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日程・レポート・結果表 2012年のWTCC WTCCを戦うタイヤ
[LINK] 公式ウェブサイト 参戦車両の概要 主な参戦車種
PREVIEW
いよいよこの週末は、鈴鹿サーキット・東コースを舞台とした第19&20戦、「FIA WTCC Race of JAPAN」が開催される。日本ではF1、WEC(FIA世界耐久選手権)とFIA世界選手権が続けての開催となっているが、三週連続のトリを取るのがWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)となる。

この世界最高峰のツーリングカーによるスプリントレースは、近年まれに見る大接戦が演じられている。なにしろ、前戦のアメリカを終えて、ドライバー選手権争いではイヴァン・ミューラー選手に、チームメイトのロブ・ハフ選手が同点で並んだのだから。残念ながらシボレーは今シーズン限りでのマニュファクチャラー活動終了を発表しているが、有終の美をミューラー選手が3年連続のチャンピオンで飾ることになるのか、それともハフ選手が悲願の初チャンピオン獲得で締めくくるのか、タイトルの行方はとても興味深いところだ。

そんなタイトル争いに向けて重要な終盤のアジア・シリーズは、日本がその皮切りとなる。日本を終えると初開催の中国・上海国際、そしてチャレンジングなストリートバトルのマカオと続くカレンダー、つまり昨年のデータがある常設サーキットでの最後の戦いとなる鈴鹿は、しっかり勝ってポイントを積み重ねておきたい重要な位置づけとなるはずだ。

しかし、ここ鈴鹿の攻略は生易しいものではない。シーズン中、最も1周が短いコースとなる東コースは、パッシングポイントがとても限られるという特徴がある。ゆえに決勝ではギリギリの攻防戦が繰り広げられのは間違いないとして、それ以前に予選の重要性もいつも以上に増すことになるだろう。
ご承知の通り、WTCCの予選は全車が出走するQ1の結果により、上位12台がQ2へと駒を進める。そしてQ2の順位がスターティンググリッドに反映されていくのだが、Q2のタイム順に決するのは第1レース(第19戦)のグリッド。一方で第2レース(第20戦)については、Q2の上位10台をリバース配置するかたちとなる。つまり、Q2の10番手タイムが第2レースのポールポジションになり、9番手タイムが2番グリッドとなるわけだ。

これまでの傾向を見ると、第1レースは順当に選手権争いの主役たちが上位グリッドにつけているが、第2レースではYOKOHAMAトロフィー勢が上位グリッドを占めることも珍しくない。また、ローリングスタートの第1レースに対して、スタンディングスタートの第2レースでは、これを得意とするBMW勢がスタートから1コーナーまでにジャンプアップを決める場面も多く、各レースのスタートシーンからは目が離せない。

そして繰り返しになるが、予選の重要性は各チームが共通して認識しているところ。この予選に向けた金曜日のテスト走行でのセットアップがレースウィークを通じた鍵になると言っても過言ではなく、金曜、土曜、日曜と、それぞれの走りをどこかのコーナーから定点観察するのも、マシンセッティングの煮詰め方を感じ取れる“通な”観戦方法としてお薦めだ。
さて、日本のモータースポーツファンにとっては、鈴鹿で待望のデビューを果たすホンダ・シビックWTCCの戦いぶりも注目の的となるところだろう。
既に本ウェブサイトの「FIA WTCC Race of JAPAN 特集企画 (3)」ではテスト走行の現場からレポートをお伝えしているが、レース本番に向けて上々の仕上がり具合を見せているようだ。

ところでホンダにとってはホームコースとなる鈴鹿でのデビューとなるわけだが、WTCCではこの“ホームコース”というのはひとつのキーワードになる。
例えばドイツ戦は、マニュファクアチャラー参戦をしていたBMWが圧倒的に強さを見せてきたラウンドであるし、昨年のオッシャーズレーベン戦では、YOKOHAMAトロフィー登録の大ベテランであるフランツ・エングストラー選手が地元で総合優勝を飾った。さらに今年に入っても、ハンガリー戦では地元のノルベルト・ミケリス選手がYOKOHAMAトロフィー登録で総合優勝を飾り、エングストラー選手のときと同様にサーキットはまるで地鳴りのような大歓声に包まれている。

