青木孝行選手は昨年に続き2度目のWTCC・マカオで、BMWでの参戦です。
常設コースではない市街地コース、どうやってコースを攻略するのかに興味をもっていたのですが、意外と答えは普通で、「通常のサーキットと同じ」とのこと。
ただ、「ブラインドコーナーがあったり、コーナーがかまぼこ状になっているので、そのバンクをどうやって使うかなどは覚えなくてはならない」ということでした。
ラリーだとそういう情報はペースノートに入れていくので、コ・ドライバーが読み上げてくれますが、サーキットレースの場合はドライバーが全てを理解・判断している必要がありますね。
実はポイントは谷口選手と同様に、マカオのコース事情よりも、その特殊なセッティングのWTCCカーのほうにありました。
青木選手曰く、「昨年と同じチームで同じBMWなのだけれど、どうもタイムがいまひとつ伸びてなく、昨年の自己タイムよりも落ちている」のだそうです。
やはりクルマに慣れる練習時間が圧倒的に少ないので、多少のりづらくてもセッティングを悩んでいる時間すらないようです。
「グリップのポイントが狭くて限界がつかみづらいクルマの仕様です」とも仰っていましたが、この狭いコースで手足のようにならないクルマを操るのは、私なら恐くて出来ないかも。
決勝レースに向けては、「若干のセッティング変更をチームに要望した」と言ってましたが、可能性があることなら少しでもやっていこうという、前向きなプロ意識を強く感じましたね。
ちなみにラリーカーはほぼブラインドコースを走るので、レーシングカーよりもはるかに乗りやすい仕様になっています。
お二人ともにWTCCマシンの攻略に苦悩していましたが、「ワークスチームが段階を経ながらテストをやってきて、タイムの出る今の仕様に行き着いているわけだから、その段階を通り越していきなり乗るのは難しいのかな、もっと時間が欲しいな」という、谷口選手の言葉が印象的でしたね。
実際に決勝第2レース(シリーズ第24戦)の後半では、かなりラップタイムもあげてきていますから、WTCCマシンのコツをつかんだのかもしれません。こんど会ったときに聞いてみたいと思っています。
レース本番前の忙しい時間でしたが、お二人にはレース素人の私の質問にも嫌な顔ひとつせず対応していただいて、本当にありがとうございました。