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【Round2 : IOX-AROSA】
開催日程 : 2011年 5月 7日(土)
開催会場 : イオックス・アローザ(富山県)
天候/路面 : 曇り 一時 晴れ/ドライ
講師陣 :
斉藤 邦夫 (全日本選手権 SA1クラス)
柴田 優作 (全日本選手権 N3クラス)
=敬称略・五十音順=
= EVENT SUMMARY =
全日本チャンピオンから直接指導が受けられる、最新の競技用タイヤや注目のスポーツラジアルタイヤを試し履き出来ることで好評の「ADVAN GYMKHANA MEETING」。
2011年は、東日本大震災の影響で名阪スポーツランドで行われる予定だった第1回の開催が延期に。
ゴールデンウィークも終盤に差し掛かった5月7日、富山県にあるイオックスアローザで約1ヶ月遅れの開幕ラウンドが行われた。翌日に中部・北陸のショップが連合で開催している大会が行われるとあって、イベント参加者をはじめ29台の参加者が会場に集まった。
ここイオックスアローザで行われる全日本ジムカーナ戦は、他の会場に比べて観客動員数が多いことでも有名だ。残念ながら今シーズン、全日本戦は開催されないが、ふらりと立ち寄った老夫婦が仲睦まじくベンチに座りながら走りの寸評をしているほどジムカーナという競技が地元に密着している。
そんな北陸からの熱い声に後押しされ、2011年もイオックスアローザでADVAN GYMKHANA MEETINGは開催された。
= LECTURE =
冬期間はスキー場の駐車場として使用されるイオックスアローザ・スポーツランド。広大な駐車場に配置されたパイロンがコースを作り出す。
今回のコースを作成した斉藤邦夫講師にその設定意図を聞いてみた。
「最初にアローザの特徴を考えました。真ん中に側溝があるので、車両トラブルを考えるとどこからも往き来できないんですね。大きく変えたかったけど、アローザで良くやっているコースをお手本にスタートとゴールを設定しました。結果的にこれが効率のいい配置だったんですね。
レイアウトとしては前半はなるべく自由にラインを取れるものにしました。ここにパイロンを置くから、どこを走ってきてもイイ。だけどタイムを出すには自分でラインを考えてねと。自由度を残してドライバーに投げるというような設定ですね。
逆に後半セクションはなるべくタイトでキツメに設定。狭いスペースの中でいかにクルマをコントロールするか? サイドを使ったり使わなかったりしながら加減速する。少しプレッシャーのある中で運転するというコースです」
前半と後半で大きくコンセプトの異なるコース設定。最初は戸惑った参加者も多かったかもしれないが、ここに斉藤講師のコース設定の意図があった。
「コレでないといけないという走りは無いですね。車種や改造範囲、そのドライバーの考え方やテクニックでレコードラインは1本だけではない。ただ自分にとって一番いいものは絞られてくる、それを見つけて欲しかった。
初心者の人は走れば走るほど正解のラインに近づいてくる。ただ最初はみなさん手探り状態なので、パイロンギリギリを走ってくるかと思えばガードレールギリギリの人もいましたね。
いわゆる上級者というのは走って走って正解を見つけるのではなく、歩いただけで正解が見つけられる人だと朝の慣熟歩行で話しました。正解が分かったらドライバーはそのラインを走ればいいだけで、1本目から良いタイムが出せる人だと。
まだみなさんはそこまで行ってないかもしれないから、苦しんで苦しんで正解を見つけてくれたら次の機会からそれを生かせると思います。その辺も狙ってコース設定してみました」 とのこと。
自分のクルマや走り方に合ったラインを見つける、パイロンジムカーナの醍醐味を感じられるコースだったハズだ。
= DRIVING =
開会式では『斉藤さんらしい、いやらしいコースですね』、と言って参加者を笑わせた柴田優作講師。2年連続全日本ジムカーナ選手権・N3クラスのチャンピオンは、この『いやらしいコース』をどうやって攻略する?
「チョッと難しい設定でしたよね。簡単にいうと後半の細かいコースで、入り口と出口に規制が入った設定で割と上級者向けのレイアウト。
攻略方法としてはライン取りから始まるんですけど、横Gの返し方がポイントです。立ち上がりに規制が入るので、そこに向けたアプローチが重要でしたね」
今回はリヤ駆動車を専門に担当した柴田講師だがコース全体を見渡して、
「アローザ攻略の第一は、グリップする場所や走りやすい場所を探すことだと思いますね。
一見フラットに見えるんですがカントが付いていたり、路面を張り替えていてグリップが変わる場所がある。そんななかでパイロンコースの鉄則である、遠回りせずになるべく近道を走るというのがライン取りの考え方だと思います」 と語る。
スタートしてガードレールに向かって加速して行くと、予想以上にスピードが乗るはず。これは奥に向かって傾斜している証拠。
「そうですね、傾斜を味方につけて走ることも必要だと思います。ボクが担当したFR(後輪駆動)のクルマだと、下りのほうがテールスライドを誘発しやすいので、下りながらの方が若干難しいかもしれないですね。
ものすごい傾斜ではないので、慣熟歩行の時にしゃがんで見ると気付きますよね。それが気付かないで走っていると、徐々に挙動が出始めてしまって最後にはスピンということになる。アローザのコースのトラップですよね。
一部がどうというのではなく、大きく傾斜している部分が多いので上りに入ると『何故ボクだけ遅いんだろう?』と感じてしまうかもしれません。でもFR車なら上りは踏み込んでタイムを稼ぐポイントですよ」 とのこと。
