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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.83 News Index
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―第2回となったADVAN新年会。
  皆さんに09シーズンを振り返っていただいた後は、それぞれのドライバーについて聞いてみることに。
  まず坂東さんは、昨年移籍してきた片岡龍也選手が非常に戦力になったと振り返りました。


坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「GT500で優勝経験もあるドライバーですからね。あと、『絶対平中には負けない』っていうのと、『絶対マー(柳田)と(星野)一樹には負けない』という気持ちを常に持ってるんで。
もう一人のドライバーは『絶対谷口には負けたくない』って言って、最終戦は20mぐらい離されてしまってましたけどね(笑)。
でも、今年の2デー開催になってからは、織戸さんのような、ベテランドライバーのレースの進め方とかがすごくいい方向に動いたし、織戸さんはヨコハマタイヤというものを分かってくれていますから。
ドライバーに関しては、うちは文句なし、100点ですね」


―片山さんは、3人のドライバーと一緒に仕事をしてきました。
  その中でポイント獲得に大きく貢献したのは番場琢選手だったようです。


片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「車が車だっただけに、ドライバーの評価と言われても・・・、あまり答えようはないんですけどね。
ただ、番場くんの功績は大きいと思いますよ。彼と仕事ができたことで、鈴鹿での車が進化したっていう部分も、確かにありますからね」


―MOLAは、柳田真孝選手と星野一樹選手のコンビ。

大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「うちは、GT300というカテゴリーをドライバーズレースだと位置づけてレースをやっているので、ドライバーもそういった中でのチョイスをしてますが、マー(柳田真孝選手)と一樹(星野一樹選手)、100点満点だと思いますよ。」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「シーズン途中で、アタックドライバーが変わりましたよね」

大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「ウチはどちらのドライバーでもいけるんだぞっていうことですよ」


―「アップル・K-one・紫電」は昨シーズン途中でドライバーラインナップを変更。
  加藤寛規選手のパートナーとして吉本大樹選手が抜擢されました。


渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「吉本に初めて紫電に乗ってもらったのは一昨年の鈴鹿1000kmでしたが、その頃は『俺も速いところを見せたい』みたいな感じで、まぁドライバーだったら誰しもあることだと思うんですけどね。
それが今年に関しては、すみ分けがしっかりできていて、とにかく加藤さんが車を決めて、タイヤの使い方とかも決めて、自分はいかにレースのアベレージをいかに速く走るか、っていうことだけに終始してました。全面的にセットアップに関しては、完全に加藤さんと僕に一任されていて、本人は、たとえばセットアップに時間がかかってしまって、自分の乗る時間が減っていても、バランスさえ良ければきっちり走る自信があるって。
加藤さんは加藤さんで、長いこと乗ってもらっているっていうのもあって、基本的なセットアップから戦略、タイヤのチョイス、加藤さんが基軸になってやってますね。」
 
 
 
【TOPICS-2】 タイヤエンジニアから見たドライバー
石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ
「加藤寛規さんはすごく柔軟なドライバーで、今あるポテンシャルで最大限に速く走るっていうことが、やってることが簡単に見えるドライバー、谷口信輝さんもそうなんですけど、すごく柔軟なドライバーだと思うんですよ。
谷口さんとか加藤さん、平中克幸さんは、今あるもので最大限のものを出すというか。
ドライバーも、柔と剛があって、たとえば片岡龍也くんとか織戸学さんとか田中哲也さんとか星野一樹くんは、ものすごくパーフェクトにハマったときは、ものすごいパフォーマンスを出す"剛のドライバー"で、どこか一つでも不安要素があると、タイムにもほんのちょっと影響が出てきてしまったりとか。
その影響が少なく見える"柔のドライバー"と"剛のドライバー"がいて、100%への近づけ方がいろいろ違うんだなっていうのが、現場にいて思うことですね。
これはあくまでも、僕の個人的な主観ですが」
 
 
 
