いよいよツーリングカーレースの世界最高峰・WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)がこの週末、日本に待望の初上陸を果たす。舞台となるのは過去にF1も開催され、近年はSUPER
GTなどで激戦が繰り広げられている岡山国際サーキット。
既に金曜日には関西国際空港にマシンも空路到着し、岡山国際サーキットに搬入されて戦いの時を待っている。
ヨーロッパラウンドを終えたWTCCも、岡山と最終戦のマカオグランプリで行われる合計4レースを残すのみ。
タイトル争いは開幕からディーゼルパワーを炸裂させたセアト勢が主導権を握り続けており、イヴァン・ミューラー選手が95点でランキングトップ、その後ろにはガブリエレ・タルクィーニ選手が86点で続き、セアトがワン・ツー体制を構築している。
シボレー勢は3番手に64点でつけるロブ・ハフ選手がトップ。3年連続でタイトルを独占し続けているアンディ・プリオール選手はBMW勢のトップに立つものの、ポイントは61点で5番手と逆転は難しいと言わざるを得ないポジションになっている。
しかし激しいバトルが"名物"のWTCCだけに、思わぬレース中のアクシデントがノーポイントという結果を招くことも充分にあり得る話。岡山で2レース続けて波乱の展開がドライバーズランキングの上位陣を襲う様なことになれば、一気に3番手以下の面々が得点差を詰めて来ることも可能性としては考えられる。
そこで気になるのがサクセスバラスト。セアト勢はランキングミューラー/タルクィーニの両選手に加えてランキング6位のジョルディ・ジェネ選手と3人がともに規則上の最大値である70kgを搭載する。超高速型のモンツァでは予選にバラストが与える影響は少なかったが、テクニカル要素の強い岡山では10kg以上の差がじわじわ効いてくる可能性が高い。
決勝スタート直後の1コーナーから2コーナーにかけてがひとつの攻略ポイントとなる岡山、逆にここはアクシデントの要因が潜んでいる場所でもある。そうなると予選でプリオール選手やハフ選手がトップに立てば、後ろで何らかのアクシデントが発生して巻き込まれたセアト勢を尻目に表彰台の真ん中を獲得して逆転劇の序章を描くことも不可能ではないだろう。
さて、岡山でタイトル争いの行方にも増して注目を集めるのは日本人ドライバーの活躍ぶりだろう。
先のモンツァでWTCC初参戦を果たした織戸学選手(シボレー)、青木孝行選手(BMW)、谷口行規選手(ホンダ)に加えて、アジアンツーリングカー選手権などで活躍する加納政樹選手(BMW)を加えた4選手がエントリー。
これまでにも色々なレースで走り尽くしている岡山のコース、ホームグラウンドでの戦いということでアドバンテージを日本人ドライバーが少なからず持っていることは間違いない。
そして織戸・青木・谷口の3選手はモンツァでマシンの特性やWTCCならではのレース運びを経験してきただけに、母国ラウンドでの戦いぶりには世界的な注目が集まる。更にSUPER
GTの第7戦・ツインリンクもてぎでは織戸選手、WTCC日本ラウンドの前週開催となった第8戦・オートポリスでは青木選手がそれぞれ今季初優勝を飾って、まさに上り調子の真っ只中。
母国初開催となる「FIA WTCC Race of JAPAN」での好成績獲得に大いに期待が高まる。
【
>> 織戸学選手・青木孝行選手インタビュー】
【
>> WTCC Race of JAPAN (岡山国際サーキットのサイトへリンク)】