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FUJI SPRINT CUP =GT500=
開催日
2011年11月12日-13日
開催場所
富士スピードウェイ (静岡県)
天候/路面
Race 1 : 晴れ/ドライ
Race 2 : 晴れ/ドライ
決勝周回数
Race 1 : 22周
Race 2 : 22周
(1周 = 4.563km)
参加台数
GT500クラス : 15台
(ADVAN装着車 2台)
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今シーズンを締めくくるスペシャルイベント、「JAF GP FUJI SPRINT CUP」が、昨年に引き続き11月11〜13日に富士スピードウェイで行われた。SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンという日本を代表するカテゴリーの競演が見ものとなるこの特別戦で、決勝こそアクシデントに見舞われたもののGT500では「ADVAN KONDO GT-R」と「WedsSport ADVAN SC430」が予選で速さをアピールした。

普段はふたりのドライバーがタッグを組み、交代しながら戦うセミ耐久レースであるSUPER GTだが、このJAFグランプリは「スプリントカップ」というその名称通り、ドライバーがそれぞれ予選をアタックし、各々レース距離100kmというスプリントレースを戦うという特別なレースフォーマットとなる。生憎の雨となる中、まずは金曜にフリー走行と公式予選が行われた。

金曜午前9時30分から行われた1時間のフリー走行では、冷たい雨の降る中GT500では「ADVAN KONDO GT-R」が1分52秒580で10番手、「WedsSport ADVAN SC430」は12番手に入った。

続いて午後2時20分から始まったGT500の第1レース予選では、「WedsSport ADVAN SC430」は片岡龍也選手、「ADVAN KONDO GT-R」はビヨン・ビルドハイム選手がそれぞれアタック。
セッション序盤に雨量が小康状態となるところで、ADVANのウォームアップ性能の良さを活かしたビルドハイム選手が最初の計測ラップを1分49秒302としてモニターのトップに立つと、渾身のアタックを見せた翌周には1分47秒750にまでタイムアップ。

「前を走っていた「カルソニック IMPUL GT-R」のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手のペースが予想以上に遅く、しっかりとギャップを開けてアタックに入ったつもりが、セクター3で追いついてしまった」と100%のアタックではなかったというビルドハイム選手だが、終盤雨量が急激に増えたことでそれ以上のタイムアップは果たせなかったものの、見事3番手という好位置を獲得する。

一方、事前にもてぎで行ったテストでドライでは良いフィーリングを掴んでいた「WedsSport ADVAN SC430」だったが、クリアラップに恵まれなかったことと後半にかけてのコンディションの悪化が影響し、片岡選手は1分49秒371で11番手に留まった。

予定では両クラスの第1レース予選終了後、15分間のインターバルを置いて第2レース予選が行われるはずだったが、激しい雨によりコンディションが悪化したことを受け、翌日の早朝に順延されることに。

仕切り直しという形で、快晴となった土曜の午前7時50分から行われた第2レース予選。上空に晴れ間は広がっているものの、前日の雨が残り路面はウェット状態で、さらに気温11度、路面温度12度と冷え込む中でのアタックとなった。

午前8時05分にスタートしたGT500の第2レース予選では、「ADVAN KONDO GT-R」の安田裕信選手がインターミディエイトタイヤを履いてコースイン。開始早々1分44秒785をマークしてモニターのトップに躍り出るなど、好調な滑り出し。

残り10分の段階で後半にスリックタイヤでのチャンスがあるかもしれないと、安田選手をピットインさせスリックで送り出したKONDO RACINGだったが、予想よりも路面状況の良化に時間が掛かると判断した安田選手は再びピットイン。もう一度インターミディエイトに履き替えて残り5分を切ったセッション終盤のアタックに臨むことに。
一時は7〜8番手付近までポジションを下げていた「ADVAN KONDO GT-R」だが、安田選手がファイナルラップに見事1分43秒259にタイムアップを果たし、予選3番手を獲得してみせた。

「ポールポジション争いが出来ましたし、これまで少し苦手としていたインターミディエイトでしたが、思った以上のパフォーマンスが引き出せました。最後に引っ掛かってしっかりアタック出来なかった部分はありますが、途中でスリックを試したことで時間を失った自分達にも責任はありますからね」と語った安田選手は、「2列目からのスタンディングスタートですから、明日は優勝のチャンスがあるはず」と決勝に自信をうかがわせる。

また、「WedsSport ADVAN SC430」の荒聖治選手も、この難しいセッションで好アタックを連発。安田選手同様、最終ラップに1分43秒852の好タイムをたたき出し、見事今季最高グリッドとなる5番手を勝ち獲ってみせた。