 
―さて、雨宮レーシングは3年目の折目遼選手と、古巣復帰の谷口信輝選手でシーズンを戦いました。

河野高男さん (RE雨宮レーシング)
「谷口は、他チームから見ても当然100点を取れるドライバーだし、戦略的にも協力してくれるドライバーなので、すごくやりやすいっていうのと、折目に関しては、今年は渡辺さんが言っていたとおりに、セカンドドライバーの乗る時間が全然少なくなっちゃっているので、どうしても彼の乗る時間が少なくなってしまうっていうも多々あったんです。
だけど悪いところはなるべく土曜日の午前中に出して、レース自体はちゃんとまとめてきてくれて、去年と比べれば今年は200%くらいパフォーマンスが上がったと思いますね。彼の成長度で今年のレースが良かったっていうのも事実ですから。
みなさん100%と言ってましたけれど、うちは2人とも100%以上の力を出してくれました。マシンが壊れて決勝に出られないというレースもあったんで、本来ドライバー的には嫌な思いをした時もあったと思うんですけど、最終的にもてぎでチャンピオン争いに絡めて・・・。
谷口が一番悔しがると思ったんですけどね。でも、頑張ってレースをしたことによって、たぶん、谷口も折目もすごく納得した1年を過ごしたと思うし、逆にいえば、今年はこの2人に、どんなことがあってもチャンピオン獲らせてあげたいなって思いますね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ
「何年か他チームで戦ってきた今年の谷口さんと以前の谷口さんと、変わったところ、進化したところ、年齢が出ちゃってるなっていうところはありましたか?」

河野高男さん (RE雨宮レーシング)
「'02年、'03年とGTに初めて谷口が出たレースがうちだったんですが、その当時から、うまさも速さもありました。今も変わらずうまくて速いドライバーなんですけれども、全体的な部分を見られるようになって、ホントに大人になってきたということでしょうね。
それは坂東商会で成長してきたところでしょうし、R&D SPORTと一緒にやってきて身についたところでもあるでしょうし、いろんなところでいろんな勉強をしてきて、すごく成長しています。
年齢的に運転手は落ちてくる部分があると思うんですけれども、彼の場合はまだたぶん何年も今のままで行けると思うし、やっぱり人一倍努力しているし人一倍考えてますね。
やっぱりどのドライバーも、自分の運転スタイルを持ってると思うんですけど、その引き出しがたぶんすごく多いドライバーだと思います。予選中のラインだとか、スーパーラップのラインでも極端に換えてくることがあるんですね。そういう部分において、路面コンディションだとか、そういった状況によっていろんなことを考えてくる。
折目が200%って言いましたけど、谷口も、他のチームでの勉強の仕方がすごく良くて、200%以上の力でまた戻ってきてくれたっていうことですね。」


―福田さんは、他の皆さんと違いちょっと辛口な評価。

福田洋介さん (JIM GAINER)
「じゃぁ僕はちょっと皆さんと違うこと言いましょうかね。
まず平中君、うちに初登場の時に、えらく静かに、存在感なく登場しましたね。
しばらくすると変わってきたんですけどね。いじるとだいぶ違いますね。最近はウチの工場に遊びに来ると、いたずらして回ったりだとか。とにかくいたずらばっかりしてます。
ただ、勝ったときのインタビューは・・・。『ホントに勝ったのか?』っていうぐらいあのコメントの少なさはチョット(苦笑)」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「それ、片岡も同じだよね? あの年代ってみんなドライなのかな?」

坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「片岡はそんなことないよ。あれは、ちゃんとコメント考えてるんだけど、忘れちゃうの(笑)。で、後で、『もうちょっと言えば良かった』って言ってる。平中よりはしゃべるよ。いかにして目立つかってのを考えてるからね、片岡は」


―ベテランドライバー、田中哲也さんはいかがでしょうか?

福田洋介さん (JIM GAINER)
「哲也さんには、持ち込みセットが外れてたりっていう、練習走行の走り始めではあんまりよくないところから、予選までにはちゃんと帳尻合わせる方向に持って行ってもらっています。で、平中くんは決勝セットを日曜日の朝に出してもらうような形で。
哲也さんと平中君、どちらも若干接触があるので、哲也さんはそれ以外のドライビングで100点をつけたとして、修理するメカニック達の気持ちを考えて90点。平中君はもうちょっとアピールしてもらわなきゃっていうところで−20点と、修理分10点を引いて70点ていうところですかね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「平中選手は速いドライバーですよね」

福田洋介さん (JIM GAINER)
「サーキットによっては平中君、決勝までに計測4周とか乗ってなかったりとか、そういう中で仕事をこなしてもらってるんで、『この周しかないから』って言ったら、その周にちゃんとタイム出してきますからね。『とりあえずコンスタントに走って』って言ったらたまに、『計測ミスかな?』って思うぐらい、2周連続1/1000秒まで一緒とか。『タイヤの摩耗を見たいから、コンスタントに行って』って、そのまま走ったりとか」