もちろんFF(前輪駆動)であれば下りはフロントに荷重がかかるため曲がりやすく、上りであればリヤに荷重がかかってアンダーステアが出やすい。駆動方式ごとの特性を理解することもアローザ攻略の大きなカギだ。
= ENTRANT VOICE =
■岡田芳郎 さん ホンダインテグラ
2010年、辺城拓郎さんと一緒に初めてADVAN GYMKHANA MEETINGに参加した岡田芳郎さん。昨年は走行会クラスに参加したが、そのときにインストラクター付きコースに参加したくなり、今年も続けて参加してくれた。
「今は北陸シリーズを中心に、たまに中部地区戦に出ています。今回、自分を担当してくれたのは斉藤邦夫さんでしたが、ドライビングに関してはメリハリをつけすぎだって言われました。去年結婚して子供もできたのであまり出場する機会もないんですけれど、斉藤さんに言われたことを忘れないでもっと練習していきたいですね。
今回はタイヤの試乗もやらせていただきました。希望したのはADVAN A050ですが、普段からA050を使っています。ただ、いつも中古品で走っていて、新品で走るとどのぐらい違うのかを知りたかったので希望しました。やっぱり新品はいいですね。
斉藤さんにもタイヤの使い方についてアドバイスしてもらいました。内部構造から教えていただいて凄い収穫になりましたし、タイヤ試乗を希望して良かったです」
■鈴木省三 さん ホンダインテグラ
翌日に開催予定だったG6ジムカーナに参加予定の鈴木省三さん。主催を担当するトラップのウェブサイトにADVAN GYMKHANA MEETINGのことが掲載されていたので、直前の練習もかねて申し込んだとのこと。
「自分は静岡に住んでるんですが、今年はG6も出たいですし、関東の地区戦にも出たいと思ってラジアルタイヤを履くことにしたんです。去年までは他社の舗装競技用タイヤを履いていて、ラジアルにするにあたっては周りからの薦めもあって他社の製品を履いてみました。
でも、今回ADVAN GYMKHANA MEETINGでADVAN NEOVA AD08の試乗を体験させてもらいましたけれど、まさかこんなにいいとは思いませんでしたね(笑)。新品状態からの1コーナーではちょっと滑りましたけど、そのあとはコントロール性はいいしグリップもいい。リヤの動きもスムースですし、想像以上にいいタイヤでした。
他社製品を装着してる状態で運転してもらった斉藤講師のタイムより、NEOVAを装着しての自分のタイムの方が速かったので、それもオドロキでした。
斉藤さんのアドバイスも凄く的確で分かりやすかったですし勉強になりました。こんなことなら初めからNEOVAを買っておくんでした(笑)。次は絶対NEOVAにしますよ」
■磯村良二 さん ユーノスロードスター
鈴木さんと同じく翌日のG6ジムカーナに参加するため、その練習も兼ねて参加してくれたのが、ジムカーナ歴5年というロードスター磯村良二さん。G6では前戦もFR1クラス優勝を飾ったリヤ駆動の使い手だ。
やはりトラップのウェブサイトで開催を知って申し込んだと言う。
「普段は他社のタイヤを履いてます。でも、ADVAN NEOVA AD08は以前から気になっていたので、タイヤ試乗も体験させてもらいたくて申し込みました。
ロードスターはランニングコストも低いですし、タイヤも安いので気に入っています。
講師は柴田選手でしたけれど、先生にターンのやり方も教えてもらって、自分でやったらちゃんとできたので感謝しています。
タイヤ試乗はNEOVAを履かせてもらいましたけど、いま使っている他社製品よりもカッチリした印象がありますし、多少間違った運転をしてもタイヤがカバーしてくれますね。ミスしてもタイムは同等だったので、その点でもNEOVAの良さを実感しました。NEOVAはコントロール性も素直で扱いやすいタイヤだと思います。
柴田先生にはブレーキがうまいって誉められたのは嬉しかったです。かなり勉強になったミーティングでした」
= INSTRUCTOR VOICE =
■斉藤邦夫 講師
今回は10人の生徒さんを担当させてもらったんですが、大きく分けて2種類に分かれました。
ドライバーも車両もジムカーナ仕様になっていて、問題なくジムカーナ走行が出来る人。それと限り無くノーマルに近いとか、メーカーラインオフのままのクルマで参加された方の二通りに分かれましたね。
サイドブレーキとか低速のターンとかの質問を多く受けました。クルマ的にはサイドが効くので問題ないんですけれど、タイミングが合っていない。もしくはサイドターンが行える状態にクルマや姿勢がなっていない、準備が出来ていないのにリヤをロックさせているだけという方が結構多かったですね。
やり方は分かっているんですけど、この条件でどのように引いたらいいのかということが分かっていないんだと思います。そういった部分のアドバイスをさせてもらいました。
■柴田優作 講師
ボクが生徒さんのクルマを運転して初めて質問が出てくる事が多いんですが、『低速コーナーだと、こんなに落としていいんですね』とか『高速コーナーではこんなに突っ込んでいいんですね』といった話が多かったですね。パイロンコースでは小さく回るということが鉄則で、リズミカルに加減速できれば言う事なしです。
それと今シーズンのADVAN GYMKHANA MEETINGは、内容に関して大きな変更はありません。ですが運営の方々がしっかりしていますから、非常にスピーディーで濃い内容の練習が出来ると思います。そのなかで一人でも多くの方々をレッスン出来るよう私もかけずり回ります。
これからジムカーナを始めたいという人やスポーツ走行未経験の方でも大歓迎です。色々な方に参加して頂きたいですね。初心者の方にクルマの楽しさやジムカーナの楽しさを分かって貰えたらと思っています。危ない事のないコース設定もしていますし、いろんな方のご参加をお待ちしています!