GT300クラスの第1レースをはさんで、気温16度、路面温度18度となって迎えた午後3時15分にGT500の第1レースのフォーメーションラップがスタート。
予選3番手を得ていた「ADVAN KONDO GT-R」のビルドハイム選手に期待が掛かったが、残念ながらスタートに失敗し、いったんは大きく後退してしまう。しかし、1〜2コーナーで起こったアクシデントの区間でうまく一番イン側のラインを選んだビルドハイム選手は、「MOTUL AUTECH GT-R」と接近戦を演じながらも1周目を4番手と、傷を最小限に留めることに。

ところが、「MOTUL AUTECH GT-R」との攻防の最中、4周目の1コーナーでブレーキングミスを犯したビルドハイム選手は、白煙を上げながらタイヤをロックさせ大きくはらんでしまい、6番手にドロップ。ここで右フロントタイヤに酷いフラットスポットを作ってしまった「ADVAN KONDO GT-R」は、その影響によって6周目のホームストレート走行中に右フロントタイヤを壊してしまい、惜しくもそのまま戦列を離れることとなってしまう。

それとは対象的に「WedsSport ADVAN SC430」の片岡選手は好スタートを決め、1周目を8番手で終えると、7周目には7番手に浮上。9周目には「KEIHIN HSV-010」を捕らえて6番手に躍進すると、上位陣と遜色のない安定した好ラップタイムを刻み続けると、21周目には「ENEOS SUSTINA SC430」をもパスし5番手に。
最終ラップの最終コーナーで「ZENT CERUMO SC430」にクロスラインを奪われ、惜しくも100分の1秒差で6位に甘んじたが、片岡選手をして「今季一番手応えのあるレースが出来ました」と言わしめたほどのパフォーマンスを発揮することとなった。


日曜日、GT300クラスでADVANを装着するマシンが連勝を飾り、その興奮も冷めやらぬ中で午後3時25分から、いよいよ最終レースとなるGT500の第2レースが始まった。

ここでは「ADVAN KONDO GT-R」の安田選手が予選3番手、「WedsSport ADVAN SC430」の荒選手が予選5番手と絶好のポジションからのスタートとなったが、なんとスタートで安田選手がストールに見舞われてしまう。
目前で止まった「ADVAN KONDO GT-R」を避けるべく中央に躍り出た荒選手も、背後の「ZENT CERUMO SC430」にプッシュされてしまい体勢を崩して真横を向いてしまう。たまたまイン側にいた「カルソニック IMPUL GT-R」に接触も、そのまま走行を続けられた荒選手だったが、1コーナーでは「MOTUL AUTECH GT-R」に追突される形でスピン。まさかの最後尾にドロップしてしまう。

さらに1周目を13番手で終えていた「ADVAN KONDO GT-R」も、2周目に「ARTA HSV-010」に接触され、「WedsSport ADVAN SC430」のさらに後方に後退させられてしまい、ADVANユーザーにとっては最悪のレース序盤となってしまったわけだが、アクシデントによるダメージやペナルティーによって、数台のマシンが後退を余儀なくされる波乱のレースを2台は粘り強く周回。
最終的には19周目に安田選手が荒選手をパスし、「ADVAN KONDO GT-R」は9位、「WedsSport ADVAN SC430」は10位でのフィニッシュに。

予選順位が良かっただけにGT300同様期待されたGT500の第2レースだったが、惜しくもアクシデントによって好結果に繋げることは叶わなかった。
 
Driver's Voice
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : 第1レース 6位】
予選では事前に行ったテストでクルマの方向性が掴めて、ドライでは良いことが確認出来ていたので期待を持って臨んだ週末でした。残念ながら予選は雨になり、思いのほか今回の新しいセットアップが雨との相性が良くなかったこともありましたから以前雨で良かったセットに戻してアタックしたのですが、ワンアタック目で他車に引っ掛かり、クールラップを入れて2回目のアタックをしたものの雨が強まり始めていて、力を発揮出来ないまま11番手に終わり悔しかったですね。
ただ、ドライに自信はありましたし、1年ぶりのスタンディングスタートも思いのほか上手く行って、決勝ではポジションアップに成功しました。レースラップも速く、ADVANタイヤのパフォーマンスも安定して良かったと思いますから、クルマのセット、タイヤの双方を含めて今シーズンベストな状況で戦えたと思います。
それだけにもっと前からスタート出来てればと、予選が悔やまれますが、今年を締めくくるイベントとして非常に良い手応えを得られましたね。
 
荒 聖治 選手
 【今回の成績 : 第2レース 10位】
スタートで前の安田選手がストールしたので、すぐ中央のラインに出たのですが、24号車を避けながらだったので加速が遅くなったところで、普通にスタートして加速して来ていた38号車が僕の右リヤをプッシュしたんです。それで真横を向いたんですが、そこにいた12号車に当たったものの、それがクッションになりまた前を向く格好になりましたが、非常に危険でした。
1コーナーで本山哲選手は僕がいることに気づかなかったようで、押されてスピンしてしまいました。最終戦後のテストなどを経て、ようやく掴めて来た感触があったというか、予選に関してはインターミディエイトの路面でパフォーマンスが出せたと思いますし、決勝でも片岡選手の6位という結果を踏まえて、さらに上を狙っていただけに残念です。
シーズンは終わってしまいましたが、ここに来てクルマを含めて良いフィーリングが得られて大きな手応えを感じていますので、これを来季に繋げていきたいですね。
 