―澤田さんは、初めて4輪駆動車を手掛けた2009年シーズン。
  山野哲也選手の持つ経験が非常に役立ったそうです。


澤田稔さん(R&D SPORT)
「あまりコメントをするほどではないんですが・・・。うちが4輪駆動(AWD)っていうものがどういうものか分からず始めたっていう部分があって、山野さんの持っているAWDの経験というのは非常に重要でした。前のクルマと比べてどうだっていうところは参考にさせてもらわなきゃいけないし、やっぱり山野さんありき、というところがありましたね。
それに密山くん(密山祥吾選手)は割りとどんな車でも乗れるし、うちとのコミュニケーションはバッチリなんでね。新しいドライバーを2人乗せるっていうプランはあまり考えられなかったので、そういうのも含めてポテンシャルのあるドライバーを探していたら、たまたま密山くんが待っててくれてた(笑)。
途中から出るというプランの中ではいいドライバーたちと仕事ができたかなと思いますよ。まだ、ドライバーの力を発揮させられるほど車も走らせることができていないので、そういう部分ではまた、引き続きやっていけるものならやっていきたいですね」


―ダイシンの2人は、'08年と同じコンビでシーズンを戦いました。

河瀬和弘さん (TEAM DAISHIN)
「うちはまぁ、車は変わったんですけれども、青木くん(青木孝行選手)と藤井くん(藤井誠暢選手)、同じチームの2年目で、コンビネーションもいいですし。運とか、車のトラブルとかで、ちょっと落とすようなことが何戦かあったんですけども、腐らずにモチベーションを維持して、なんとか走ってくれたんで、いいドライバーですね」

澤田稔さん(R&D SPORT)
「2人そろって坊主にしたところがね、あれが清々しくていいね」

河瀬和弘さん (TEAM DAISHIN)
「あれはなんか、青木君が自分で、『次勝てなかったら坊主にする』って決めて、それを藤井君と『じゃぁやろう』ってことになったみたいで」
 
 
―「藤井選手は、ホントよくしゃべりますよね。
  タイムが遅いとかじゃなくて、無線でしゃべってる時間て藤井選手が一番長いんじゃないかっていう……」
  という石黒の藤井選手の印象から、話題は無線の話へ。


石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「渡邊さんの無線のテクニックはすごいですよね。『今の順位はここだけど、トップと同じタイムで走ってますよ』って。分かりやすい。鈴鹿でも、『吉本映ってるよ、かっこいいよ!』とか」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「ノリですよね。吉本と加藤さんと違うのは、その状況が変化した瞬間ですね。
経験からくるものだと思うんですけど、雨が降ってきた瞬間とか、もう大騒ぎになるんですよ、『雨! 雨降ってきちゃったよ!』みたいな。ちょっと冷静になってから、『今の状況だったらまだこのまま走れる』って言うんですけど、加藤さんは違うんですよ。逆に喜ぶっていうか、周りが乱れていく中、『俺は絶対に生き残る』っていう、自信か何かがあるんでしょうね。だから周りのタイムを知りたがります。
あとは、何号車がピットに入ったかっていうのを全部教えるんですが、あの人のすごいなって思うのは、じゃぁたとえば7号車がピットに入ったら、『何秒給油した?』って聞いてくるんですよ。で、『うちは何秒必要なの?』って。
長いレースとかだと、そのあとマップスイッチを切り替えて燃費走行に切り替えるから1秒確保しようとか、そういうことまで考えながら走ってるんですよね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「それは無線のやり取りの中でやってるんですか」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「やりますね。だから、各々のピットタイムと給油時間とトータルタイムとアウトラップ、をひととおり見ています。吉本はどっちかって言うとプッシュするドライバーなので、『思いっきりいけー』っていうような無線になるんですが、加藤さんは、無線でのやり取りをして、ドライバー自身がドライビングをアジャストしていくっていうところがありますね。
加藤さんもかなりしゃべる方だと思いますよ。僕がこれまで経験してきた中では、かなりしゃべります。8割方よけいなことしゃべってるときっていうのもありますよ。レースの実況しながら走ったりとか」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「僕が思うに、車に乗って走ってるときにアドレナリンが出すぎちゃってるのは、織戸さんだと思う」

坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「僕もそう思います(笑)。みんな分かってると思うけど。『織戸』から『激戸』に変わっちゃってるからね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「『○×□※▽〜!!!、でも頑張るよ、うんがんばる』って」

坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「まだ『頑張るよ』っていい直してくれる時はいいけどね。今年の頭の方に、僕はしゃべってるんですけど、雨が降ったりすると、『聞こえねぇよ!』みたいなことがあったんですよ。そしたら3戦目ぐらいに、片岡のイヤホンを貸してあげたら聞こえるようになったみたいで(笑)。『イヤホンが悪かったんじゃねぇかよ!』って(一同大爆笑)。で、最終戦は特注のイヤホンを作ってもらったみたいです。無線が聞こえるようになったらだいぶ、『激戸学』じゃなくなったみたいで(笑)。
逆に片岡はホント冷静ですよ。もう、普通の会話してるみたいで」


