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2010年は欧州を主戦場にブラジル、モロッコ、日本と全11箇所、22ラ ウンドで行われている「FI
A世界ツーリングカー選手権(WTCC)」。最大の魅力は“サーキットの格闘技”と呼ばれるほどのマシンとマシンが激しくブ
ツかりあうバトル。接触が当たり前の非日常的、非常識的な戦いがサーキッ トで繰り広げられる。
管轄しているのはFIA(国際自動車連盟)でF1、WRC、GT1 と並ぶモータースポーツの頂点に位置している。
初めて観戦する人にとって はレースに対するイメージが覆されるかもしれない。
テクニックよりも“気持ち”。隙間が無ければ自分でこじ開ける。油断す れば後ろから突かれ弾き出される。前後左右を囲まれてしまえば波に乗り続けるか、自分で壊すしかない。少しでも迷えば車ごと身も心もレースの
外へと弾かれてしまう。弱気な男は最後まで走ることも不可能だ。
ドライバーの皮を被った狼達のガチンコバトル。
元F1ドライバーや世界 トップクラスのドライバーが狼に豹変してバトルを繰り広げる。一点突破を狙う狼たちの闘志剥き出しのバトルが10月30
.31日、岡山国際サーキッ トに上陸。
熱さや興奮を味わいたければ岡山国際サーキットに行くしかない。WTCC日本ラウンドがいよいよ始まる。
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−WTCC日本ラウンド参戦が決まりました。心境を教えて下さい。
谷口信輝 選手 (以下、谷口(信)選手)
「昨年がWTCC初参戦でしたが、僕の力でどこまで太刀打ちできるかブツけにいきましたが、あいにくの雨で、世界のトップドライバー達を相手にすることなく終わってしまったので、昨年の不完全燃焼を今年はリベンジする気持ちで燃えています」
柳田真孝 選手 (以下、柳田選手)
「3年前からWTCCは興味があったレースでしたので、参戦できることに感謝の気持ちでいっぱいです。久しぶりに海外ドライバーと世界選手権の中で戦えることに期待や、今の自分がどの辺にいるのかっていう楽しみが一番大きいですね。
不安も少しありますが、基本的には凄く楽しみで、やってやろうって気持ちが強いですね」
−WTCCの魅力を教えて頂けますか。
谷口(信) 選手
「レースというよりも、車の格闘技と言えるくらいの激しいレースですね。
日本のレースだと技術は凄いですが、どちらかというとレースがクリーンなんですね。軽いタッチはありますが、激しくブツかったりはしない。でもWTCCは、軽いタッチがずっとで、激しいタッチも多数あり、ほとんど車と車が引っ付いた状態で走ってる感じです。
観る人には最高のレースだと思いますよ。やってる方は、かなり気持ちで負けないようにしないと、すぐにのまれちゃいます」
−走るマシンは市販車をベースにしていますよね?
谷口(信) 選手
「そうですね。車は皆さんがよく目にしているBMWとか、改造している感じも日本のGTは完全に『レーシングカー!』みたいになっていますが、WTCCの見た目はノーマルな感じです。
さほど車が速いわけではないのですが、その分ドライバーの技術は高いし、日本ではあり得ないくらいに戦闘的な人ばっかり(笑)。もう車間距離が前後左右、ぐっちゃぐちゃですよ」
柳田 選手
「僕そこに出るのかと思うとゾッとしますよ(笑)。僕まともなので」
−初参戦となる柳田さんのWTCCのイメージは?
柳田 選手
「基本的にレーシングドライバーは負けず嫌いばかりだけど、度を超えた人がWTCCに出ているっていうイメージがありますね。僕も映像でしか見たことはないですが、レースの内容は常に接近戦で、どこかで争ってるイメージですね。
それと岡山に是非、来てほしいのは他のサーキットと比べるとコースサイドから観客席が比較的近いので、バトルを自分の目前、至近距離で見られるっていうのは、なかなかありませんので、生で観てもらいたいですね」
−憧れや尊敬しているドライバーや人物はいますか?
柳田 選手
「僕は人として父親が大好きなので、尊敬する人は父親なのですが、レーサーとしての父親については色々な人から話を聞いているだけですね」
谷口(信) 選手
「レース界では年長組に入っているので、僕が憧れている人は、あまりいないですね。ただ、ドリフト出身ということで、無い道を開拓してきた土屋圭市さんが僕の中では偉大な人だなと思います。
WTCCではアンディ・プリオール選手ですね。僕の中でのレーサー像の鏡みたいな人だなって。ファンサービスもしっかりやりますし、色々なドライバーに好かれていて、アホかっていうようなブチ切れた走りもするし、成績も残すし。
車を降りれば優等生、乗ってる時はとってもアグレッシブで格好良い走りをするから俺の中でプリオール選手は格好良いなって思いますね」
−ちなみにWTCCでこの人の走りに注目すると良いって人はいますか?
