CUSCO WORLD RALLY TEAMは柳澤選手、炭山裕矢選手というキャロッセ社員ドライバーの二人、さらに2010年には期待の若手・番場彬選手が加わって、それぞれが大いに活躍を見せた。
三人の中では“長男格”にあたる柳澤選手に、まずは炭山選手について聞いてみた。
「裕矢(炭山選手)もずいぶんと経験を積むことで速くなっています。裕矢とは運転のスタイルが結構違うんですよ。それはロガーなんかで解析して、お互いに足りないところを補ったりしています。『こういう運転のスタイルでロガーにこう出ているんだったら、どんな風にしたら良いか』なんていう感じです。
セッティングも当然二人の間では違うんですが、一人のドライバーだけでやっていると、いいのか悪いのかが判らなくなったりするこいともあります。でも今は僕と裕矢の2台がいるので、ポンとセッティングを変えても、片方が良くなってもう一方はそんなに良くなければ、セッティング以外の要因に何かあるのかという目星もつけられます。
例えばデフのセッティングを変えたら、運転のスタイルにデフが合っていなかったということだけじゃなくて、その時の互いの足の仕様はどうだったのかとか、いろいろな分析が出来るんですね。競技本番でもゼッケンが近いところにいることが多いので、同じような路面を走ってのデータ採りが出来ますし。
ドライビングでもセッティングでも、お互いに良い刺激になっている部分がありますね」
続いては成長著しい番場選手について。
「番場については、一年やってみて“きっちり走っている”という印象です。車をきちんとゴールまで運ぶということに対しては評価できますよね。完走しようと思っても、そこそこのペースでゴールに車を持っていくというのは難しいものです。彼の場合は全戦完走していますし、北海道にしてもチャイナにしても成績を残しているんで、大いに評価しています。
彼も伸びてきていて、これからが楽しみです」
三人のドライバーが互いに切磋琢磨をしてきたCUSCO WORLD RALLY TEAM。その強さの秘訣を、ドライバーの立場から柳澤選手は最後に次のようにまとめた。
「僕に限らず、裕矢も番場も三人で互いに良いところを吸収して、っていうのが活きていると思います。レベル的に低い人だったら別の話になりますが、ある程度しっかり走れる人間であれば必ず自分より優れているところを持っていると思います。その走りなんかを見て自分も何かに気がつくことができる。この環境はとても良いと思いますよ」
2011年は新たなチャレンジをスタートさせることも発表したCUSCO WORLD RALLY TEAM。多くのラリーファンに期待も背負ってのチャレンジでは、これまで以上の活躍を見せてくれることだろう。