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■小林真一 さん
「チューニングがもたらす感動を提供する」を掲げるチューニング界の雄、MCRの代表である小林真一さん。
クルマが持つパフォーマンスと魅力を最大限に引き出すために欠かせない、知性と感性の持ち主として知られる存在だ。
その“感動”はスポーツカーで主に具現化されてきたが、今回は自ら手がけたミニバンでの試乗。新しいスタイルの「走りも楽しめるチューニング・ミニバン」でタイヤの実力を試した。
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BluEarth RV-01、とってもいいですね!
今回はエルグランドで試乗しましたが、特にタイヤが温まってきた後のグリップは凄いですね。
ミニバンは車そのものが重いし、重心も高いので、どうしてもコーナーリングで“腰砕け”な感じになってしまいがちです。スラロームのような振り返しでは、タイヤがヨレた感じが出てしまうものなのですが、BluEarth RV-01では全く出ませんでした。
仮にスポーツタイヤといわれるものを単にミニバンにつけたとしたら、タイヤを潰す感じで走っている時のグリップ感はとても高いのですが、やはりスラロームなどでタイヤの逆方向を使ったときに“弱さ”が出てしまうものです。それが全く無いんですね。
クローズドコースの試乗では、正直なところ最初は「ミニバンで走れって言うのかよ!」と思いました。でも、いざ走らせてみたら「ちゃんとグリップして曲がる!」って(笑)。
一般道の走行に置き換えても、この“しっかり感”は大きなメリットです。2トンを超える重さのミニバンでは、レーンチェンジなんかの日常的な動作でも安定感が高くて、それは安全性にもつながる部分ですね。
これだけの“しっかり感”があれば、ミニバンらしいフル乗車の状態でも性能の低下は全くないでしょうから、安心して走ることが出来るでしょう。
もちろんミニバンはスポーツカーではないので、走りの良さだけではダメなんです。いろいろな制約があるなかで、きちんと静粛性や快適性も高いレベルを確保しなければならない。
その点についてもBluEarth RV-01は、基本中の基本である日常のドライビングにおける静粛性や快適性はとても優れていて、ミニバン用のタイヤに最も求められる部分は当たり前ですがきちんとクリアされていました。
その上で、ミニバン用タイヤの常識を超える運動性能を持った仕上がりになっていたことには、本当に驚きましたね。
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もうひとつ気になるのが低燃費性能について。
この点については、コーナーを立ち上がってストレートに入ったときに、タイヤが思ったよりも「フッ」と転がっていくんです。こういうことも燃費の良さにつながる部分なんだと体感しました。BluEarth RV-01は、タイヤのグリップ性能が場面に応じて最適に変わっていくような感じがしますね。
ミニバンは、スポーツカーユーザーがファミリーで使うための一台として買う方も多いでしょうし、元々はスポーツカーに乗っていたけれども、子供が産まれたなどの理由で乗り換えるというケースも多いですよね。
でも、やっぱりそうやってミニバンに乗るようになっても、楽しく走れる車を提供したいという思いで、エルグランドのチューニングを手がけてみました。
たとえばエルグランドで3,500ccエンジンを搭載するモデルを選ぶ人というのは、車の走りについてこだわりがあるという場合が多いでしょう。
そういうユーザーさんにとって、ミニバンではタイヤ&ホイールのインチアップというのが、ひとつのセオリーでもあります。
ただ、これまではどうしてもインチアップすることで得られるスタイリッシュさと引き換えに、静粛性や快適性を犠牲にする部分が無きにしも非ずでした。
しかし今回、試乗したのは19インチというインチアップしたものだったのですが、それにも関わらず音は静かだし、乗り心地も適度にソフトで快適だし、BluEarth RV-01にはひとつも文句のつけようがなかったですね。
快適であると同時に、やはり車は走って楽しくなければならないと思います。どんな状況で使うにしても、ユーザーさんの目的に適う車を仕立てるのがチューニング。
走っても楽しいミニバンというチューニングやタイヤ選びも、これからは有りじゃないかと思いますね。
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