−−2010年からF4のレギュレーションが変更されることになり、以前から実際にレースをしている方は理解しているようですが、これから始めようとか関心を持っている方には、従来の車両が使えないという誤解があるようで・・・。
また、使えると分かっていても、性能差が気になっている方もいると思います。
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2010年、F4は更なる飛躍に向けて大きな変革を迎える。 |
神谷事務局長
「まず、新旧それぞれに優劣はあると思うんですよ。
いちばん気にしていると思うのはエンジンで、2000ccになったことでトルクが増えて、下(低回転)から使えるというメリットはあるでしょう。でも、直径25mmのリストリクターを装着しなくちゃいけないので、上(高回転)が使えなくなるというデメリットが生じるかもしれない」
畑川副会長
「初期の頃のF4も、1,850ccという規格がありながら、1,600ccのトヨタ4A-Gで走っていたクルマもあったんですよ。それが速かった。
軽さとか実績もあったんでしょうけれど、それもリストリクターとの関係でね、うまくシフトを合わせてやれば、トルクとギヤ比の関係で速く走れたということもあったんです」
神谷事務局長
「雨が降ったらトルクの関係で、小さい排気量の方が乗りやすいかもね。
それと、いま話に出た重量差。現状で主流となっているホンダのB18に比べ、M-TECが勧めるK20は約20kg重い。そこらへんで優劣、要するに良いところと悪いところが交差する可能性があるんですよ。
10年以上も使われているB18は相当煮詰まっているわけなんで」
−−確かにFJ1600よりSuper-FJの方がパワフルであったのに、最初の頃は重さや車高もあって、そんなにタイムは変わりませんでしたよね?
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現在の主流は初代インテグラタイプRに搭載のB18型。
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神谷事務局長
「そう。いずれは2,000ccの方が上回るかもしれないけど、こればかりはやってみないと分からない。というより、将来的にはスイッチしてもらわないと・・・」
畑川副会長
「もう売っていないエンジンですから」
神谷事務局長
「ないんだからね(笑)。完璧に部品がなくなったら大変なことだし、いまはまだ手に入るらしいけど、そんな状況ですからね」
−−ホンダだけでなく、東名エンジンが日産のSR20で、トムスがトヨタの3ZRで参入を検討していると聞きます。
神谷事務局長
「K20の重さを嫌って、そういうエンジンを使おう、って流れになったみたいね。
いや、いいことだと思いますよ。にぎやかになるのは間違いない。いろんな組み合わせが可能になって、レースがますます盛り上がるんじゃないのかな!」
−−極端に性能差が生じる場合は、リストリクターの大きさで調整する可能性があると、はっきり明言されてもいますしね。それに加え、新しいエンジンの重さを考慮して、総重量を10kg増やしたんですか?
神谷事務局長
「それはね、Super-FJを始めるにあたっても、10kg増やしたんですよ。最近みんな体格いいから。
というのもね、総重量というのはドライバー込みで、当初の設定では65kgだったんですよ。でも、ヘルメットに装備品を加えたら、65kg以下なんて女性ドライバーぐらいしかいない。現状に合わせたということなんですよ」
−−ああ、そういうことだったんですね。その他の変更部分では、どうお考えですか?
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これまでに多くのドライバーを育ててきたF4のコクピット。
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神谷事務局長
「たとえばミッションだけど、シーケンシャルにいい部分は確実にある。ただ、エンジンがピーキーで、シフトの速さが求められるならいいけど、実際には低中速重視のエンジン特性で、鈴鹿みたいにそうシフトチェンジしないサーキットなら、そんなに大きな差は出ないんじゃないかな、と思っているんですよ。
まぁ今まで走っていたクルマでも、シーケンシャルのキットは問題なく装着できるから、仮に速くなるとしても交換することでイコールになるんで。
あと、モノコックがカーボンになったからといって、速さがどうのこうのというのは、そんなに差はないんじゃないかな」