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奴田原文雄 選手
>> 公式サイト
アジアで最も伝統あるモータースポーツイベント「マカオグランプリ」。
そのメインレースと位置づけられるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)と、F3インターカップはともにADVANがワンメイクコントロールタイヤに指定されています。
中でもWTCCは「サーキットの格闘技」と称されるほどの激しいバトルが世界中で人気を集めているシリーズ。ただでさえ接触も日常茶飯事の超接近戦が展開されているWTCC、これをエスケイプゾーンが皆無の市街地特設コースで開催するのですから、見ている方もワクワクしてきます。
このWTCC・マカオに日本から参戦したドライバーのお二人、谷口信輝選手と青木孝行選手にお話しを聞くチャンスがありました。普段なかなかレーシングドライバーの方とじっくり話をする機会が無いだけに、興味深いインタビューとなりました。
2009年のWTCC・マカオラウンドには、2人の日本人ドライバーがスポット参戦していました。谷口信輝選手と青木孝行選手です。
さっそく激励の挨拶を兼ねて、WTCCマシンの感触やコース攻略法などを聞きに出かけました。


谷口信輝選手はマカオでのレースは4回目とのこと。過去にはここマカオを舞台としたギア・レースでも活躍し、「市街地コースも苦にならず、ストリート上がりの自分としてはむしろこのコースは楽しいほど」とのことでした。

しかしそんな谷口選手も特殊なセッティングが施されているWTCCマシンには悩んでいましたね。
「クルマと自分がリンクしないんだ」そうです。「イメージする走行ラインに対して、外に行ったり、内に入ったりで、タイムが出ていない割には綱渡り的な走りなんです」と。

その気持ち、よくわかりますね。
ラリーカーでも自分の思い通りにコントロールできる仕様だと、どんなハイスピードの先の見えないブラインドコーナーでもアクセル全開で入っていけますが、自分のイメージとリンクしない仕様だと、もう恐くてドキドキしてしまいますからね。

谷口選手も、「ハイスピードコーナーのマンダリンオリエンタルベントなんか、トップ選手は222km/hで曲がっていくけれど、自分は208km/hしか出ていない。トップグループの選手はアクセルちょい戻しの、左足でブレーキ軽くって感じだけれど、こっちはアクセル・オフ&ブレーキだからね」と、ちょっと弱気な発言。
それでもチームメイトのフェリックス・ポルテイロ選手のデータロガーと比較をしたり、冷静にWTCCレギュラー選手との違いを分析していました。限られた時間の中でやるべきことはやるんだという、意欲を感じました。

今回のWTCCで一番重視していることはという問いには、「マカオではクラッシュしてはいけない。木、金、そして決勝の日と、ムリをしてタイムを出すことよりも、とにかく流れを崩さないことが大事」という答えをもらいました。
青木孝行選手は昨年に続き2度目のWTCC・マカオで、BMWでの参戦です。
常設コースではない市街地コース、どうやってコースを攻略するのかに興味をもっていたのですが、意外と答えは普通で、「通常のサーキットと同じ」とのこと。

ただ、「ブラインドコーナーがあったり、コーナーがかまぼこ状になっているので、そのバンクをどうやって使うかなどは覚えなくてはならない」ということでした。
ラリーだとそういう情報はペースノートに入れていくので、コ・ドライバーが読み上げてくれますが、サーキットレースの場合はドライバーが全てを理解・判断している必要がありますね。

実はポイントは谷口選手と同様に、マカオのコース事情よりも、その特殊なセッティングのWTCCカーのほうにありました。
青木選手曰く、「昨年と同じチームで同じBMWなのだけれど、どうもタイムがいまひとつ伸びてなく、昨年の自己タイムよりも落ちている」のだそうです。
やはりクルマに慣れる練習時間が圧倒的に少ないので、多少のりづらくてもセッティングを悩んでいる時間すらないようです。
「グリップのポイントが狭くて限界がつかみづらいクルマの仕様です」とも仰っていましたが、この狭いコースで手足のようにならないクルマを操るのは、私なら恐くて出来ないかも。

決勝レースに向けては、「若干のセッティング変更をチームに要望した」と言ってましたが、可能性があることなら少しでもやっていこうという、前向きなプロ意識を強く感じましたね。
ちなみにラリーカーはほぼブラインドコースを走るので、レーシングカーよりもはるかに乗りやすい仕様になっています。



お二人ともにWTCCマシンの攻略に苦悩していましたが、「ワークスチームが段階を経ながらテストをやってきて、タイムの出る今の仕様に行き着いているわけだから、その段階を通り越していきなり乗るのは難しいのかな、もっと時間が欲しいな」という、谷口選手の言葉が印象的でしたね。
実際に決勝第2レース(シリーズ第24戦)の後半では、かなりラップタイムもあげてきていますから、WTCCマシンのコツをつかんだのかもしれません。こんど会ったときに聞いてみたいと思っています。

レース本番前の忙しい時間でしたが、お二人にはレース素人の私の質問にも嫌な顔ひとつせず対応していただいて、本当にありがとうございました。
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