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FUJI SPRINT CUP =GT300=
開催日
2011年11月12日-13日
開催場所
富士スピードウェイ (静岡県)
天候/路面
Race 1 : 晴れ/ドライ
Race 2 : 晴れ/ドライ
決勝周回数
Race 1 : 22周
Race 2 : 22周
(1周 = 4.563km)
参加台数
GT300クラス : 18台
(ADVAN装着車 14台)
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2011年の締めくくりとなる「FUJI SPRINT CUP」。GT300では今シーズンのチャンピオンを獲得した「初音ミク グッドスマイル BMW」が第1レース、第2レースともに連勝を飾り、ADVANユーザーとして今季の有終の美を飾った。

金曜日午前中のフリー走行は生憎のウェットコンディションとなってしまったが、GT300では「Verity TAISAN Porsche」、「PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ」、「初音ミク グッドスマイル BMW」が2〜4番手と好位置につける。

その後、 午後1時50分から激しい雨が降る中でスタートした第1レース予選では、「初音ミク グッドスマイルBMW」の谷口信輝選手が、まずは1分56秒台に乗せて2番手につけると、周回を重ねるごとにタイムアップ。セッション半ばには1分55秒台に乗せてくると、後半にやや雨脚が弱まったところで最終的に1分53秒857にまでタイムアップ。
惜しくもタイトルを争ったライバル「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」には届かなかったものの2番手と、フロントローを獲得する。

さらに予選4番手には「R&D SPORT LEGACY B4」の佐々木孝太選手がつけ、5番手には「PACIFIC NACイカ娘フェラーリ」の山岸大選手が入るなど、トップ10に8台のADVANユーザーが連なった。

生憎の雨模様となった金曜日だったが、夕方にかけて雨は勢いを増してしまい、このあと予定されていた第2レースの予選は豪雨によって順延となってしまった。


一夜明けて土曜日、早朝の午前7時50分からタイムスケジュールに組み込まれた第2レース予選、まずは気温・路面温度ともに低い中でGT300クラスからコースオープンを迎える。
ここではタイヤ選択に多くの陣営が悩まされたものの、当初の計測時間が20分から15分に短縮されたことが重要なポイントになった。

ほとんどのドライバーがスリックタイヤを履いて走行する中、最初からレインタイヤを装着した「ハセプロMAイワサキaprカローラ」の岩崎祐貴選手が序盤のリーダーに。これに同じくレインタイヤ装着の「COROLLA Axio apr GT」の新田守男選手が続く。
このふたりを最初に逆転したのは「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の加藤寛規選手。ワンタイミング遅らせてピットを離れ、最初からレインタイヤで走行していたのが功を奏した。

だが、後半になってさらにタイムを縮め、1分52秒895をマークして2番手に躍り出たのは「triple a Vantage GT2」の吉本大樹選手だ。
「思ったより水も残っていたし、これではタイヤが温まらないと思って途中でピットに入って交換しました。どうしてもPPが獲りたかったので、最後まで必死に攻めたんですが遅いクルマに引っかかってしまいました」と吉本選手。
トップとの差はコンマ06秒でしかなかっただけに、クリアラップをとれなかったのが惜しまれるが、4番手には「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の加藤選手がつけ、「COROLLA Axio apr GT」の新田選手、「ハセプロMAイワサキaprカローラ」の岩崎選手が5〜6番手で続いてレインタイヤ装着組が上位を独占。

ADVANユーザーはトップ10のうち7台を占める結果となったが、「初音ミク グッドスマイルBMW」の番場琢選手は12番手に甘んじるなど、最後までスリックタイヤのままアタックを続けたマシン達は予選上位進出を逃すこととなってしまった。


朝に比べ、やや暖かみを感じるようになった午後0時45分、ドライコンディションに転じる中、GT300の第1レースが行われた。
注目のスタートでは、2番手グリッドから絶妙のスタートを決め、なおかつ自慢のストレートパフォーマンスを活かし「初音ミク グッドスマイルBMW」の谷口選手がトップに立って1コーナーへ。同じく7番手から「#88 JLOCランボルギーニRG-3」の関口雄飛選手が2番手に躍進を果たす。また、スタートこそ出遅れるも「R&D SPORT LEGACY B4」の佐々木選手が2周目には4番手に順位を戻す。

