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WTCC|FIA世界ツーリングカー選手権
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開催日程 2008年のWTCC WTCCを戦うタイヤ [特集企画] WTCCタイヤ開発ストーリー
参戦車両の概要 主な参戦車種
Preview|次戦のプレビュー
日本初開催を果たしたWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は、岡山での興奮も冷めやらぬうちに最終戦のマカオをこの週末に迎える。
今年で第55回を数える伝統のマカオグランプリ。2005年の発足からWTCCが組み込まれているが、WTCCと共に開催される"世界一決定戦"の異名を持つF3レースもADVANが長年に渡ってワンメイクタイヤ指定を受けている。まさにこの週末、マカオはADVAN一色に染められることになるのだ。

さて、気になるタイトル争いを見ると、岡山でセアトが2レースを共に制したことで悲願のマニュファクチャラータイトルを手中におさめた。しかしドライバーズタイトル争いの決着はついておらず、マカオでの最終決戦で栄冠の行方が決まる。対象となるのはSEAT Sportの二人、イヴァン・ミューラー選手とガブリエレ・タルクィーニ選手。今季ともに3勝ずつを飾っており、ミューラー選手とタルクィーニ選手の得点差は「14」。点差だけを見るとミューラー選手が圧倒的に有利なようだが、なにしろ舞台はアクシデントが多発することで知られるマカオ、勝負の行方を予想することは非常に難しい。

そこで参考までにマカオでの過去の戦績を見ると、なんと2005年のシリーズ発足からこれまでの3シーズンで、セアトは一勝もしていない。実はマカオは圧倒的にBMWが得意としており、昨年の第1レースでシボレーのアラン・メニュ選手、2005年の第1レースで当時はアルファロメオを駆っていたアウグスト・ファルファス選手が勝利した以外は、全てBMW勢が栄冠を奪っている。
中でもアンディ・プリオール選手は2006年と2007年にそれぞれ優勝を飾り、唯一マカオで2回表彰台の真ん中に立った経験の持ち主。
今季は4連破の夢はセアト勢に阻まれたものの、最終戦で意地を見せてくれるのか注目の存在だ。

また、この最終戦は実に13人が規則上の最大値となる70kgのサクセスバラストを搭載。累積ポイントなどと関係無く規則により搭載を余儀なくされる選手が6人いるが、その中に含まれる織戸学選手は少々厳しい戦いを強いられることになるかもしれない。しかしマカオを走った経験も豊富な織戸選手だけに、好成績への期待も高まるところだ。
一方で青木孝行選手はマカオでもサクセスバラストを課せられないため重量面では有利。山側のテクニカル、海側のハイスピード、両方で軽さを武器に挑める上に、モンツァと日本でのバトル経験も活かして上位進出の可能性も大いにあるだろう。

最終戦には日本でお馴染みのアンドレ・クート選手がN.テクノロジーのアコードでスポット参戦を果たす。岡山での決勝翌日にテストドライブもこなしており、こちらもちょっと気になる存在。
また地元のチームがトヨタアルテッツァとホンダシビックでの参戦を発表していたが、残念ながらこちらは車両に問題があったようで参加が見送られることになったようだ。

先にも記したように勝負の行方を予想するのは非常に難しいマカオであるが、あえて優勝候補の筆頭として最後にご紹介しておきたいのが、シボレーのアラン・メニュ選手。
昨年のマカオで優勝を飾っていることに加え、サクセスバラストが44kgと比較的軽めである点は有利なポイント。今季の成績を見るとランキングは中位に留まるものの、シボレー勢の中では最多の2勝を挙げている。
シボレーは現行のラセッティを今季限りで引退させ、来期は新型車・クルーズを投入することを既に発表した。ラセッティのラストランを飾るシボレー勢、中でもメニュ選手の走りにぜひ注目していただきたい。

FIAは11月5日、世界モータースポーツ評議会での承認を受けて、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)を含む世界選手権の2009年開催日程(変更版)を発表した。
発表によると開催数は今季と同じ12大会(24戦)、3月に南米はブラジルのクリティバで開幕。メキシコ・プエブラでの大会を経てインターバル。そして5月上旬の第3大会はアフリカ大陸のモロッコにWTCCが初上陸、マラケシュが舞台。FIAのコース承認を受けられればという前提付きの日程であるが、実現すればモロッコでの世界選手権レースはF1カサブランカGP以来実に半世紀ぶりのこととなる。
その後はジブラルタル海峡を超えてヨーロッパに上陸、フランスのポーを皮切りに9月下旬のイタリア・イモラまで7大会を開催。
そして再び長めのインターバルを終えると、いよいよ11月1日に岡山国際サーキットに興奮のバトルが再びやって来る。岡山を終えたWTCCは今季同様にマカオへと渡り、伝統の一戦で最終戦を迎えるというスケジュールだ。
 
 
2009年 WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権) 開催日程
決勝日 開催国 サーキット
3月 8日 ブラジル クリティバ
3月 22日 メキシコ プエブラ
5月 3日 モロッコ マラケシュ
5月 17日 フランス ポー
5月 31日 スペイン ヴァレンシア
6月 21日 チェコ ブルノ
7月 5日 ポルトガル ポルト
7月 19日 イギリス ブランズハッチ
9月 6日 ドイツ オッシャーズレーベン
9月 20日 イタリア イモラ
11月 1日 日本 岡山国際
11月 22日 マカオ マカオ
※マラケシュとポルトはFIAによるコース承認が開催条件。


