ツインリンクもてぎ、開幕戦の決勝日は生憎の雨模様となってしまい、5時間の決勝はウェットコンディションでのタフなレースとなった。Aドライバーとして臨んだ開幕戦、昨年に比べてマシンは大きく進化を遂げているという。
「今年は足回りを大きく変えていて、基礎となるセッティングが良いところまで煮詰まってきています。セットの方向性そのものはそんなに変わっていませんが、パーツの変更によってマシンの動かし方とかドライバーとしての走らせ方をアジャストしています。
また、コンビを組むのが服部尚貴選手なのですが、服部選手も僕もリアはドッシリさせたいタイプなので、お互いに満足出来るものに仕上がってきています」
ウェットレースに臨んだ開幕戦だが、ご承知の通り86はFR(後輪駆動)。一般論で言えばウェットで有利といわれるFF(前輪駆動)に対して、ウェットレースを苦手とするようなことは無いのだろうか?
「ウェットについて言えば、それはFFのほうがいいとは思います。でも、やはり雨の去年のオートポリスでのレースや、今年のもてぎでの公開テストを振り返ってみると、どちらも乗った感じは良かったんですよ。
古典的なFRならではのパワースライドでドリドリ、という感じではなくて、86というマシンのコーナーリングパフォーマンスがとても高いので、例えウェットでも『まだいける』という感じで良いタイムをマークできるんですよ」
決勝は5位フィニッシュとなった雨の開幕戦。実は昨年とチームの構成が大きく変わった中で臨んだ開幕だったという。
「今年から、メカニック、エンジニア、そして監督と埼玉トヨペットのスタッフだけで構成された完全なディーラーチームになりました。最初は正直なところ未知数な部分もあって、一般車のメンテナンスの延長という感じでレースに臨んだとしたら、かなり大変なのではないかと思っていました。
でも実際は全然違っていて、普通のレーシングチームより真剣なところも感じられる。知らないことだらけなので、逆に一人一人のモチベーションあとても高くて、勉強して身につけていこうという思いが強いんですね。
拠点や担当こそ違ったとしても、埼玉トヨペットというひとつのグループの人々が集まっているので、みんなで何かを作り上げていこうという思いを感じるんですよ」