ロータス・2-ELEVENは、ナンバーのついている市販車ベースのレーシングカーといっても、重量はとても軽いですし、エンジンパワーもありますから、いわゆるプロダクションカーなどよりもフォーミュラに近いような独特の印象があります。
このマシンを乗りこなすポイントは、荷重移動に尽きますね。2-ELEVENに限らず、ロータスは動きにあわせてアンダーステアだったりオーバーステアだったりと自分で動きを積極的に作っていくことが出来ます。
さらに装着しているヨコハマのタイヤはマイルドな特性を持っていることもあり、仮に多少の無茶をしてドライビングミスを犯してしまったとしても、これをマシンとタイヤが補ってくれるのでとてもドライビングの練習になるんですね。
ドライバーにとって、Lotus Cup JAPANはものすごくスキルアップにつながるレースです。車の挙動は素直ですし、バランスもしっかり取れていますし。2-ELEVENやエリーゼできちんと走り方をマスターすれば、その後にパワーのある車に乗ったとしても、そんなに苦労しないで乗りこなせると思いますよ。
今回(第2戦)の舞台となった富士スピードウェイですが、まず1コーナーはしっかりブレーキで止めなければいけません。しかし、そうかと思うとAコーナーや100Rなどのようにアクセルコントロールだけで曲がっていくところもありますし、コース全体でまんべんなくドライビングテクニックを駆使しなければタイムの出せないコースです。
特にロータスのようなミッドシップ・レイアウトの場合は、アクセルワークについて“離してもいけないし、踏んでもいけない”というシビアなシチュエーションもあって、攻略の肝になりますね。ここはFFやFRというフロントにエンジンを置く車とは違ってくる部分ですね。
ロータスは挙動が素直で明確ですから、自分がやったことに対して確実に車に変化が生じます。だから、「これは、やってはいけないんだ」とか、「こうすれば良かったんだ」というポイントがとても分かりやすい。これがスキルアップにつながる大きな特徴となっています。
Lotus Cup JAPANは僕自身も好きで、頻繁に出場させてもらっています。経験を問わずどんなドライバーが出場しても、必ず「もう一回出たい」と言いますから、本当に面白いレースです。初心に戻れるというか、基礎をもう一度自分の中でしっかり考え直すには、本当に最適なレースです。