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ニュルブルクリンク24時間に参戦を続けるヨコハマタイヤ。現場では地元ドイツのスタッフがタイヤサービスに大活躍しているが、日本人エンジニアも駆けつけてタイヤのチェックを行うだけではなく、各チームとの綿密なミーティングを行い、開発を続けている。

このページでは現場に足を運んだ斉藤宏之(MST開発部技術開発1グループ)、丹羽正和(MST開発部技術開発2グループ・課長補佐)、ふたりのエンジニアが2012年のニュルブルクリンク24時間レースを振り返ります。
 
YOKOHAMA TIRE ENGINEER
斉藤 宏之
横浜ゴム株式会社
MST開発部 技術開発1グループ
 
GTレースでタイヤに求められるのはまず耐久性、そしてハンドリング性能です。ニュルブルクリンクはそれを一度に評価できるサーキットだと思います。

ここで良好な結果が出た仕様は、ヨーロッパのレースでほぼ同じ結果を生み出します。
逆のパターン、他のサーキットで良い結果が出たからと言ってニュルに持ち込んでも結果につながらないことはよくあることです。
ですからニュルブルクリンクがタイヤ作りのベンチマークになっています。ここのデータを元に作ったタイヤはオールマイティなのです。

昨年はドイツのADAC GT-Masters、ここニュルブルクリンクのVLNシリーズ、そしてニュルブルクリンク24時間レースに参戦しました。今年は少し活動の場を広げてヨーロッパを転戦するブランパン耐久シリーズとニュルブルクリンク24時間で活動をしています。

ここでレースをしていくことでタイヤの方向性が見えてきますね。こちらで活動することで有力チームと複数年契約し、より多くのデータを積み上げてくることができていますが、難しいのは参戦ドライバーが毎年変わってしまうことでしょうか?
それとメルセデスベンツとポルシェではやはり要求されるタイヤも異なるんです。ポルシェはリアヘビーで、どうしてもリア
タイヤの重要性が増します。

しかしどのチームとも、大きなトラブルもなくいい関係を続けることができています。徐々に私たちのタイヤを理解してもらって、もっといい関係を作っていけたらいいかなと思います。そしてコツコツと毎戦現場に来てコミュニケーションを図ることで、お互いの信頼を築いているんだと思います。
 
YOKOHAMA TIRE ENGINEER
丹羽 正和
横浜ゴム株式会社
MST開発部 技術開発2グループ
課長補佐
 
ツーリングカー用のタイヤはニュルブルクリンクの北コース(ノルトシュライフェ)でいろいろなテストを行っています。
ヨーロッパでのレースはタイヤのワンメイクが非常に多いんですね。ですからタイヤテストが非常に少ない。したがってニュルを使って実際に走らせてみているんですが、ここでは他メーカーのタイヤとの比較ができるんです。勝つためのタイヤを作るというより、しっかりアップデートしていくという感じでしょうか。

ここで開発したタイヤは日本国内のスーパー耐久、そしてヨーロッパや東南アジアなど各国のツーリングカーレースに使用しています。
ニュルでのタイヤテストの前には基礎的な部分を作っておいて、ここでスペックを絞り込むという作業を行います。本当は日本国内でテストを行った方がスタッフも大勢来られますしスピードも速くなると思います。ただサーキットを貸し切りで使う必要が生じるなど、経費が多く掛かってしまいます。それに需要はヨーロッパの方が多いので、このニュルブルクリンクは非常に便利で重要なコースだと思います。

テスト、そして耐久レースに参戦してみて感じることですが、やはり実際にクルマを見ないとタイヤは作れませんね。
合わせ込みというのは、実際に私たちが現場に出向いて行わないとと思います。チームからさまざまなインフォメーションをいただき、そしてこちらからも意見を出し合って、実際に話を聞いて作っていくことだと思います。地味かもしれませんが非常に重要な仕事です。
過酷な戦いの舞台で鍛え、性能を磨き上げられていくヨコハマタイヤ。ニュルブルクリンクという世界有数のコース、そこに経験豊富なエンジニアが携わって、ヨコハマタイヤは留まることのない進化をこれからも続けていきます。
[UPDATE : 22.Jun.2012]
       
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