ビヨン・ビルドハイム 選手
 【今回の成績 : 第1レース リタイア】
自分の走った第1レースでは路面のグリップが低かったようで、序盤は早めのブレーキングをしていたものの、ブノワ・トレルイエ選手が詰め寄って来ていたので、4周目の1コーナーでレイトブレーキングしたところ、フロントタイヤに酷いフラットスポットを作ってしまった。
最初はピットに入ろうかとも思ったんだけれど、なんとかこのまま行けるのではないかとレースを続けようとしたら、6周目のホームストレートで右のフロントタイヤを壊してしまった。フラットスポットの影響によるもので、申し訳なく思う。その影響でフロントフェンダーを大きく破損したことが分かったので、それ以上マシンにダメージが及ぶのを避けるため、コース脇にマシンを止めるしかなかった。
予選の雨の中でもADVANタイヤは良いパフォーマンスを発揮してくれていたし、今季最後のレースで結果が残せず残念だ。
 
安田裕信 選手
 【今回の成績 : 第2レース 9位】
スタートでエンジンストールに見舞われてしまって……。ストールというか、エンジンが急に止まったので、クラッチを切ってエンジンを掛けようとしたら、エンジンが再び動き出してくれて。
それで少し遅れたもののスタートは出来たのですが、2周目のストレートエンドで8号車が突進して来たんです。あり得ない接触だったと思いますが、あれでレースが終わってしまったようなものでした。
接触によるダメージは多少ありましたが、後半に掛けてペースは安定していましたし、ADVANタイヤのパフォーマンスは良かったと思います。
 
Engineer's Voice
荒川 淳
GT500ではソフトとミディアムの2種類を持って来ていました。
今回は100kmという短い距離のスプリントレースということでしたが、今年はシリーズ戦でも250kmレースが多かったので、意外と通常のイベントでのやや短めのスティント、といった認識で特別その点を意識はしませんでした。ただ、11月という時期的に寒い時期のレースということで、通常の富士のレースとしては比較的ソフト寄りのコンパウンドのタイヤを用意しました。

金曜の予選は雨となりましたが、我々のデータのある範囲のコンディションでしたので、状況に適したタイヤでアタック出来るという手応えはありました。「ADVAN KONDO GT-R」のビルドハイム選手は肝心なところで遅いクルマに引っ掛かってしまったために、ベストアタックとは行きませんでしたが、それでも3番手とまずまずのアタックを見せてくれたと思いますし、ADVANとしても良いパフォーマンスは出せていたと思います。土曜のインターミディエイトの第2レース予選でも、良いパフォーマンスは発揮出来ていましたが、やはり引っ掛かってしまった部分があったようです。

また、「WedsSport ADVAN SC430」の片岡選手も雨の予選で同じように引っ掛かってしまいましたし、タイミング的に本来の力が出せなかった部分がありましたが、荒選手は5番手ということで、良いアタックを見せてくれて良かったですね。19号車に関しては、最終戦のあともてぎでテストを行い、そこでクルマの仕様を大きく振ったメニューなどを行った中で見えて来た方向性があったので、それをベースに今回持ち込んで来ていましたが、片岡選手の予選を踏まえてバランスを修正して臨み、結果として良いパフォーマンスを発揮してくれたと思います。「WedsSport ADVAN SC430」は第2レースの予選では「ADVAN KONDO GT-R」よりワンランク硬めのインターミディエイトを選んでいましたので、もう1周出来ていれば、さらに上位グリッドに食い込めていたかもしれません。

決勝ではドライとなる中、「WedsSport ADVAN SC430」の片岡選手がしっかり追い上げて、タイヤのパフォーマンスも出せていたと思いますが、「ADVAN KONDO GT-R」のビルドハイム選手は右フロントタイヤにフラットスポットを作ってしまい、それがあまりにも大きなダメージだったためにバーストという悔しい結果になってしまいました。

日曜の第2レースでもスタート直後に「ADVAN KONDO GT-R」も「WedsSport ADVAN SC430」もストールやアクシデントに見舞われてしまい、2台揃って上位グリッドからのスタートだっただけに残念でした。ペースは最後まで安定していましたし、タイヤとしては良かったと考えていますが、2台共に接触によるダメージがありエアロバランスなども崩れていましたから、後半のペースの伸びなどが少なかったようには感じました。

今季を振り返ると、GT500ではライバルに対して苦戦した部分もありました。来季に向けてはこれからオフにしっかりと開発を進め、良い状態で開幕を迎えられるようにしたいと思います。
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