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News Index
[vol.1] 注目の新レース「LOTUS CUP JAPAN」とは?
[vol.2] 第1戦 ゲストドライバー : 池沢早人師さん
[vol.3] 第2戦 ゲストドライバー : 田中哲也さん
[vol.4] 第3戦 ゲストドライバー : 荒 聖治さん
[vol.5] 第4戦 ゲストドライバー : 谷口信輝さん
"生粋のサーキット育ち"。イギリスの名門・ロータスをこう表現しても異を唱える人は少ないだろう。
今から60年ほど時間を遡った1948年。大学生だったコーリン・チャプマン氏は自らの手でオースティンセブンを改造して"蓮"を意味する名を冠した「ロータス・マーク1」を仕立て、ローカルトライアルレースに出場するようになった。
その後もレースを通じてロータスの性能は磨き上げられ、ライトウェイトスポーツカーの代名詞として世界にその名を轟かせる。
中でも1957年に発表された「ロータス・セブン」は21世紀になった今でさえも原型にほぼ忠実なモデルがビルダーの手によって生産され続けており、歴史的な"名車"として全世界のエンスージアストたちを魅了している。
モータースポーツ活動は遂にはF1参戦に達し、1960年にロータスシャーシのマシンが初優勝。その後ワークス体制での参戦も果たし、1961年にチームとしても初優勝を飾った。
特に1980年代中盤のN.マンセル選手やA.セナ選手が在籍していた頃、そして1987年から日本人初のF1レギュラードライバーとして中嶋悟選手がロータスを駆っていたことは記憶に新しいところ。
これまで幾度か経営危機がささやかれ、そのたびに世界のエンスージアストたちはロータスに熱いエールを送り続けてきた。
日本でも熱烈な愛好者が多いロータスだが、2005年にVTホールディングス配下となった輸入元「エルシーアイ株式会社」が万全の販売・サポート体制を構築しており、誰もが楽しめるリアルスポーツモデルとして一層の人気を博している。
2007年、日本において「ロータスカップ・ジャパン」が産声をあげた。
日本におけるロータスの総代理店であるエルシーアイが新たに発足したロータスカップ・ジャパン・アソシエーション(L.C.J.A)とともにワンメイクレース専用車両を開発・発売する。
レースはナンバー付車両による「Nゼロ」と呼ばれるもの。
限りなくイコールコンディションとなるようにレギュレーション(規則)が制定されている。
また、タイヤについてはロータス社より純正指定されている「ADVAN Neova AD07 LTS」のワンメイク。
発足初年度となる今年は全4戦が開催される。
これまでも各地のサーキットではレース形式走行会などでロータスのドライビングを楽しむユーザーが数多く見られた。
2005年にはスーパー耐久シリーズにロータス・エキシージが参戦して話題に。また近年、全日本ジムカーナでもロータスは注目の存在になっている。
日本のモータースポーツシーンに確実に根付いているロータス。
ファン待望のワンメイクレース「ロータスカップ・ジャパン」が誕生したのは必然と言えるのではないだろうか。
「ロータスカップ・ジャパン」のためにプロデュースされたのが「ロータス・カップカー」。
ロータスのラインナップ中、最軽量モデルであるエリーゼSをベースに、ロールケージや消火器などの安全装備類を装着したナンバー付レース車両である。
全長3800mm、全幅1720mm、全高はわずか1120mmというコンパクトなボディ。車両重量は約860kg、昨今の常識で考えれば驚異的な軽さである。
キャビン後部にミッドシップレイアウトされるエンジンは排気量1794cc、最高出力は100kw(136ps)/6200rpm。
このパワーを5速マニュアルを介して後輪に伝える。ちなみにエンジンとトランスミッションは信頼性の高い日本製が採用されている。
【ロータス・カップカー徹底紹介!】
■エクステリア
どの角度から見ても精悍さにあふれ、高次元の走りを予感させるエクステリア。
短い全長ながら日本ではいわゆる"3ナンバーサイズ"に属する全幅、そして背の高い車が全盛の街中では一際存在感を魅せるロー・アンド・ワイドなシルエット。
ボディには規則でカラーに応じてストライプが2本入れられるが、こうしたブリティッシュ・テイストのこだわりは古くからのロータス・ファンも魅了するポイントだろう。
■エンジン
パッセンジャーの後方にミッドシップマウントされた直列4気筒DOHCエンジン。
排気量1794cc、可変バルブタイミング機構を備え100kw(136ps)を発生する。
エギゾーストパイプとマフラーをL.C.J.A指定部品に交換することは認められるものの、それ以外の改造などは厳しく制限されている。
