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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.57 News Index
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SUPER GTでの優勝をはじめ、日本国内はもちろん海外のモータースポーツシーンでも多くの栄冠を手中におさめてきた荒聖治選手。
日本を代表するプロフェッショナル・レーシングドライバーの一人として数えられる荒選手に聞くインタビュー企画の最終回は、荒選手の"レース哲学"について語っていただきました。

Profile
荒 聖治選手
荒 聖治 選手 =SEIJI Ara=

1974年・千葉県出身。
1994年にレースデビュー、フォルクスワーゲンカップレースでルーキーながらシリーズチャンピオンを獲得。
3年間アメリカでレース活動を行った後に帰国、フォーミュラ4(F4)を経て、全日本F3選手権にTOM'Sから参戦。
2000年に入ると全日本GT選手権のGT500クラスにステップアップ、翌'01年にはフォーミュラ・ニッポンにも活躍の場を広げる。
2003年にはSUPER GTで、ADVANブランド25周年記念マークをまとう「ADVANスープラ」をドライブ。
またル・マン24時間レースでの活躍、特に2004年に日本人2人目の総合優勝を飾ったことは記憶に新しいところ。なお、この時は日本人として初めてウィニングチェッカーを受けた。
2005年シリーズ中盤よりKONDO RACINGでSUPER GTのGT500クラスに参戦。2007年のマレーシア・セパン戦でライバル勢を圧倒してKONDO RACINGのSUPER GT初優勝を成し遂げた。
2008年もKONDO RACINGからGT500クラスに「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」で参戦する。
荒 聖治選手からの動画メッセージ : [BROAD BAND (700K)]  [NARROW BAND (300K)]

Interview
これまでのインタビューでKONDO RACINGやJ-P・デ・オリベイラ選手について語ってくれた荒聖治選手。
今、SUPER GTを戦っている環境について、荒選手はこう総括した。
 
「去年、セパンで優勝したことも大きなキッカケになって、全体のモチベーションがとても上がっています。
監督を筆頭にドライバーはもちろん、チームスタッフやADVANのエンジニアさんなど、関わっている全ての人が『勝つ』ということに対して同じ方向で物を見ています。」

 
再び栄冠を手中におさめるために進化を続けている様子が伺えるが、荒選手はレースを戦う上で大切なことを、あるトップ・ドライバーから教わったのだという。
 
「ル・マン24時間レースを一緒に戦ったトム・クリステンセン選手は凄いと思いました。
自分たちが勝つために必要な情報を、同僚のドライバーみんなにきちんと与えてくれるんです。そして、それぞれのドライバーが『自分は良い仕事をしている』と実感させてくれるような気遣いをしてくれます。
その上でも、自分自身もドライバーとして高いポテンシャルを見せてくれるのです。
どんどん信頼関係が深まっていくので、もしレース中に何かアクシデントやトラブルが起こっても『自分が何とかしてやろう』という気持ちになるんですね。」

 
モータースポーツは一見、レーシングマシンを駆っているドライバー一人一人による"個人競技"に見えるかもしれいない。しかし実際には監督を筆頭に優れたエンジニアやメカニックがいなければ勝利を手にすることは難しいし、耐久的な要素のあるレースであれば複数のドライバーによる"チームワーク"がより重要視されてくる。
そんな中、前回お聞きしたように荒選手はJ-P・デ・オリベイラを最高のパートナーとして称賛している。
 
「J-P(オリベイラ選手)に限りませんが、やはり故郷を離れて日本に覚悟を決めて来ている外国人ドライバーは、レースに対する取り組み方も真剣そのものです。
SUPER GTというステイタスのあるレースで、しっかり自分のポテンシャルを見せてステップアップすることを見据えているので、時にはアグレッシブな走りもするし、限界を超える領域にも必要なら足を踏み入れていきます。
もちろん、だからと言って『わざとに相手を弾き飛ばそう』なんていうドライバーはいるわけありません。」

 
"プロフェッショナル"ならではの限界ギリギリでのバトル。
もちろん荒選手も、オリベイラ選手などの外国人ドライバーに一歩も引けをとらない熱いマインドでレースを戦い続けている。
 
「例えば2005年のスーパー耐久・富士スピードウェイ。あの時、僕はADVANにとってライバルという存在でしたが、谷口信輝選手との本気のガチンコ勝負を展開しました。
また、富士では2006年のSUPER GT最終戦でも服部尚貴選手とも接戦を繰り広げました。
どちらも接触してもいましたが、決して相手に致命傷を与えるような"一線を超える"ことはお互いに絶対しません。
それはドライバー同士の信頼関係がある証拠ですし、やっている自分たちも本当にそのバトルを楽しんでいるんです。
もちろんギリギリの接近戦で接触して押されたりすると悔しいのは事実ですが、それを禁止したらレースじゃなくなってしまうと思うんです。
だからSUPER GTでは、もし服部選手にラフプレーでペナルティや警告が与えられるようなことがあれば、僕自身が『あれはペナルティをかける内容じゃない』って抗議しに行こうと思っていたんです。」

 
トップドライバー同士がプライドをかけて持てるテクニックを出し切って繰り広げるホットなバトル。
日本のツーリングカーレース最高峰の"SUPER GT"、その中のトップクラスである"GT500"でしか味わえないモータースポーツの醍醐味。
 
「日本のレースにいると、外国人ドライバーのアグレッシブな走りが目立つことが多いかもしれません。
しかし、先にお話ししたように覚悟を決めて海を渡ってやって来ている彼らですから、自分をアピールするために攻めの姿勢を前面に押し出すのは当たり前のことだと言えるでしょう。
自分が海外のレースに行ったときもそうでした。自分の持てる力を出し切って、それが結果につながった時に周囲から認めてもらえるわけです。モータースポーツはスポーツ、つまり"勝負の世界"なんですから。」

 
時にモータースポーツの世界では「レースでは、たった1組の優勝と、それ以外の敗者しか生まれない」と言われる。これは全てのスポーツ、競技において共通するのだろうが、参加して戦っている誰もが優勝を目指して持てるパフォーマンスを出し切っている。
そしてモータースポーツは先に記したように"個人競技"的な要素もあるが、"団体競技"としてチームの高い総合力が求められる。そこには"人"のパフォーマンスのみならず、"車"や"タイヤ"という"道具"が占める要素も小さくない。
 
「最初に話したように、今のKONDO RACINGはとても良い環境にあると思います。だからこそ、この環境を利用しない手は無いとも思えるんですよ。
2008年シーズンは去年以上に身が引き締まる感じで過ごしています。それはやはり『勝てる』という気持ちが強くあるからでしょうね。
僕はこのインタビューの最初でもお話ししたように、根っからの"クルマ好き"。それも"GT-R"が大好きで、他メーカーの車でレースをやっていた間も個人的にGT-Rを所有し続けていたんです。
だからこそ、GT-Rで戦っている自分がなんとしても勝ちたいですし、日本のGT-Rファンの皆さんにKONDO RACINGからも勝利をプレゼントしたいですね。」

 
2008年のSUPER GT、次のラウンドは昨年KONDO RACINGが劇的な優勝を飾ったマレーシア・セパンが舞台。
実戦を重ねる毎に速さと強さに磨きがかかる「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」、そしてADVANレーシングタイヤの活躍にご期待ください!
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