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41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
ニュルブルクリンク24時間レースとは 今年のニュルブルクリンク24時間レース ヨコハマタイヤとニュルブルクリンク
86,400秒。
世界中の人間にとって、重要な時間軸のひとつである24時間。この一日で人は寝起きし、食事を摂り、仕事や勉学に励み、さらに趣味や恋愛のひとときも過ごす。

しかし、その24時間を休むことなく走り続けるモータースポーツが24時間耐久レースだ。
中でもドイツのニュルブルクリンクを舞台に開催される大会は、いまや全世界から多くの参加者を集め、「世界最大の草レース」と呼ばれる。もちろん公式なレースであり、自動車メーカーのワークスチームも出場する格式ある大会だが、敷居が低く誰もに門戸を開いている参加型レースであることからついた愛称だ。

2013年も盛大に開催されたニュルブルクリンク24時間レース。その模様をお伝えしよう。
難攻不落のコースで戦われる24時間レース
ニュルブルクリンク24時間レース、通称"ニュル24時間"はその名のとおり、ドイツ北西部のサーキット、ニュルブルクリンクを舞台にした24時間の耐久レースで、1970年にドイツの自動車連盟、ADACがローカルレースとして開催。
しかし、多くの自動車メーカーやサプライヤーが同コースでテストを行っていることから'90年代の後半には数多くの自動車メーカー、パーツメーカー、タイヤメーカーが参入するようになり、現在は参加台数が200台オーバー、観客動員数でも20万人を上回るビッグイベントとして定着した。

このようにヨーロッパで人気の耐久レースに発展した同レースだが、舞台となるニュルブルクリンクは約20kmの北コースと約5kmのグランプリコースを組み合わせた全長25kmのロングサーキットで、なかでもノルトシュライフと呼ばれる北コースは難攻不落な山岳コースとなっている。
超高速から低速まで170以上のコーナーを有するほか、コース全体の高低差は300mとアップダウンが激しく、ワイディングのようにエスケープゾーンも狭い。さらに路面はバンピーで、天候や路面温度の変化が著しいことからコースの東側が晴れでドライになっていても、西側は雨でウェット……といったように路面コンディションが不安定になっていること同コースならではの特徴と言えるだろう。

まさにノルトシュライフは、約20kmに世界のありとあらゆる路面を詰め込んだコースで、それゆえに多くの自動車メーカーやサプライヤーがテストコースとして採用。当然ながら、ニュルブルクリンク24時間レースでは毎年のように脱落車が続出するサバイバルレースが展開されており、語り継がれる名勝負が誕生しているのである。

ちなみに、ニュルブルクリンク24時間レースは年に一度の祭典として開催されているが、同コースでは1977年からシリーズ戦としてVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)が開催されている。
1ラウンドのレース時間は4時間あるいは6時間だが、経験のない参加者にとっては、同レースでの実績がニュルブルクリンク24時間レースへの出場資格となるほか、ワークスチームにとっては事前テストとなることから、近年は多くのチームがVLNに参戦しているのである。
参加車両の顔ぶれも豊富なニュル24時間
ニュルブルクリンク24時間レースの最大の特徴が、豊富な車種バリエーションと言えるだろう。
同レースでは独自のレギュレーションを採用することによって、他のレースでは走れないマシンにも門戸を開放。そのため、最新のレーシングカーはもちろんのこと、発売前のプロトタイプや往年の旧型モデル、そのほか、ガソリン車のみならず、CNG車やハイブリッドモデルまで様々なマシンが参戦している。

クラス区分を大きく分けるとするならば、24時間レース専用に開発されたスペシャル車両の"SPクラス"とVLNのプロダクションカークラスにあたる"Vクラス"の2つに分類することができ、さらに両クラスでエンジン排気量や加吸気の有無に応じてクラスを設定。
そのなかで総合優勝が争われているのがSP9 GT3クラスで、その名のとおり、同クラスではアウディ・R8やポルシェ・911、メルセデス-ベンツ・SLS、アストンマーティン・ヴァンテージ、BMW・Z4、ニッサン・GT-RなどFIA-GT3規定モデルが参戦している。

