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2009 F4 MASTERS Report
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今年で4回目の開催となる、F4日本一決定戦は初めて岡山国際サーキットを舞台に。しかも、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のサポートレースとして行われることとなった。
いずれもADVANがオフィシャルタイヤであり、共通のDNAを駆使してバトルが繰り広げられるせいか、F4にも「走る格闘技」ことWTCCにも負けない激戦が期待された。

ご存知のとおり、F4にはSUGOやもてぎ、筑波、富士で争われる東日本シリーズ、そして岡山と鈴鹿で争われる西日本シリーズが設けられている。つまり、走り慣れていないコースが舞台ということもあって、東日本からの遠征が少なかったのは、やや残念ではあるところ。
だが、激しく争い合った末にチャンピオンに輝いた近藤翼選手や、あと一歩のところで涙を飲んだランキング2位の森下陽介選手は、しっかり姿を見せてくれたばかりか事前にも練習を積んでチャレンジ。これを西日本勢、特に最終戦を待たずしてシリーズ2連覇を達成した花岡翔太選手、そして精神面に著しい評価の見られた吉田広樹選手が、どう迎え撃つのか大いに注目された。

レースウィークの練習走行は、金曜日の1セッションのみ。そこではさすがに初岡山のドライバーたちが苦戦を強いられる。
近藤選手は10番手、そして森下選手は13番手に。対照的にトップにつけたのは、「まだ路面と足のバランスが完璧ではない」とさえ語る花岡選手。さらに「まだまだタイムは縮まる」と余裕の表情を見せる。
見れば、操るマシンはここまで西日本シリーズを戦ってきたウエスト956ではなく、ウエスト006ではないか。 「本当は新車のウエスト096で出るつもりで、シェイクダウンもすでに行ったんですけど、コースにオイルが激しく撒かれて、セットを完璧に詰められなかったから、万全を期す意味で006で。違うシャシーですけど、昨年も乗っていたマシンですし、チームもデータを豊富に持っているから不安は一切ありません」と花岡選手は語る。
2番手は吉田選手とランキング2位を争う仁木圭之選手。そして吉田選手が3番手と、西日本シリーズの上位陣が順当に上位につける。

そして、行われた公式予選。普段よりも長い30分間の計測なのだが、これを有効活用しようとした「常連」がむしろ割を食った格好に。せっかく路面に乗っていたラバーが、多くのマシンが走行したことで削げ、明らかにコンディションが悪化してしまったのだ。
計測開始と同時にアタックをかけたことが功を奏し、「5年ぶりのF4で」ポールを奪うこととなったのは、山本すばる選手。「ポール獲ったなんて実感は、まったくないんですよ。何したわけでもなく、ただアンダーステアを消したら出ちゃった感じなんで」と、それでも表情は満足そう。
一方、吉田選手こそ2番手につけたが、3番手の廣田秀機選手もスポット参戦のドライバー。ただし、山本選手同様、スーパー耐久などで、このコースはしっかり走り込んだ経験を持つ。

仁木選手は4番手に甘んじ、花岡選手は右フロントのホイールに歪みがあり、バイブレーションに苦しめられた結果、続く5番手に。それでも「まだこの位置なら、ファイナルは狙えます。今回は結果だけでなく、内容も追求するのが目的のレースですからね」と焦りの様子は一切なさそう。


そのことを証明するかのように、セミファイナルでホイールの修復なった花岡選手は、本来のスピードを取り戻して、わずか2周で2番手に浮上。スタートに出遅れた山本選手はペースが上がらず、徐々に順位を落とし、仁木選手も4周目の1コーナーでの接触でフロントウィングを傷め、やはり順位を落としていた。
逆にスタートでトップに立ったのは吉田選手。「今回はファイナルだけ目立てばいいと思っていたので、少し早いですが流れは最高! 後半はタイヤをセーブする余裕もありました」と語る。

