■GTとF・ニッポンのダブルエントリーに、ドライバーたちはどう対処したのだろうか?
年に一度だけ、SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンが同時開催となる今大会。ADVANユーザーとしてSUPER
GTを戦うドライバーの中には、フォーミュラ・ニッポンに参戦している者もおり、異なるパフォーマンスを発揮する両カテゴリーでの短時間のスイッチを強いられる週末となったはずだが、実際にドライバーはどのように感じたのだろうか。
「ハセプロ MA イワサキ apr カローラ」でGT300を戦う嵯峨宏紀選手は、フォーミュラ・ニッポンでは今季から参戦を開始したルーキー。もちろん初のJAFグランプリでのダブルエントリーとなったわけだが、予想していたほどの難しさはなかったという。
「ダブルエントリーは辛いとは聞いていました。でも、実際のところはそれほど辛くなかったですね。今年はフォーミュラ・ニッポンの決勝が土曜日になかったこともあったと思いますが、思っていたほどは忙しくなくて。強いて言えば、それぞれのチームのピットが遠かったので移動が大変だった、そのぐらいですかね」
昨年2レースあったフォーミュラ・ニッポンが、今年は日曜の1レースのみとなったことも、フィジカル面でのハードルを下げることにつながったようだが、ではドライビングの感覚的な部分で違和感はなかったのか。SUPER
GTでは「COROLLA Axio apr GT」を駆り、フォーミュラ・ニッポンでは嵯峨選手と同じルーキーながら最高位4位と健闘した国本雄資選手には"秘策"があったようだ。
「フォーミュラ・ニッポンの決勝をトラブルで走れなかったこともありますが、GT300とフォーミュラ・ニッポンの乗り換えについて、体力的な面では問題ありませんでした。ただ、ドライビングの感覚は大きく異なるので、短時間でのスイッチにはオンボード映像を利用しました。それぞれのカテゴリーに乗る前に、それぞれの車載映像を見て、イメージ的に擦り合わせをしてから乗るようにしたんです。そのお陰もあって、短時間で乗り換えてもまったく違和感なく走れたと思います」と国本選手。
JAFグランプリというスペシャルイベントだけに、その裏側ではドライバーにも特別な対策が求められていたようだ。