2005年の発足から8年目のシーズンを迎えるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。発足当初はF1、WRC(世界ラリー選手権)と並ぶ三大FIA世界選手権のひとつとして、後にFIA
GT1とWEC(世界耐久選手権)がFIA世界選手権に加わったことから、現在では6つあるFIA世界選手権のひとつに数えられている。
モータースポーツ界のピラミッドにおいて、頂点に位置するFIA世界選手権。その中ではツーリングカーによるスプリントレースの世界最高峰に位置づけられている。
基本的なレースフォーマットは発足当初から変わらず、土曜日に30分のフリー走行を2本行った後、45分間の公式予選となる。日曜日は15分のウォームアップが行われた後に、途中のインターバルをはさんだ決勝が2レース行われるという流れだ。
さらにイタリア、モロッコ、ブラジル、アメリカ、日本、中国、マカオの各大会においては、レースウィークの金曜日(マカオは木曜日)に公式テストセッションが設けられる。その時間はイタリアが終日、そのほかは30分間と定められている。
WTCCといえば一日に2回行われる決勝レースが、ともにスタートからフィニッシュまで手に汗握る接戦となる特徴がある。この特徴を生み出している大きな要素がリバースグリッド・システムだ。
土曜日の公式予選はQ1とQ2という2つのセッションで構成される。予選スタートから最初の20分間(市街地レースでは30分間)がQ1で、ここでは参加する全車が出走してベストタイムを競い合う。
このQ1でマークしたベストタイムの上位12台が続いて10分間(市街地レースでは15分間)行われるQ2に進出、再びタイムアタックを行うという流れになる。この点については昨年までは上位10台がQ2進出となっていたが、2012年は2台増やされることとなった。
そしてQ2での12台のベストタイムと、Q1の13番手以下のベストタイムの順位によって、決勝第1レースのスターティンググリッドが決せられる。その上で決勝第2レースのスターティンググリッドにはリバースグリッドが適用され、Q2の上位10台が下表のように配されることとなる。なお、Q1とQ2の間に燃料の補給や抜き取りを行うことは禁止されている。
また、決勝第1レースはローリング、第2レースはスタンディング方式のスタートを採用するのは従来通り。特に第2レースのスタンディング方式はFR(後輪駆動)車が得意とするところで、これまでにもしばしばロケットスタートで第1コーナーを奪うシーンが繰り広げられている。
なお、決勝レースは昨年までの最長50kmに対して、2012年は50km以上60km以下と定められ、距離/所要時間ともに若干伸ばされることとなった。