SP10クラスはBMW・M3やロータス・エヴォーラ、ジネッタ・G50などのGT4規定モデルで争われ、4000cc〜6250ccのSP8クラスにはアストンマーティン・ヴァンテージやフェラーリ・F458、レクサス・LFA、シボレー・コルベットC6、ヒュンダイ・ジェネシスクーペなどが参戦している。

そのほか、1350cc〜2000ccのターボモデルで争われるSP3Tクラスも車種バリエーションが豊富で、アウディ・TTやセアト・レオン、フォルクスワーゲン・シロッコ、スバル・WRX STIなどがエントリー。さらに1750cc〜2000ccのSP3クラスにはルノー・クリオやトヨタ・86、ホンダ・S2000、オペル・マンタが参戦するなどこちらも充実のラインナップだ。

またハイブリッドやKERS搭載モデルなど特認車両で争われるE1-XP2クラスもニュルブルクリンク24時間レースの注目クラスで、2013年の大会にはアストンマーティンがラピードSの水素ハイブリッド仕様車を投入している。

いずれも基本的に耐久レースに合わせたマシンとなっているが、ナイトランに合わせてコーナリングランプなどの補助灯を装着するほか、レギュレーションに合わせてカーナーンバーの識別灯を搭載するなど専用アイテムを採用。それに合わせてマシンによっては大型のバッテリーを搭載するなど、24時間レース専用の仕様となっている。
丸一昼夜を駆ける戦いは、戦略も重要な鍵
世界的にも数少ない24時間の長時間設定が行われるほか、前述のとおり、舞台も1周25kmの過酷な山岳サーキットで争われることから、ニュルブルクリンク24時間レースではスピードだけでなく"戦略"が成績を左右する。とくに路面コンディションが不安定になっていることからタイヤ選択が重要なレースだ。

燃料タンクの容量やクルマの燃費にもよるが、基本的にニュルブルクリンクを舞台とする耐久レースでは7周から8周ごとに給油を実施。
タイヤのライフ的にはスリック、インターミディエイト、ウエットともに2スティントを十分にこなせるだけの耐久性を持つほか、規則で使えるタイヤ本数は制限されていないものの、ニュルブルクリンクは天候が変わりやすく、コースも広範囲に及ぶことから、決勝中に計12回から13回と言われるピット作業ではタイヤ選択が難しい。

特に今大会はスタートこそ曇り/ドライで幕を開けるものの、数時間後には雨/ウェットに祟られ、スタートから6時間後には豪雨と濃霧の影響によりそこから9時間に渡ってレースが中断してしまった。
翌朝のレース再開時は雨/ウエット、午後に入ると曇り/ドライとなるなど、まさに天候が目まぐるしく変わったことから、各チームはタイヤ選択に悩まされていた。

ちなみに、ヨコハマタイヤではドライ用のスリックとしてソフト、ミディアム、ソフトとコンパウンドの異なる3種類のタイヤを用意するほか、小雨用のインターミディエイト、雨用のウェット(エクストリームウェザー)をラインナップ。さらに同レースではタイヤの加工が許されていることから、サービスでスリックにカット加工を施したカットスリックがラインナップされていることもニュルブルクリンク24時間レースならではの特徴と言えるだろう。

そのほか、ピットは狭く、給油用のポンプも限られていることから、給油作業は他のチームと調整しながらも時として給油作業が"早い者勝ち"の状態になるシーンも珍しくはない。
さらにナイトセッションでは自分のピットへ誘うべく、メカニックたちがライトを着けて案内するほか、作業時にはヘッドランプを着けて作業を実施するなど、ピットワークにおいても24時間レース特有の作業が行われている。
[UPDATE : 31.May.2013]
         
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