ハイペースで独走状態に持ち込む谷口選手に対し、その後方でのバトルは熾烈を極め、関口選手と佐々木選手が3番手争いの中心に。8周目に佐々木選手が3番手に浮上も、ソフトタイヤという選択が裏目に出たか、徐々に順位を落としていったことから、第2レースに挑む山野哲也選手にデータを残すべく、13周目にピットインしてタイヤを交換することに。

一方、一時は約8秒もの差をつけていた谷口選手ながら、終盤には「HANKOOK PORSCHE」の藤井誠暢選手の接近を許してしまう。最終ラップの最終コーナーでいったんは抜かれ万事休すかと思われたものの、スリップストリームを利用して再び並びかけると、計測ラインギリギリで再逆転。劇的な優勝劇に、新チャンピオンとしての威信を示すこととなった。


前日よりもきれいに晴れ間が広がった日曜日。午後2時10分からいよいよGT300の第2レースがスタート。しかし、ここで予選2番手の「triple a Vantage GT2」が駆動系トラブルでグリッドに着けないという波乱の展開となる。

スタートでは、7番手グリッドから「リール ランボルギーニRG-3」の織戸学選手が鋭いダッシュを決めて3番手に浮上。その背後には「ハセプロMAイワサキaprカローラ」の岩崎選手が続いたが、3周目の1コーナーで逆転を狙うもオーバーラン、その際にタイヤを傷めてコントロールを失ったところに追突され、大きく順位を落としてしまう。

代わって織戸選手に迫ってきたのは、なんと「初音ミク グッドスマイル BMW」の番場選手。予選12番手から素早く順位を上げて、3周目には3番手集団に食らいつくと、その勢いのまま翌周のストレートで3番手に浮上。逆に織戸選手はその後のペースが鈍り、徐々に順位を落としてしまう。
怒濤の追い上げを続ける番場選手は6周目に2番手とすると、さらに7周目のストレートでは、ついにトップに。結局その後もリードを広げ続けた「初音ミク グッドスマイル BMW」は、そのまま前日に続く連勝を飾ることとなった。

また、終盤に激しい追い上げを見せたのが、「R&D SPORT LEGACY B4」の山野哲也選手。1周目に追突され、ほぼ最後尾まで落ちながら徐々に順位を上げて11周目には6番手に。15周目の1コーナーで「PACIFIC NACイカ娘フェラーリ」の山内英輝選手を抜き、さらにもう1台とプッシュを重ねるも、あと一歩及ばず。それでも5位という結果を得た。


この結果、GT300の今大会総合優勝は、もちろん谷口選手、番場選手ともに優勝を飾った「初音ミク グッドスマイルBMW」の手に。シリーズチャンピオンを獲得したばかりかJAFグランプリも制覇し、まさに最高の締めくくりとなったが、谷口選手にはGT300、シビックインターに続き、2週間後に控えたスーパー耐久のST-1クラスでも王座獲得の可能性が残されている。彼にとってはどうやら2011年は最高のシーズンになりそうだ。
 
Driver's Voice
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : 第1レース 優勝】
最後に僅差になったのは演出です! もちろん冗談ですけれど(笑)。
柔らかめのタイヤを選んで最後まで持たせようとしましたが、ラスト5周ぐらいから振動も出るようになって、かなりヤバかったんですよ。何とか抜かれまいと必死でしたが、いったんは抜かれちゃいましたね。でも、BMW Z4の直線番長ぶりを見てもらえたと思います。
雨の予選で2番手につけられて、終わった直後は嬉しかったんですが、いざホテルに戻ったら悔しくなって。でも、レースではスタートが素晴らしく決まって、トップで1コーナーに飛び込むことができ、そこからプッシュして貯金を作れたんですが、だいぶ使っちゃいましたね。路面にラバーが乗っていなかったために、攻撃性が強くなっていたので仕方ないですね。
第2レースも番場選手がしっかり仕事をこなしてくれて、100点と言えるレースをしてくれました。
今年は出るカテゴリーすべて、いっぱい勝ってチャンピオンを獲らせてもらって、今までのレース人生の中で一番良かったように思います。
 