つまり街中を走っているノーマル車と同等のスペックということになるが、元々の素性が良いだけにレースにおいても遺憾なくその性能を発揮してくれる。
■インテリア・安全装備
やや幅の広いサイドシルをまたぐと、ドライバーはレーシーな香りの漂うコクピットにおさまることになる。
カップカーにはレース参戦に必要な安全装備としてロールケージや4点式シートベルト、カットオフスイッチ(センターコンソール部)、消火器(助手席足元)などが備わっている。
それら以外はノーマルと基本的に共通。剥き出しのアルミニウム素材が軽量化に大きく貢献すると同時に、伝統的なスポーツカーらしいコクピットの演出にも一役かっている。
■足まわり
サスペンションは前後共にダブルウィッシュボーン形式。規則では純正以外にもL.C.J.A指定部品であれば交換が認められることになっている。
ブレーキは前後ベンチレーテッドディスクで、フロントはAPレーシング製キャリパー、リアはブレンド製キャリパーを採用。アンチロックブレーキ(ABS)付となり、ブレーキパッドについては純正以外にもL.C.A.J指定部品であれば使用可能。ただしABSを取り外すことは認められていない。
「ロータスカップ・ジャパン」ではADVAN Neova AD07 LTSがコントロールタイヤとして指定されている。
このタイヤはノーマルのロータスエリーゼSに標準装着タイヤとして採用されているもので、ラジアルタイヤで圧倒的な高性能を誇るADVAN Neova AD07をロータス専用にチューニングしたもの。
タイヤサイズはフロントが175/55R16、リアは225/45R17。
ホイールはL.C.J.A指定部品のみ使用が認められ、サイズはフロント6.0J×16インチ、リア7.5J×17インチとされている。
既にサーキットでは走行会からレースまで定評あるADVAN Neovaだが、本格的スポーツモデルであるロータスのワンメイクレースにおいてもドライバーから厚い信頼を得ている。
「ロータスカップ・ジャパン」を統括するロータスカップ・ジャパン・アソシエーション(L.C.J.A)の齋藤裕幸代表に設立の経緯や今後の展開についてお聞きしました。
−「ロータスカップ・ジャパン」のコンセプトは?
齋藤さん : これまでも日本にはロータスを使ったサーキットイベントがいろいろとありましたが、やはりロータスというクルマのポテンシャルがサーキットに適していることの現れであると思います。
そこで、ひとつの規則の下で皆さんにサーキット走行を楽しんでいただこうというのが、このレースのコンセプトです。
クルマをチューニングして速くするのではなく、同じ条件の下で皆さんが楽しみ、腕を磨きあえる場が「ロータスカップ・ジャパン」です。
−ナンバー付車両によるレースとした背景は?
齋藤さん : ナンバー付ですと一般公道でもドライビングを楽しめますし、レースでもロータスのポテンシャルを楽しめるという、ふたつの楽しさを兼ね備えることが出来ます。
この点をより広くアピールしていきたいという思いが根本にありますね。
−ワンメイクレース開催に対する反響は?
齋藤さん : 開催を発表したのが2006年の末、規則などを制定して正式に参加者を募り始めたのが2007年の2月。
正直なところ開幕戦まで短い時間しかなかったのですが、そのような中で今回10台の出走で開幕を迎えることが出来ました。
また第2戦では台数も増える見通しで、問い合わせの方も多数寄せられています。
その内容も本気で参戦を検討されている方々から、開催概要や参加費用、規則についてなど大変細かい部分にまで渡った質問が多く寄せられています。
−気になる参加費用はどのくらい?
齋藤さん : 車両はノーマルのエリーゼSが467.2万円(消費税込)ですが、カップカーは更にレース用の安全装備など200万円相当くらいの装備が追加されています。
しかし、輸入元のエルシーアイさんや関係各社のご協力を得られたことで、最終的にレース車両は580万円で販売しています。
この他には年間エントリー費が50万円、車両の登録諸費用などを含めると大まかに言って最初に必要な費用は680万円くらいです。
最初の段階できちんとレース参加に向けて造り込んだクルマなので、大きなクラッシュなどをしない限りはそんなに経費はかからないのではないでしょうか。
−「ロータスカップ・ジャパン」の特徴とは?
齋藤さん : まずは何といっても"格好良さ"ですね。
ワンメイクレースはいろいろな車種で開催されていますが、サーキットを走っていて最も似合うのがロータスではないでしょうか。
また、ナンバー付きですから日頃オーナーさんが街中を乗っていても格好よくきまりますね。
軽量でバランスの良いボディ、煮詰められた足回りなどがもたらす素直なドライバビリティは、ドライバーを育ててくれるクルマであるとも思います。
ビギナーからベテランまで、ドライバーの経験や技量に応じて楽しめるのが「ロータスカップ・ジャパン」です。