トップにも迫らんばかりの勢いを見せた花岡選手は、2番手に躍り出たものの、吉田選手との差は広がっていくばかりだった。
しかし、これは作戦のうち。というのも、ドライコンディションが保たれた場合、予選からファイナルまで用いることができるタイヤは、たった1セット。ふたりともタイヤをしっかり温存したというわけである。
唯一、セミファイナル後半に気を吐いていたのは平木天樹選手。7番手から着実に順位を上げ続け、最終ラップには廣田選手を抜き去って3位でフィニッシュする。だが、その平木選手は語る、「タイヤは使い切ってしまいました……」と。

平木選手はギャンブルに出ていた。ファイナルが行われる日曜日を前にして天気予報で告げるのは、高い降水確率。もしウェットコンディションになれば、まだまだ勝負権ありと判断したのである。ただ、ドライコンディションが保たれれば、まったく失ってしまう。


その日曜日の午前中は予報に反して、雨などまったく降りそうもない気配。ウェットコンディションに賭けたドライバーたちから、焦りの表情が見え始めた。

そんな時だ。間もなくパドックを離れなくてならない、というタイミングで上空からポツリポツリと小雨が。しかし、グリッドに並んでもなお、その雨は路面を黒く濡らすまでには至らず。
なのに平木選手はもとより、2番手グリッドに並ぶ花岡選手までもが、素早くレインタイヤに交換したではないか。その光景を見て、「ならば自分はスリックで行く」と頑までに決意したのはポールの吉田選手。後方でもレインタイヤに交換するドライバーが徐々に現れる。

フォーメイションラップ開始が間近に迫り、メカニックの作業が一切禁止された時、何たることか雨はにわかに勢いを増したではないか!
急きょセーフティカースタートに改められ、先導1周目にはピットに滑り込んでくるクルマも。その中にはセミファイナルで12位に甘んじていた森下選手の姿が。そして、もう1周の先導の後、いよいよグリーンシグナルが点灯!

最終コーナーからフル加速で1コーナーにトップで飛び込んだのは吉田選手ながら、降りしきる雨が容赦なく痛めつける。制御不能にも等しい吉田選手を、真っ先に捕らえたのはもちろん花岡選手。コース半周トップを守らせることなく、リボルバーコーナーでオーバーテイクに成功! すぐに平木選手も2番手へと躍り出る。

しかし、平木選手は花岡選手を追い詰めるどころか、逆に周を重ねるごと離されていく。
「グリッドでタイヤだけでなく、セットまで変えてもらったんですが、思いのほか雨が強くならなくて・・・。それが裏目に出てしまったようです」と平木選手。
5周目、その後方で3番手に上がっていたのは、なんと近藤選手だ!
予選は13番手、セミファイナルでは7番手、それがここまで上がってきたのだから、適応力の高さを持つドライバーであるのは証明された。

だが、時すでに遅し。
その段階で平木選手との差は6秒にも及んでいたのだから。わずかとはいえ差を詰め続けたことがせめてもの意地か。
また森下選手も8番手にまで上がっていたが、件のタイヤ交換の際、エンジンを切らぬミステイクが。そのため,レース後にペナルティとして40秒を加算、16位にまで順位を落とす羽目となっていた。
さらに吉田選手も7番手で踏み止まっていたにもかかわらず、最後は接触でチェッカーを受けることなくレースを終えた。
「レース後に冷静になって考えてみたら、なぜ花岡、平木両選手と同じ条件で勝負しなかったのか、と。それで負けたとしても、こんなに悔しい思いはしなかったと思います」と吉田選手。

そんな後続のドラマを尻目に、ひとりクールに走り続けた花岡選手。
「タイヤ交換は自分の判断です。しかも,グリッドに着いたら、チームの方が『アトウッドではもう強く降っているよ』って教えてくれたので、もう即決です! トップに立ってからは意外に誰も着いてこなかったんで(笑)、ずっと自分のペースで走ることができました」と語る。
終わってみれば10秒差の圧勝、西日本シリーズに続いて日本一決定戦でも2連覇を達成した。

4位は奥村亜久士選手が獲得。最終ラップに久保宣夫選手をパス、ゴール間際では仁木選手も迫ったものの、あと一歩のところで振り切られ、6位という結果に終わった。

【>> ファイナルレース/セミファイナルレース 正式結果はこちら】
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