坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「開幕戦は、棚からボタモチというか、棚が落ちてきたというか(笑)。運が良かったという部分もありますよね。
僕がベストレースだと思うのは、最終戦のもてぎと、第5戦のSUGO。
SUGOでは、いち早くピットに入ってスリックタイヤに替えた、あのタイミングが良かったかなと。あのレースでは表彰台には届きませんでしたけど、うちとMOLAさんは全戦ポイントを獲れたので、チャンピオン獲得についてはそれがすごく大きかったかな〜と思いますね。
もてぎは、いかんせん予選で苦労するかなと思っていたんですが、片岡龍也選手が頑張ってくれたので3番手からスタートできたのと、タイヤが良かったんですよ。
RX-7のマネをしてタイヤ無交換で行ったんですが、非常にタイヤのパフォーマンスが良かった。タイヤ代も少し安くなって、経費も若干浮いたかな(笑)。
流れが来たなというレースは、特にはないですね。毎戦、結構ギリギリのところでやっていたんで。オートポリスでは、とあるドライバーがスピンしたりなんかして(苦笑)。ちょっと余裕があったのかなとも思いましたけど。
まぁ、毎戦毎戦、メカニックが頑張ってくれたっていうのがあるのと、なんといってもタイヤが良かったですね。開幕戦でも、雨で勝てたっていうのがすごく嬉しかったですよ」
石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「さっきは棚ボタだって言ってたじゃない(笑)」
坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「あっ、いやいや違う違う(汗)。他のメーカーよりも素晴らしいタイヤを作ってくれた、ヨコハマさんのあのタイヤのおかげですよ。
最終戦も、気温と路面温度のバッチリ合ったタイヤと、すごくタイヤに助けられた1年でしたね。
あと、最終戦で隣のガレージの中春さんが、RX-7より前でゴールしてくれたので、チャンピオンを獲れたのは中春さんのおかげでもあります」
―お次は、第8戦オートポリスで初ポイントを獲得したStudie GLAD Racingの片山さん。
「えー、チャンピオンの次に来ちゃうの?」と順番に不満げながらも、苦労に苦労を重ねた1年を振り返っていただきました。
片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「速くなった理由?僕がすごいんですよ(一同爆笑)。
まぁ、途中から乗った番場琢選手が良かったっていうのはありますね。ポイントも獲れましたから」
石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「鈴鹿700kmのノックダウン予選では、絶対に2回目まで来ると思ったんですけどねぇ……」
片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「ちょっと足んなかったねぇ。あの車、もう、あり得ないぐらいの改造をしたんですよ。808号車は、女のコ(レースクィーン)は注目されていたけれど車的にはあまり注目されていなかったんで、何でもできちゃったというか。
エンジン変えて、ギアボックス変えて、足回りも変えて。鈴鹿は、それら全部をやり替えた状態で臨んだんですよ。もう大変でしたよ。去年は2回ぐらいね、死にそうになった(苦笑)」
―片山さんのご苦労の末、速い車に仕上がったBMW Z4。番場選手も片山さんの努力に応えてタイムが出せたのでしょう。
チーム全員の力なくしては獲得できなかった、オートポリスでの1ポイントです。
続いては、夏の鈴鹿を見事2年連続で制覇した大駅さんです。
大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「鈴鹿はベストレースというわけではなかったですね。僕としては、ベストレースはそのあとの第7戦富士。リザルトは出てないですけど、ここの富士でやっと、本当にやっと、車らしくなったんです。
鈴鹿は、結果的には一番良かったですけどね。最後の数周で・・・、(渡邊さんに)すいませんでした。あの時はいろいろあったので、すごく効率のいい勝ち方ができたなと思っています」
渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「けっこう加藤さんて、乗ってるときは無線とかでもすごくアツイんですよ。普段はそういう感じしないですけど。
GT500クラス(の車両)に対してすごいこと言ってましたね、あの時は(苦笑)」
石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「鈴鹿は、確か第2戦でも表彰台でしたよね」
大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「そうですね。鈴鹿は何か、巡り合わせがいいんですよね。結果的に夏の鈴鹿耐久は2年連続で勝てているので、チーム的にはすごく、パフォーマンスを出せたなと思っています。
ただ、去年から全然クルマが変わっていないんでね、周りのクルマとは違ってこう、『やったな』っていう感じはないですね。
やっと合ってきたのが富士。これもね、石黒さんがいいタイヤを作ってくれたおかげですよね」
―続いては渡邊さん。
最後尾からスタートして優勝したセパンが印象的に残るアップル・K-one・紫電。
しかし、渡邊さんの挙げたベストレースは、なんと涙をのんだ鈴鹿でした。
渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「あのときは、直線スピードが極端に遅かったんですよ。で、それ以外で稼ごうということになって、ストレートスピードを無視したセットアップをしていたんで、結構速いところが違うんですよね。たしかに最後は残念でしたが、それでも、狙っていた順位よりははるかに上でした。
それよりも昨年は第2戦くらいから、極端な資金難に陥りまして(苦笑)。1年間続けられない可能性が出てきたんでね。そういう中で、何とか最後まで来れたっていうのがあるんですけど。車的には何も問題がなかったし、何よりもタイヤが良かった。そのタイヤの性能を生かしきれなかったのが残念です。
(優勝した)セパンはいろいろと運もあったし、ホントにタイヤが良かったんでね。もともとセパンとかオートポリスは車のバランスがいいのと、同じ車でずっとやってきているから、どういうタイヤを使えばいいとか、いろいろ分かっている部分があるというのも大きいと思うんですけどね。
ただ今年はいろいろなものが壊れちゃったりして、出鼻をくじかれた感じで。基本的には、負のスパイラルに陥った形で1年間終わってしまったという感じですね」