まず最大の関心事となるのが、具体的にGT300クラスとGT500クラスでは何が違うのか、ということ。
2008年はGT500クラスのSC430をドライブ、2009年はGT300クラスに移ってデビュー2シーズン目を迎えたIS350を駆る片岡龍也選手が口火を切ります。
「まず、GT300はGT500に比べて給料が安いですね(笑)。
あ、ダメ、こんなこと言っちゃ?ファンやドライバーに憧れている子供たちの夢を壊しちゃうかな?
冗談はさておいて、マシンについて言えばGT300は思っていた以上にハイレベルな仕上がりでした。IS350はリストリクターが小さいとか規則的に速さを出し切れない部分もありますが、ブレーキングにしてもコーナーリングスピードにしても、GT500と遜色無いですね。
もちろん空力の効いているコーナーではGT500の方が速いですが、その他のコーナーで言えばドライビングのイメージは変わりませんね。」
2003年にGTデビューを果たした片岡選手は同年GT300クラスにスポット参戦。翌2004年から2008年までの5シーズンは、GT500クラス一本で戦ってきました。
つまりGT300を駆るのは今季が初めてなのですが、思っていた以上のパフォーマンスの高さに驚いたというのです。
この点はフェラーリを駆る平中克幸選手も同意見のようで、
「GT300はSUPER GTにデビューした2005年にセリカを駆って以来なのですが、3シーズンの間にGT300のマシンも大きく進化したという印象です。
また、GT500から移ってくると、凄く乗りやすいんですよ。絶対的なスピードがGT500より遅いということもあるのですが、ブレーキングではかなり奥まで行けちゃいますしね。」
このように4シーズンぶりのGT300について語ってくれました。
最後に柳田真孝選手。
2001年から3シーズンをGT300クラスで戦い、シリーズチャンピオンも獲得している実績の持ち主。2005年からGT500クラスを戦い、今季5シーズンぶりにGT300クラスマシンのステアリングを握ります。
「僕は以前GT300に参戦していた時も、今年もマシンについては同じフェアレディZです。しかし全く違う乗り物になっていましたね'。今年の規則で減っているとはいえ、2004年当時と比べればオーバーハングが長くなっていることもあってダウンフォースが大きくなっています。
足回りもジオメトリーを変えてあって、以前乗っていた頃は"直線番長"的な感じだったのが、今年乗ってみると"コーナーリングマシン"になっていて、その変貌ぶりに驚きました。」
常に進化を続けているレーシングマシン。同じ車種でありながら、劇的な進化を遂げている様に柳田選手も驚きを隠せなかったようです。