ニュルブルクリンク24時間レースの最大の特徴が、豊富な車種バリエーションと言えるだろう。
同レースでは独自のレギュレーションを採用することによって、他のレースでは走れないマシンにも門戸を開放。そのため、最新のレーシングカーはもちろんのこと、発売前のプロトタイプや往年の旧型モデル、そのほか、ガソリン車のみならず、CNG車やハイブリッドモデルまで様々なマシンが参戦している。
クラス区分を大きく分けるとするならば、24時間レース専用に開発されたスペシャル車両の"SPクラス"とVLNのプロダクションカークラスにあたる"Vクラス"の2つに分類することができ、さらに両クラスでエンジン排気量や加吸気の有無に応じてクラスを設定。
そのなかで総合優勝が争われているのがSP9 GT3クラスで、その名のとおり、同クラスではアウディ・R8やポルシェ・911、メルセデス-ベンツ・SLS、アストンマーティン・ヴァンテージ、BMW・Z4、ニッサン・GT-RなどFIA-GT3規定モデルが参戦している。
SP10クラスはBMW・M3やロータス・エヴォーラ、ジネッタ・G50などのGT4規定モデルで争われ、4000cc〜6250ccのSP8クラスにはアストンマーティン・ヴァンテージやフェラーリ・F458、レクサス・LFA、シボレー・コルベットC6、ヒュンダイ・ジェネシスクーペなどが参戦している。
そのほか、1350cc〜2000ccのターボモデルで争われるSP3Tクラスも車種バリエーションが豊富で、アウディ・TTやセアト・レオン、フォルクスワーゲン・シロッコ、スバル・WRX
STIなどがエントリー。さらに1750cc〜2000ccのSP3クラスにはルノー・クリオやトヨタ・86、ホンダ・S2000、オペル・マンタが参戦するなどこちらも充実のラインナップだ。
またハイブリッドやKERS搭載モデルなど特認車両で争われるE1-XP2クラスもニュルブルクリンク24時間レースの注目クラスで、2013年の大会にはアストンマーティンがラピードSの水素ハイブリッド仕様車を投入している。
いずれも基本的に耐久レースに合わせたマシンとなっているが、ナイトランに合わせてコーナリングランプなどの補助灯を装着するほか、レギュレーションに合わせてカーナーンバーの識別灯を搭載するなど専用アイテムを採用。それに合わせてマシンによっては大型のバッテリーを搭載するなど、24時間レース専用の仕様となっている。