-特に気をつけているという、ターン4から先について教えてください
オリベイラ選手 :
ターン4でしっかりブレーキが踏めてクルマをターンさせることができれば、ハイスピードを維持したまま次のS字に入っていける。S字はクルマのエアロバランスが一番はっきり表れるところで、空力次第でどこまでもいけると思うよ。
レース中についていえば、アンダーステアだったりバランスの悪いクルマだと、ここでプッシュしていくとタイヤを壊していくようになるので、レース中にタイヤを傷めるかどうかはここにかかっているといってもいいね。
安田選手 :
たしかに、ここのS字。僕、初めてGT500でセパンを走った時、アクセルを抜いたらダウンフォースが抜けて、コースアウトしちゃったんですよね。
GT300って、それほどクルマ自体にダウンフォースもないんだけど、GT500だとスピードも上がってダウンフォースも格段に増えて、そこでバンッていきなりアクセルオフしちゃったから。
ホントはゆっくりアクセルを空けていかなきゃいけなかったんですね。GT300の時にはアクセルはフルオフしていました。
−セパンはグランドスタンドを挟んで2つのストレートがありますが、ここは重要ですか?
安田選手 :
2本とも結構ロングストレートですよね。バトルはやっぱり、ここに入るターン14と最終コーナーが多いかな。
オリベイラ選手 :
確かにここはオーバーテイクポイント。最終コーナーに入るストレートは特にチャンスを狙えるところだと思うよ。
特に、前のマシンを抜こうとするときは、ここでGT300のトラフィックがあったりするとオーバーテイクのチャンスが増えるね。
安田選手 :
そうそう。逆に自分が前に出ている時は、ここでGT300に引っ掛かったらすごいストレス。みんなインサイドに固まってるからね。かといってアウトサイドはタイヤかすがいっぱいでグリップしないし。
−いかにGT300に引っ掛からずに走れるかというのも、GT500にとっては重要ですね。レース中は、GT300の集団がどこにいるかというのも考えているんですよね。
安田選手 :
そうですね。ここで引っ掛かると損をするから、上手く切り抜けられるようにとか、後ろの車には邪魔になるように抜いていこうとか、集団に追いつく前から考えてますね。
でもいきなり変なところで3台とか4台並んでいる時とかは困ります。ドライバーによってGT300も動きが違ったりしますから。それは普段から頭の中に入れておかないと危ないですね。
それと、さっきも言ったけど、タイヤかす。ライン外に出てタイヤかすを拾ってしまうと、いっきにタイムが落ちますからね。モニターを見てても、最終コーナーのダスティな感じは良く分かるでしょ。S字も、アウトから抜いていこうとしたらすごいことになると思う(苦笑)。たぶん、いなくなっちゃう。
タイヤかすとGT300との絡みっていうのが結構難しいですね。レースの最後の方はタイヤかすだらけで真っ黒だから、気が抜けない。たとえぶっちぎりでトップを走っていても、「GT300がいるなぁ、アウト側から抜いていこうか」なんて気楽に考えていたらコースアウトする。ちょっと辛抱して待ってでも自分のラインを守らないと。