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今回私が試乗したのは、外観こそ派手めながら、エンジンはノーマルと同じ2リッターNAのBMWです。そのため、より一般のクルマに近い感覚でタイヤの性能を味わえたと思っています。

さて、レース用タイヤにおいては、いまタイヤがどのような状況にあるか、路面とのグリップの余裕がどれくらいあるかというインフォメーションがもっとも重要な要素のひとつになります。なぜなら、そうしたインフォメーションがつかみにくいタイヤでは、思い切って攻めることもできません。また、グリップが失われゆく過程がわかりにくいため、タイムを詰めにくいのです。

今回の試乗では、ADVAN Sportが、こうしたレース用タイヤに必要とされる資質を持っていることを強く感じました。実は、インフォメーションをドライバーに伝えるという性能は、レース用以外のタイヤでも、重要な要素だと思っています。タイヤの状況を感じることで、より安全に走ることができますし、さらにはタイヤのグリップ感を感じながらハンドルやアクセルを操ることで、運転する楽しみがより高まるからです。

ADVAN Sportの性能の高さを感じた部分は、他にもあります。それは、トレッドのグリップ感が、鮮明に感じられたことです。ADVAN Sportは、トレッド面をしっかりと、しかも均一に路面にコンタクトさせているので、ミューの低いウェット路面でのハイスピードクルージングでも、なんの破綻も起こしませんでした。よりミューの高いドライ路面なら、より安心してドライブできるでしょう。

また、水たまりになったところでの排水性も良好でした。実は排水性と接地感を両立させるのは、かなりレベルの高い技術が必要とされます。なぜなら溝を多くして排水性を上げると、ブロックの剛性が犠牲となって、接地感の確かさが失われてしまうからである。

ADVAN Sportの開発においては、横浜ゴムがレース参戦によって培った技術がフィードバックされているのは確実です。その技術により確実な土台、つまりタイヤ構造をつくり、その上でトレッドパターンやコンパウンドを決めているからこそ、際立つ高性能が発揮されているのでしょう。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
土屋武士
 

1972年、神奈川県生まれ。94年より全日本F3選手権に、95年より全日本GT選手権に参戦、99年にはGT300クラスでシリーズ2位に輝く。その後フォーミュラ・ニッポンにも活躍の場を広げ、2001年に新人賞、2002年にシリーズ4位など、安定した成績をマーク。今シーズンは、スーパーGTに参戦中。

 
 
 
 
 
ADVAN Sport
 

F:235/35ZR19 (91Y)
R:265/30ZR19 (93Y)

時速300km/h超の高速域を走るためにつくられた、ADVANのフラッグシップスポーツタイヤである。
こだわりのスポーティ・パフォーマンス、ウェット路面での確かさ、乗心地、静粛性。様々な路面において高レベルでバランスを極めた、ADVAN Sport。
ハイパワーサルーンからチューニングカーまで、高速性能を誇る全てのクルマに。

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