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チューニングカーによるタイムアタック世界最速王決定戦「ワールドタイムアタックチャレンジ(WTAC)」は5月20日、オーストラリア・シドニーのイースタンクリーク・レースウェイで初日を迎えた。
22日まで3日間にわたり行われるこのイベントは、初日が練習日。続く2日間で各クラス別にタイムアタックを行うという日程。南半球のため季節は秋、朝晩は気温が下がりタイムアタックには申し分のないコースコンディションとなった。

初の世界大会ということで、地元オーストラリア勢に加えて日本から4台の、アメリカから1台のマシンが参戦。
とりわけ大きな注目を集めたのは日本からエントリーした2台の4WD(4輪駆動車)である。東名パワード/クスコ・インプレッサと、サイバーエボ・ランサーエボリューション。
いずれも日本だけでなく世界中の大会で最速タイムを刻んできたマシンであり、今回のWTACでも優勝が期待される。ドライバーは2台とも山田英二選手が担当し、足もとにはADVAN A050を履く。

迎え撃つはオーストラリア最速を競うチルトンインテリアズ・ランサーエボリューションと、ハイオクタン・レーシングR34スカイラインGT-Rの2台。
いずれもADVAN A050のユーザーであり、オーストラリアでは高い評価を得ているチューナーたちだ。

日本勢のマシンはアウェイでの戦い、そして日本とは質が異なる供給燃料というハンデを負い序盤苦戦した。
東名パワード/クスコ・インプレッサは練習日にエンジンと駆動系に問題が生じ、サイバーエボ・ランサーエボリューションはカムシャフトが折れるという危機的なトラブルに見舞われる。
しかしながら、両車ともチームスタッフの献身的な努力、そして本来はライバルであるはずの地元勢のサポートにより何とか出走を果たした。

タイムアタック本戦では東名パワード/クスコ・インプレッサが高いハンドリング性能を生かして1分31秒901という好タイムをマーク。しかしながら、アメリカから遠征してきたシエラシエラ・ランサーエボリューションの1分31秒884には届かない。
そのような状況で日本の期待を一身に背負い、シエラシエラを1秒297も上まわる最速タイムを刻んだのはサイバーエボ・ランサーエボリューションだった。エンジントラブルを克服し、本調子ではない状態ながらライバルを寄せ付けないツーリングカーのコースレコードをマーク。
その劇的な、そして堂々たる勝利には観客だけでなくライバルチームからも惜しみない拍手が送られた。

2位はシエラシエラ・ランサーエボリューション、3位は東名パワード/クスコ・インプレッサと4WD勢が優位性を証明する結果に。ハイオクタン・レーシングのR34GT-Rは7位、チルトンインテリアズ・ランサーエボリューションは9位と善戦し、第1回WTAC は幕を閉じた。
 
 
初開催となった2010年のWTACに横浜ゴムはADVANブランドとして大会のスポンサードを行った。その理由についてヨコハマタイヤ・オーストラリアのオペレーション・グループマネージャーである加納達也は次のように語る。
イベントのCEOであるイアン・ベイカー氏の「チューニングカーによる世界最速決定戦を行い、若い人々にクルマやチューニングの楽しさを知ってもらいたい」というコンセプトに共感しました。

世界最高レベルのチューナーやドライバーが一堂に会する状況で、タイヤがいかに重要なパーツであるかをユーザーの方々に知ってもらい、またADVANというブランドを理解していただけると考えたのです。他のメーカーのタイヤを装着したクルマが参加することに関してはとくに問題に感じません。参加者の間口を狭めたくはないし、レースと同様、競争によって得られるフィードバックも非常に有効ですから。

さらに、『現地の声』を日本の横浜ゴムに伝えるキッカケにもなります。
このようなイベントを通して世界中のチューナーが交流を深め、タイヤを含めたアフターパーツマーケットが活性化することを願っています。
 
   
 
           
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