谷口(信) 選手
「日本ラウンドで言えば谷口信輝ですね(笑)。
今回の日本ラウンドには谷口が2人参戦しますからね。谷口ツインズで応援してもらえればと」
柳田 選手
「元F1ドライバーのティアゴ・モンテイロ選手ですね。欧州で彼は上のクラスで、スター選手的な感じでした。彼女も可愛いし(笑)。10代だった僕は憧れの目で見ていた感じですね。そういう憧れを持ったドライバーと走れるのが今回は楽しみです」
谷口(信) 選手
「イヴァン・ミューラー選手。あの人も捨てがたいですね、いつも1位2位で」
−最後に、ファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
谷口(信) 選手
「今年で2度目のチャレンジですが、昨年のうっ憤が相当たまっていますので、空回りしないように頑張ります。
とにかく今年は結果に繋げたいですね。日本のファンの皆さんや今回チャンスを頂いている横浜ゴムに結果で恩返しがしたいなと思います」
柳田 選手
「僕は当たって砕けろの気持ちでいきたいなと思っています。本当に砕けるとは思うのですが(笑)。精一杯、自分の力を出し切れるように頑張っていきたいと思います。
生で観るのが一番だと思いますので、ぜひ会場に足を運んでいただきたいと思います」
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−今回2年ぶり2度目となる日本ラウンドへの参戦が決まりましたが、今の心境をお聞かせ下さい。
「(WTCC参戦は)一昨年は少し様子も分からず、ドタバタしてる間に終わっちゃった感じはあって、今回はしっかり自分らしいレースができれば良いなと思っています」
−レース活動をされるようになったのは何故ですか?
「おっと、それはちょっと長い話になるなぁ(笑)。
元々は山田英二さんの運転の助手席に乗るチャンスがあって、そこでこんな運転ができるようになりたいなと思ったのがきっかけなんですけれども、やっぱり限界の領域を超えたところをコントロールする楽しさっていうところに強く惹かれて、レースをやるところまできましたね」
−様々なカテゴリーに参戦経験がありますが、これまでに印象に残ってるレースや出来事はありますか?
「スーパー耐久はチームのおかげでたくさん勝たせてもらい、凄く良い経験になりました。
毎回毎回、結構全力を出して走るようにしているので毎回1つ前のレースが一番印象に残っていますけど、次はもうちょっと、次はもうちょっとっていう感じで少しずつ良い走りができるようになれば良いかなと思います」
−WTCCの魅力について教えてください。
「やっぱり、車同士のコンタクトというか、フェアな領域で車が接触したりしながらも、それでも突然ペースが落ちたりとかもせずに、バトルをしていてもペースがあまり下がっていないところが一番凄いところだと思います。
スタート直後の第1コーナーに関しては、もうみんな一か八か行ってる感があって、それがやっぱり見てる人に伝わるのがいいんじゃないですかね」
−小さい頃に憧れていた人はいますか?
「小さい頃は、発明など変わったものを考えたりするのが好きで、レオナルド・ダ・ビンチや平賀源内、あとエジソンなどが凄いなと思ってましたね」
−なるほど。そういった発明とかが好きだってことですか?
「なんでですかねぇ・・・(笑)。まあ理由は人を驚かせたり、喜ばせたりするのが好きってことだと思います」
−今度乗るラセッティについて何かイメージしていることはありますか?
「FF(前輪駆動)ということ以外は特にないですね。FFをここのところずっと乗っていますので、FFの方が思い切っていけるかなと」
−2年前はアコードでの参戦でした。シビックとアコードの違いを教えて頂けますか。
「ワンメイクのシビックは改造範囲が凄く狭いのですが、アコードはかなり足回りとかもダブルウィッシュボーン式サスペンションだったり、アンチノーズダイブフォークだったりと色々な先進テクノロジーが入っているので、速いっていう感覚はありましたね」
−乗ってて楽しいのはどちらですか?
「どっちも楽しいですよ」
−ちなみにWTCCでライバルだと思っている選手は誰ですか?
「ライバルですか? チームメイトのダリル・オーヤン選手が先日のインディペンデントで優勝しているので、色々と勉強させてもらえればなと思います」
−最後にWTCCの日本戦に向けてファンへのメッセージをお願いします。
「岡山の前に、ドイツ、スペインと2イベントに参戦しますので、その辺りである程度、車などの状況を掴み、日本ではできるだけホームグラウンドらしい勝負ができるように頑張りたいです」
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