サッカーでも野球でも、アウェイとは異なるホームならではの大観衆からの声援は、戦うものにとって大きな力に結びつくことが多い。この週末、ファンの声援がホンダ・シビックWTCCの戦いを大きく後押しする結果となることにも、期待が高まるところだ。
 
STANDINGS
 
【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第18戦終了時点)】
順位 No. クラス ドライバー 車 両 ポイント
1 1 イヴァン・ミューラー シボレー・クルーズ 1.6T 315
2 2 ロブ・ハフ シボレー・クルーズ 1.6T 315
3 8 アラン・メニュ シボレー・クルーズ 1.6T 267
4 3 ガブリエレ・タルクィーニ セアト・レオン WTCC 193
5 15 トム・コロネル BMW 320TC 164
6 5 Y ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 152
7 74 Y ペペ・オリオラ セアト・レオン WTCC 107
8 26 Y ステファノ・ディアステ BMW 320TC 88
9 18   ティアゴ・モンテイロ SR・レオン 1.6T 63
10 11 Y アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 52
11 25 Y メルディ・ベナニ BMW 320TC 47
12 6 Y フランツ・エングストラー BMW 320TC 47
13 16 Y アルバート・セルキ BMW 320TC 37
14 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン WTCC 23
15 5 Y ミシェル・ニュケア シボレー・クルーズ 1.6T 20
16 20 Y ダリル・オーヤン セアト・レオン WTCC 17
17 9 リカルド・リデル シボレー・クルーズ 1.6T 14
18 14   ジェームス・ナッシュ フォード・フォーカス S2000 TC 12
19 22 Y トム・ボードマン セアト・レオン WTCC 9
20 23   トム・チルトン フォード・フォーカス S2000 TC 7
21 27   ガボール・ウェーバー BMW 320TC 3
22 88 Y フェルナンド・モンヘ セアト・レオン WTCC 1
※クラスの「Y」表記はYOKOHAMAトロフィー。
 
【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第18戦終了時点)】
順位 No. ドライバー 車 両 ポイント
1 5 ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 134
2 74 ペペ・オリオラ セアト・レオン WTCC 109
3 26 ステファノ・ディアステ BMW 320TC 85
4 11 アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 79
5 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 68
6 25 メルディ・ベナニ BMW 320TC 52
7 16 アルバート・セルキ BMW 320TC 51
8 20 ダリル・オーヤン セアト・レオン WTCC 37
9 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン WTCC 25
10 22 トム・ボードマン セアト・レオン TDi 21
11 5 ミシェル・ニュケア シボレー・クルーズ 1.6T 20
12 27 ガボール・ウェーバー BMW 320TC 15
13 12 パスカーレ・デ・サバティーノ シボレー・クルーズ 1.6T 12
14 7 チャールズ・カキン BMW 320TC 8
15 88 フェルナンド・モンヘ セアト・レオン WTCC 5
16 24 アイザック・トゥトゥムル BMW 320TC 3
17 40 アンドレア・バルレーシ SR・レオン 1.6T 3
18 29 ロブ・ホランド シボレー・クルーズ 1.6T 2
 
CIRCUIT
鈴鹿サーキット (日本)

日本を代表するレーシングコースのひとつとして、世界にその名を知られている鈴鹿サーキット。全長5,807mのフルコースは、途中のショートカットを利用して二分割することが可能となり、WTCCではメインスタンド前を通る東コース(2,243m)で競われることになる。

パッシングポイントはやや限られるという特徴があるものの、そこは間隙を突く攻防戦が展開されるWTCCだけに、世界選手権らしいバトルが演じられることは間違いない。
コース幅も比較的広いため、ドライバー側としてはいろいろな攻め方を実践できる舞台であると言っても良いだろう。

なお、初開催となった昨年のコースレコードは、シボレーのアラン・メニュ選手が予選2回目でマークした53秒443。決勝ファステストラップは、第2レースでボルボのロバート・ダールグレン選手がマークした54秒540。
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