―ですが片岡選手は、開幕戦での激怒無線が話題になりました。

坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「あれはたまたま。他チームへ僕を(抗議に)行かせたかったのでああいう風に言っただけで。
たぶん一番冷静じゃないかなっていうぐらい。乗ってるときはホントに冷静ですよ。全くもって怒りもしないし。
片岡とも織戸さんとも、こういうときにしゃべってほしいとか、そういう要望を先に聞いてるので、最終戦も、RX-7とダイシンの説明をしたところでしょうがないので、『とりあえずここを守ってもらえれば』って言ってからは何もしゃべってないですね。
でも、最終戦の最終ラップは興奮して『最終ラップ!』って叫んだら、『ちょっとうるさいですね』って(笑)。『行けー!!』みたいに言ったら『うるさいです』って、冷静に返されちゃいました」


―なかなか低くて渋い声をお持ちの片山さんは、チームならではの無線の難しさがあるようです。

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「僕はこの中で、片山さんの無線だけ聞いたことないんですよ。片山さんてけっこうしゃべる方ですか?」

片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「あんまりしゃべらないよ。うちはチームがファンに向けて実況とかやっててさ」

大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「リアルライブタイミングとかっていう」

片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「そうそう。無線を聞いてて、言ったことが全部出ちゃうの」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「無線の内容も出ちゃうんだ! 『片山、こうしゃべる』みたいな」

片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「1回、『寒いし、コーヒーくれない?』ってピットに言ったら、『片山エンジニア:コーヒーをください』とかって実況された」

大駅俊臣さん (TEAM NISHIZAWA MOLA)
「それってある意味おもしろいね」

片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「勝った負けたってなってれば、もっといろいろ言えるじゃない。その時点では、『このまま走ってて』っていうぐらいなの。ドライバーから『タイヤ、大丈夫そうです』って無線が入っても、タイヤ交換てやっぱり見せ場じゃないですか。(交換しなくても)問題ないんだけど、『タイヤ、4本交換』ってピットに無線で伝えたり、そういうことを言っていました」


―「無線初心者」の福田さんは、田中選手からこんなアドバイスをもらったそうです。

福田洋介さん (JIM GAINER)
「僕は2年目で、無線でどういう情報が欲しいのかまだ分からなくて、哲也さんから、これを言ってくれると嬉しいとか、張りつめすぎてるときに、何か面白いことを言ってくれたらリラックスするから、っていうのを教えてもらいました」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「たとえば? それ分かったら、坂東さん使いますよね?」

坂東正敬さん (RACING PROJECT BANDOH)
「でもねぇ、『激戸』さんには何言っても利かないと思うんですけどねぇ……」

片山克己さん (Studie GLAD Racing)
「でもさ、ドライバーが『面白いこと言ってんじゃねぇ!』って言ったら、『あ、これ面白いんだ』って分かるよね」

河野高男さん (RE雨宮レーシング)
「エンジニアより、ドライバーが面白いこと言うよね。GTではなかったけど、昔スーパー耐久とかやってたころに最終ラップで、『あぁーっ! エンジンがぁぁ!……回ってまーす』とか(一同爆笑)。おいおいやめてくれよってね。
谷口はしゃべらない。しゃべらないっていうか、谷口の無線って聞きづらい。たぶん声質だと思うんだけど、折目のは聞き取りやすいのよ。
とくにRX-7は高周波で、すごく聞きづらいんで、運転手には聞こえてても、運転手の声、アクセル全開の時なんかはメカニックには間違いなく聞こえない。
アクセルオフのときにしゃべってくれって言うんだけど、アクセルオフのときって短いじゃない。ブレーキングのときぐらいで。だから逆に言うと、返事もしてこない。聞こえてないってのが分かってるから。
レース中はこっちで状況をずっと伝えてるけど、それに対して返ってくるのは10回に1回ぐらいかな。練習走行中の時はいろいろな情報をもらいながら、ピットインしたらすぐセットアップできるような方向で話をするけど、レース中はあんまり、ガソリンの数字を読むぐらいかな」



レースはチームワークが勝利の鍵。そして監督以下、ドライバーやスタッフ同士の強い信頼関係があってこそ、極限まで"攻めた"ハイレベルな戦いを繰り広げることが出来るのです。
もちろん人同士の信頼関係に加えて、マシンに対してやタイヤへの信頼も重要。ドライバーやチームは勝てるマシン、そして勝てるタイヤがあって、初めて実力を存分に発揮できるのです。
           
次のページではタイヤ無交換作戦の舞台裏と、2010年シーズンに懸ける想いをご紹介!
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