Ballast & Championship|サクセスバラスト&ドライバーズランキング
【サクセスバラスト (岡山国際終了時点)】
バラスト No. ドライバー 車 両 チーム
70kg 12 イヴァン・ミューラー セアト・レオン TDI SEAT Sport
70kg 11 ガブリエレ・タルクィーニ セアト・レオン TDI SEAT Sport
70kg 7 ロブ・ハフ シボレー・ラセッティ Chevrolet
70kg 10 リカルド・リデル セアト・レオン TDI SEAT Sport
70kg 1 アンディ・プリオール BMW 320si BMW Team UK
70kg 2 ヨルグ・ミューラー BMW 320si BMW Team Germany
70kg 3 アウグスト・ファルファス BMW 320si BMW Team Germany
*70kg 45 キリル・ラドィギン ラーダ110 2.0 Russian Bears Motorsport
*70kg 80 織戸 学 シボレー・ラセッティ Chevrolet
*70kg 69 メルヴィン・チュー BMW 320si Thunder Asia Racing
*70kg 81 加納政樹 BMW 320i Liqui Moly Team Engstler
*70kg 88 マシュー・マーシュ BMW 320si Wiechers-Sport
*70kg - アンドレ・クート ホンダ・アコード ユーロR N. Technology
65kg 20 トム・コロネル セアト・レオン TFSI SUNRED
53kg 9 ジョルディ・ジェネ セアト・レオン TDI SEAT Sport
51kg 5 フェリックス・ポルテイロ BMW 320si BMW Team Italy-Spain
48kg 6 ニコラ・ラリーニ シボレー・ラセッティ Chevrolet
48kg 18 ティアゴ・モンテイロ セアト・レオン TDI SEAT Sport
44kg 8 アラン・メニュ シボレー・ラセッティ Chevrolet
32kg 4 アレッサンドロ・ザナルディ BMW 320si BMW Team Italy-Spain
24kg 15 ジェームス・トンプソン ホンダ・アコード ユーロR N. Technology
14kg 31 セルジオ・ヘルナンデス BMW 320si Proteam Motorsport
2kg 26 ステファノ・ディアステ BMW 320si Proteam Motorsport

0kg 17 青木孝行 BMW 320si Wiechers-Sport
*印は大会毎のエントリーにつき、シリーズ規則79.c) に従って70kgを搭載。


【ドライバーズランキング (岡山国際終了時点)】
順位 No. 合計得点 ドライバー 車 両 チーム
1 12 100 イヴァン・ミューラー セアト・レオン TDI SEAT Sport
2 11 86 ガブリエレ・タルクィーニ セアト・レオン TDI SEAT Sport
3 7 73 ロブ・ハフ シボレー・ラセッティ Chevrolet
4 10 72 リカルド・リデル セアト・レオン TDI SEAT Sport
5 1 67 アンディ・プリオール BMW 320si BMW Team UK
6 2 60 ヨルグ・ミューラー BMW 320si BMW Team Germany
7 3 58 アウグスト・ファルファス BMW 320si BMW Team Germany
8 9 53 ジョルディ・ジェネ セアト・レオン TDI SEAT Sport
9 5 51 フェリックス・ポルテイロ BMW 320si BMW Team Italy-Spain
10 6 48 ニコラ・ラリーニ シボレー・ラセッティ Chevrolet
11 8 44 アラン・メニュ シボレー・ラセッティ Chevrolet
12 18 43 ティアゴ・モンテイロ セアト・レオン TDI SEAT Sport
13 20 35 トム・コロネル セアト・レオン TFSI SUNRED
14 4 32 アレッサンドロ・ザナルディ BMW 320si BMW Italy-Spain
15 15 24 ジェームス・トンプソン ホンダ・アコード ユーロR N. Technology
16 31 9 セルジオ・ヘルナンデス BMW 320si Proteam Motorsport
17 26 2 ステファノ・ディアステ BMW 320si Proteam Motorsport
18 16 1 オリビエ・ティエレマンス BMW 320si Wiechers-Sport

Circuit|サーキット紹介
マカオ
マカオ・ギアサーキット (マカオ)
 
歴史と伝統を誇るマカオグランプリの舞台は、市街地の一般公道を封鎖して作られる特設コースが舞台となる。
香港とマカオを結ぶフェリーのターミナルを降りると目に入ってくるのがコントロールタワー、海側のストレートは幅広いバイパス路といった感じのコースだ。
しかしほぼ直角に右にターンするコーナーがドライバーを待ち受ける。ここが有名なリスボアコーナー、多重クラッシュの名所。特にスタート直後のオープニングラップは、激しい飛び込み合戦が繰り広げられる。
この先はタイトな山側区間、道幅的に追い越しが出来ない区間もあるために、どうしてもリスボアコーナーではひとつでも前のポジションにつけたいのがドライバーの心理である。
ほぼUターンに近いメルコヘアピンを過ぎると山側区間も終わり、左手に海を見ながら再びバイパス状の広い道を駆け抜ける、一周6.117kmのコース。
FIA Super-2000マシンのベストタイムは、昨年の予選でシボレーのアラン・メニュ選手がマークした2分31秒209(平均車速145.70km/h)だ。

2008年秋、WTCCが日本に初上陸!
[岡山国際サーキットのサイトへリンク]
[2008.10.25-26] FIA WTCC Race of Japan =OKAYAMA=
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