1927年、第一次世界大戦後の失業者対策として建設されたニュルブルクリンク。当時は約22.8kmのノルトシュライフェと約7.7kmのズートシュライフェ(南周回路)、ふたつのコースを持つサーキットだった。
オープンしてすぐにグランプリレース(現在のF1に相当)が開催され、ニュルブルクリンクはドイツを代表するグランプリコースとなった。
F1がニュルを去ったのは1977年。ニキ・ラウダ選手のドライブするフェラーリが炎上事故を起こし、それ以降ノルトシュライフェでのフォーミュラカーレースは開催されなくなった。
1980年代にグランプリコースと近代的なピットが建設され、F1グランプリはニュルブルクリンクに戻って来たが、使用するコースはグランプリコースだけだ。なおズートシュライフェの一部は現在は一般道として使用されている。
ノルトシュライフェは300mもの標高差があり、カーブは200ともそれ以上とも言われるほどの山岳コース。まるで芦ノ湖スカイラインを一方通行にしたようなサーキットだ。
さらに横のブラインドコーナーはもちろん、縦のブラインドコーナーもあり、車両が宙に浮くジャンピングポイントもあれば、バンクのついたコーナーも2つある。路面状況は場所によって変化し、何よりコース長が長くコース全体が広いため、場所によって天候まで変わってしまうほどで、晴れたピットに濡れた車両が戻って来ることもよくあること。
また一日の中でも天候が変わりやすく、朝にザッとにわか雨に見舞われたかと思うと、大きなヒョウが音を立てて落ちて来て落雷……。やがて雲は去り、夕方には晴れてしまうといった天候は、ニュルでは日常なのだ。
なお、ニュルブルクリンクを実際に訪れたことがある方ならお分かりかと思うが、コースサイドには多くのヨコハマタイヤの看板を目にすることができる。これは2007年から設置されているもので、さらにグランプリコースの第1コーナーは「YOKOHAMA-S」、バックストレート側のベンドは「ADVAN
Bogen」というコーナー名称がつけられている。