2008年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)、ヨーロッパでのラウンドも残すところ2大会となった。
第17戦&第18戦の舞台はイタリアの"イモラ・サーキット"。当初はスウェーデンのアンダーストープサーキットでの開催が予定されていたが、諸事情によりイモラに舞台は移された。
つまり、次のモンツァとともに、2008年のWTCCヨーロッパラウンドはイタリアでの二連戦で締めくくられ、その後はいよいよ日本初上陸を10月下旬に控えることになる。
イモラでのWTCC開催はシリーズ発足初年度以来となるが、2005年5月に開催されたWTCCでは第1レースをアルファロメオのファブリッツィオ・ジョバナルディ選手、第2レースをBMWのダーク・ミューラー選手が制したが、ともに今季のWTCCには参戦していない。
そこでもう一年歴史をさかのぼり、ETCC(ヨーロッパ・ツーリングカー選手権)時代になる2004年の結果を見ると、2レースともに優勝を飾ったのは当時アルファロメオ156を駆っていたガブリエレ・タルクィーニ選手。今季はブラジルでの第2戦とチェコでの第10戦を制したタルクィーニ選手は現在シリーズランキング2番手につけている。
シリーズタイトル争いも激しさを増してくる終盤戦、イモラのコースそのものは改修を受けて2005年当時とは異なっているものの、まず第一の注目株としてはこのタルクィーニ選手を挙げておきたい。
そしてもう一人、忘れてはならないのが現在までWTCCのドライバーズチャンピオンを独り占めにしているアンディ・プリオール選手。セアト・ディーゼル勢の速さが目立つ2008年シーズンであるが、終盤にきてドライバーズランキングを見るとしっかり3番手に名前を連ねてきている。
トップのイヴァン・ミューラー選手との得点差は"13"。この点差はアクシデントによるリタイアも珍しく無いWTCCでは、ゼロに等しいと言っても過言ではないだろう。
タイトル争いを意識した戦いという面では、リバースグリッドシステムの活用がある。もし第1レースで上位進出が難しい状況になれば、8位フィニッシュを狙うのだ。第1レースで8位を得れば、上位8台のリバースグリッドにより第2レースはポールポジションからスタートすることになる。さらに第2レースは停車状態からスタートする"スタンディングスタート方式"となるので、先頭でスタートを切ることのメリットは大きい。
果たして第1レースで最後までひとつでも上のポジションを狙うのか、それとも8位フィニッシュ作戦で第2レースに賭けるのか、こうした戦略の違いについても注目したい。