値段も上がっていったらF3と同じカテゴリーになっちゃいます。
そうしたくないというのが、F4協会としてはありますよね。自分たちが作りたいもののために、これぐらいで・・・・・・というのがいちばん嫌ですね」
神谷事務局長
「僕らは一線を越えてまでやりたくないというのを、常に通してきたんです。
この30年間、いろんなカテゴリーができて、やがて衰退していったというのは、お金がかかり過ぎてついてこられない人が増えていったからなんですよ。損益分岐点を超えると、いろんなものが一気に上がってきてタイムも、それとコストも。それで人が減ってきて、最後は消滅という・・・。そういう繰り返しはもうしたくない。
だからポリシーを貫いていって、F4も一時はエントリーが数台まで落ち込んで、もう終わりかなと思ったこともあったんです。そこから再び盛り上げていったカテゴリーなんですよ」
−−確かに、このご時世でこれだけのエントリーがある。それはすごいことですよね!
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2010年もADVANはF4を足元から支えていく。
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畑川副会長
「しかも、西と東に2シリーズ存在しているわけですから。単発で出ている人もいて、年間ランキングをつけていると分かるんですけど、ものすごい人数になるんです」
神谷事務局長
「素晴らしいカテゴリーですよ(笑)。いや、ホントに。覚えることたくさんあるし、なくてはならないカテゴリーだと我々は自負しています。
さっきも言いましたけど、一時は失速してしまったけど、続けていくことで定着したんですから」
−−なんか安心しました。新旧が混在しても、きっと廃ることはないし、むしろ今後いっそう盛り上がっていくという実感すらありましたから。
その盛り上がりのために、我々も最大限の協力をしていくつもりです。
畑川副会長、神谷事務局長
「是非とも!」