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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.83 News Index
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―今年は、RE雨宮レーシングが「タイヤ無交換作戦」で成功をおさめました。
  この作戦がGT300チームの間に広まり、各チーム次々とタイヤ無交換へのトライを始めました。
  #2「アップル・K-one・紫電」や#19「ウェッズスポーツIS350」も、最終戦には無交換にトライ。


渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「あのとき、(19号車が)ピットが隣だったじゃないですか。ちょうどのタイミングで19号車が先に入ってきちゃうから、『やばいよ、うちはタイヤ無交換で稼ごうと思っているのに、ここでバッティングしちゃうよー』と思ってたら、坂東さんのところも無交換だったから、全然バッティングしないで、スムーズに出て行けたんですよね。『あれぇ!?』って」


―さまざまなチームが無交換という作戦の可能性を追求していきました。
  その中で先陣を切ったRE雨宮レーシングは、最終戦では4本交換でレースを戦いました。


河野高男さん (RE雨宮レーシング)
「結果的にタイヤ交換をした方がいいから交換するんであって、最後のもてぎの短いレースでは、交換してもしなくてもラップペースが変わらないんであれば、当然(交換しない)ね。
ホントは無交換でいけるんであれば、オートポリスももてぎもウチは無交換で行くべきなんだろうけど、トータルで考えて、このレースはタイヤ交換した方がいいとか、しない方がいいとか、そうやって決めるんですよ」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「毎ラップをプッシュプッシュで攻めて、(レース周回数の)真ん中で区切って、タイヤ交換して新品タイヤでまた速く走るっていう作戦の考え方もあるし、一方で、給油時間が長いからっていうのもありますが、最初から最後までタイムの落ちを少なく、常に同じようなコンスタントに走るという作戦もある。そういう作戦を取れるタイヤというのも、性能持続という意味ではいいタイヤなのではないかと思いますね」


―時にレースの勝敗をも握るピット作業ですが、マシンによって、給油時間やタイヤ交換のタイムはさまざまです。

河野高男さん (RE雨宮レーシング)
「(タイヤ交換に)13秒から15秒ぐらいでしょうかね。MOLAさんが一番早いと思いますけど、11〜12秒でしょ。で、だいたい給油が8秒ぐらいだから・・・、上げて下ろしてっていう作業も含めて22秒ぐらい。
速いよね〜。ウチなんか、給油だけだってMOLAさんより遅いよ」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「第2戦の鈴鹿だって、MOLAは4本交換して給油して24秒、RE雨宮はタイヤ無交換でドライバー交代と給油で25秒でしたもんね。
燃費っていう差もあるし、タイヤ交換が遅いとかっていうことではないと思うんですけど」

大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「それら全部をひっくるめて車のキャラクターなんです。
ウチは逆にいえば300kmを、高いラップタイムを維持して走ることができない車であるのは事実ですよね。だけどそこは求めてないからね。そこを求めても相対的に上に行けないというのは分かっているので、それは求めない。
みんな、十何台かの1番上に行こうと思ってやってるだけで、一人で走ってて、自分のタイムを上げようなんて誰も考えてないでしょう。相対的に、最後に一番上にいたいっていうことを考えると、(タイヤを)変えなかったりとか、いろんなことをやってくるんですね。
ウチも何回も真似しようとしたけどね、どう考えても真似できないって分かったから、違う作戦で上に行こうといろいろやったんです」

福田洋介さん (JIM GAINER)
「持ち込みセットが安定しないと、タイヤのライフが全然見えないということもありますしね。それで、そういう(タイヤ無交換という)作戦が否めないっていうのもありますね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「今年は特に、2デー開催でしたからね」


―タイヤ無交換という作戦は、チームはもちろんタイヤにとっても厳しい作戦です。
  ですが、だからこそやりがいがあるというのもまた事実。


石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「基本的な考え方として、たかが300kmなんです。タイヤ摩耗、ライフだけを考えれば、どのクルマも300km無交換でいけるんです。
ただ、その300kmを走る間に、摩耗ではないタイヤの性能低下、タイヤ疲労というものが車によって違うので、摩耗ではないタイヤパフォーマンスが落ちてしまう。だからタイヤ交換をするチームがいるんですね。
コンパウンドが減ってしまうというわけではないので、ゴムだけを変えればいいという問題ではないですが、タイヤ全体として、そういった性能低下抑制を進め、いろいろな車がそういう作戦を選べるよう、これからもタイヤ開発を進めていくつもりです」
 