番場琢 選手
 【今回の成績 : 第2レース 優勝】
予選はちょい濡れの状態で『男はスリック!』って意気込んで挑んだんですけれど、思いのほか水が残っていて、もう2周でダメだと分かりました。でも、もう換えている時間はなかったんで……。ちょっと判断ミスでしたね。
でも、レースでは追い上げて、絶対に勝とうと思っていました。序盤はバトルが激しくて、右からも左からも当てられましたが、それぞれ冷静に対処して、イメージしたとおりの展開でトップに立つことができました。演出は、僕の担当なんですが、今回ばかりは遠慮させてもらって(笑)。
それにしても最高の1年になりました。今年は谷口さんと組ませてもらって、多くのことを学ばせてもらい、昨夜も車載映像を見せてもらったり、タイヤの使い方を教えてもらったりしたんです。それで作れたイメージどおりのレースにできましたね。
本当に充実した1年でした。今はみんなに感謝しています。
 
Turning Point
■GTとF・ニッポンのダブルエントリーに、ドライバーたちはどう対処したのだろうか?

年に一度だけ、SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンが同時開催となる今大会。ADVANユーザーとしてSUPER GTを戦うドライバーの中には、フォーミュラ・ニッポンに参戦している者もおり、異なるパフォーマンスを発揮する両カテゴリーでの短時間のスイッチを強いられる週末となったはずだが、実際にドライバーはどのように感じたのだろうか。

「ハセプロ MA イワサキ apr カローラ」でGT300を戦う嵯峨宏紀選手は、フォーミュラ・ニッポンでは今季から参戦を開始したルーキー。もちろん初のJAFグランプリでのダブルエントリーとなったわけだが、予想していたほどの難しさはなかったという。

「ダブルエントリーは辛いとは聞いていました。でも、実際のところはそれほど辛くなかったですね。今年はフォーミュラ・ニッポンの決勝が土曜日になかったこともあったと思いますが、思っていたほどは忙しくなくて。強いて言えば、それぞれのチームのピットが遠かったので移動が大変だった、そのぐらいですかね」

昨年2レースあったフォーミュラ・ニッポンが、今年は日曜の1レースのみとなったことも、フィジカル面でのハードルを下げることにつながったようだが、ではドライビングの感覚的な部分で違和感はなかったのか。SUPER GTでは「COROLLA Axio apr GT」を駆り、フォーミュラ・ニッポンでは嵯峨選手と同じルーキーながら最高位4位と健闘した国本雄資選手には"秘策"があったようだ。

「フォーミュラ・ニッポンの決勝をトラブルで走れなかったこともありますが、GT300とフォーミュラ・ニッポンの乗り換えについて、体力的な面では問題ありませんでした。ただ、ドライビングの感覚は大きく異なるので、短時間でのスイッチにはオンボード映像を利用しました。それぞれのカテゴリーに乗る前に、それぞれの車載映像を見て、イメージ的に擦り合わせをしてから乗るようにしたんです。そのお陰もあって、短時間で乗り換えてもまったく違和感なく走れたと思います」と国本選手。

JAFグランプリというスペシャルイベントだけに、その裏側ではドライバーにも特別な対策が求められていたようだ。
 
Engineer's Voice
荒川 淳
GT300としては、今回特別に新しいものを持ち込んだわけではなく、最終戦に用意していたものと同じ仕様で臨みましたが、きっちり今大会の条件下でも良いパフォーマンスを発揮してくれたと思います。

「初音ミク グッドスマイル BMW」が連勝という最高の結果を残してくれましたが、谷口選手の走った土曜の第1レース終盤にややペースダウンを強いられた点がありましたが、正直想定よりも序盤のペースがかなり速かったので、そこの部分で少しタイヤを使ってしまったために後半苦しくなってしまったのかな、と感じています。
日曜の第2レースでも、序盤番場選手がかなりプッシュしていたので心配はあったのですが、谷口選手からのフィードバックもかなりあったようですし、うまくタイヤマネージメントしてくれたと思います。また、土曜よりも若干路面温度が高かったということで、タイヤに関してはきちんと働ける、良い状況であったとも言えるでしょうね。

これで今シーズンはすべてのイベントが終了しましたが、今季GT300では無事タイトルを獲ることが出来てホッとしています。
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