GTレースでタイヤに求められるのはまず耐久性、そしてハンドリング性能です。ニュルブルクリンクはそれを一度に評価できるサーキットだと思います。
ここで良好な結果が出た仕様は、ヨーロッパのレースでほぼ同じ結果を生み出します。
逆のパターン、他のサーキットで良い結果が出たからと言ってニュルに持ち込んでも結果につながらないことはよくあることです。
ですからニュルブルクリンクがタイヤ作りのベンチマークになっています。ここのデータを元に作ったタイヤはオールマイティなのです。
昨年はドイツのADAC GT-Masters、ここニュルブルクリンクのVLNシリーズ、そしてニュルブルクリンク24時間レースに参戦しました。今年は少し活動の場を広げてヨーロッパを転戦するブランパン耐久シリーズとニュルブルクリンク24時間で活動をしています。
ここでレースをしていくことでタイヤの方向性が見えてきますね。こちらで活動することで有力チームと複数年契約し、より多くのデータを積み上げてくることができていますが、難しいのは参戦ドライバーが毎年変わってしまうことでしょうか?
それとメルセデスベンツとポルシェではやはり要求されるタイヤも異なるんです。ポルシェはリアヘビーで、どうしてもリア
タイヤの重要性が増します。
しかしどのチームとも、大きなトラブルもなくいい関係を続けることができています。徐々に私たちのタイヤを理解してもらって、もっといい関係を作っていけたらいいかなと思います。そしてコツコツと毎戦現場に来てコミュニケーションを図ることで、お互いの信頼を築いているんだと思います。