 
―新しい作戦、熾烈なチャンピオン争い、ダブルタイトルの獲得。
  2009年のGT300はADVANタイヤユーザーが話題を独占したシーズンでした。


坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「去年タイトルを獲れましたが、今年はまた初心に戻って一から頑張りたいですね。
ここにいる皆さんとチャンピオン争いができて、欲を言えば、その中で2連覇したい。そこを目指して頑張ります。
って、言うだけはタダなんで、連覇と言ってみました」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「うちは幸い、紫電がデビューしてからすべての年でチャンピオンシップを争えてるんですよね。去年はイマイチでしたけど、今年はいい形で終われるように頑張りたいです。
きっと、ここにいるチームの皆さんと争うようになると思っています」


―昨年の新年会で「チャンピオン宣言」をした河野さんは、いかがでしょうか?

河野高男さん (RE雨宮レーシング)
「去年みたいにデカイこと言っちゃうとねぇ・・・。
抑え気味に行こうかなと思ったけど、まぁマサが言ったとおり、言うのはタダなんでね。今年も、できればチャンピオン争いができるように。最終戦にまた、他のチームに『あのチーム強かったね』って言われるような戦い方をしたいですね」


―2009年を上り調子で終えた河瀬さん。
  その口からは「主役になりたい」という言葉が飛び出しました。


河瀬和弘さん (TEAM DAISHIN)
「結局いつも、自分のところでチャンピオンを獲れなくて、よそに獲られていってしまいますから・・・」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「でも去年、優勝回数とポールの回数は一番ですからね」

河瀬和弘さん (TEAM DAISHIN)
「それを、最終的にシリーズにしっかりと反映できるように頑張りたいですね。それと、またここで、みなさんと顔を合わせられるように、それも、脇役じゃなくて主役になれるようにね、頑張ります」

福田洋介さん (JIM GAINER)
「うちもまだ何も発表できる段階じゃないですが、頑張りたいですね」


―2009シーズン、マシンの熟成に終始した片山さんと澤田さんもレースで主役になれる瞬間を狙います。

片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「去年、なんとかレースっぽいことができるようにはなりまして、石黒さんの顔も見れるようになったんでね(笑)。
一応GTレベルにはなったと思うので、来年はもっと良くなればなと思います」

澤田稔さん(R&D SPORT)
「来年のこの場で、抱負を語れるぐらいの楽しいレースがしたいですね。
今年はきちっとクルマを進化させて、皆さんのチャンピオン争いを荒らせるような、楽しいレースがしたいです」


―今年の抱負、トリを飾ったのは大駅さん。

大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「皆さんも言われていますが、うちも今年の抱負は、(来年の)この場にいられることですね。
レースはやり続けないといけないなって言うのは感じていますし、GT300っていうカテゴリーにはそういう位置づけがあると思っています。
その中で続けていけるように、それで最終的に、ここで皆さんとまたお会いできるように、頑張ります」



和やかな雰囲気のうちに、第2回新年会は終了しました。
多種多様のマシンがしのぎを削るGT300クラス。今回お集まりいただいた8人の方々はもちろん、すべてのADVANユーザーの皆さんが、その頂点を目指しています。

勝利にかける情熱と、「他よりも速く」という思いの積み重ねで実現してきたマシンの進化。それらすべてがまた、ADVANレーシングタイヤの進化を支えてくれてもいます。

RACING PRJECT BANDOHが宣言どおり連覇を達成するのか、あるいは他の7チームがRP BANDOHに待ったをかけるのか。
きっと来年の新年会の場にも、ユーザーの中のどこかのチームが獲得したチャンピオントロフィーが輝いているはずです。
皆さんのタイトルの思いを受け、今シーズンもADVANレーシングタイヤはGT300クラスの足元を支えていきます。
         
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