Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.125 News Index
  ひとつ前にもどる  
タイヤブース紹介
東京オートサロン2013 with NAPACで発表された、ADVANのふたつの新製品。ハイパワー・プレミアムカーに最適なADVAN Sport V105と、開発中の参考出品としてお披露目されたADVAN NEOVA AD08Rは、ともに来場者から大いに注目を集める存在となった。

このふたつの新製品について、タイヤと車に関する高い見識と感性、そしてドライビングテクニックを持っているお二人へのインタビュー。
新製品の特徴や持てるポテンシャル、さらに会場に展示されたデモカーの紹介やカスタマイズへの思いなどをお聞きした。

BMWを知り尽くしているStudie.AGのCEO・鈴木康昭さんと、全日本ジムカーナ選手権を連覇している柴田優作さんにご登場いただこう。
ホイールブース紹介
新製品プレゼンテーション
インタビュー
ヨコハマタイヤブースにADVAN Sport V105を装着して展示された、BMW6シリーズのグランクーペ。この車はBMW専門ショップであるStudie.AGの手でプロデュースされたもの。BMWを知り尽くしている同社CEOの鈴木康昭さんは、この車について次のように紹介してくれた。

「今回展示した車は、M6仕様のグランクーペです。BMWの中でもハイパフォーマンスモデルに与えられる"M"の称号ですが、実は現時点でM6はクーペとカブリオレには設定されていますが、グランクーペはつい先日ドイツでコンセプトモデルが発表になっただけで、発売にはなっていないんですよ。
それならば、ということで、色々なパーツをグランクーペ用に加工して組み込んでM6ルックにしたグランクーペに、M6用のシュニッツァー製パーツを装着しているんです」


本家に先んじる形でプロデュースされた、M6仕様のグランクーペ。鈴木さんから見て、BMWの中でも"M"という称号のつくモデルは、どのような存在なのだろうか。

「BMWが持つハンドリングを中心としたスポーティさを、より際立たせているのが"M"という存在ですよね。
仮にスポーティさを車に求めない人が買うと、『この車、ちょっとうるさいよね』とか『乗り心地があまり良くないね』となってしまうかもしれません。あくまでも運転することが好き、乗っていて気持ちの良い車が好き、という愛好者が乗ると、これ以上ないほどに応えてくれるのが"M"。ある意味、乗り手を選ぶというか、ちょっと特別な存在ですね」


BMWには幅広いラインナップがあり、その多くに"M"が設定されてきた。そんな中で、最新の6シリーズにおける"M"とは、どのような位置づけになるのだろうか。

「同じ"M"でも、シリーズによってキャラクターは大きく異なる部分があります。
M3はモータースポーツの世界から飛び出してきたようなハイパフォーマンスマシン。M5はアウトバーン育ちのハイスピードツアラーという感じですね。そしてM6ですが、今の時点でBMWには往年のZ8や再来年にデビューと言われているi8のような、スポーツモデルのフラッグシップが空白のような状態なのです。M6はそこをカバーする役割もあって、とても豪華で、かつハイパフォーマンスで、という"てんこ盛り"の車であると言えるかもしれません。

また、6シリーズというと『世界一美しいクーペ』と評された、初代のE24型を思い浮かべる方も多いでしょう。対して3代目となる今回の6シリーズですが、最初にクーペが出たときに僕個人はちょっと流麗さの方向が薄まったのかと感じていたんです。でも、グランクーペが発表されて、欧州の各メーカーがニューモデルを次々に投入している4ドアのビッグ・クーペという新しいジャンルにおいて、最も綺麗で流麗な車が6シリーズだと感じました。やはりE24型に通じるものがあるんだな、と」


そんな6シリーズのグランクーペ、"鈴木流"に仕立てるポイントとは?

「グランクーペそのものが、派手すぎる"やり過ぎ感"が無くて、でもどこかちょっとエロチックな感じもあるようなキャラクターですよね。そこがポイントだと思ったので、この車を仕上げるにあたっても決してやり過ぎないように大人っぽさを際立たせつつ、ちょっとエロチックな部分も強調して(笑)。もちろんスポーティさもしっかり残して、バランス感覚を大切にしました」
流麗でハイパフォーマンスなグランクーペ。タイヤ選択のポイントをお聞きした。

「グランクーペのタイヤ選択は、本当に難しいんですよ。
まず、車が大きく・重くなっています。その上で凄くパワーがあるし、ステアリングやサスペンションの味付けが良く出来ているので、このサイズにしてはとても良く曲がるんです。
どういうことかと言うと、色々な負担がすべてタイヤにかかってくるんですね。だから、良いタイヤを装着した時と、マッチングの悪いタイヤを装着した時の、パフォーマンスやフィーリングの違いが物凄く大きいんです」


さらに、オーナーとして求めたくなる項目も多い、と鈴木さんは続ける。

「単にスポーティなだけではなく、4枚ドアの高級車でもあるわけですから、相応の静粛性や後席の方も視野に入れた乗り心地も求められることになります。
乗り心地が良くなければいけない。静かでなければいけない。グリップも高いレベルでなくてはいけない。FR(後輪駆動)のハイパワー車ですから、多少振り回すような走りをした時のコントロール性も良くなければならない。
とにかく、タイヤに求められる全ての"物差し"に対して高得点を出せるタイヤでなければ、グランクーペにはマッチしないという話になるんです」


そこでADVAN Sport V105という選択肢が、クローズアップされることになると鈴木さんは語る。

「ADVANのラインナップで言えば、NEOVAではグリップは文句無しですが静粛性という面では車格やユーザー像に対してちょっと厳しい。dB(デシベル)ならば乗り心地と静粛性は抜群ですが、ここ一番で振り回した時に若干の物足りなさを覚えてしまう場面があるかもしれません。
そこで、ADVAN Sport V105なんですよ。これがバランス的にもベストチョイスだと思います」


プレミアム・ハイパフォーマンスカーに最適なチョイスと、鈴木さんが太鼓判を押したADVAN Sport V105。しかし、欧州からのインポートモデルを愛好する方の中には、舶来品指向が強いという面もあるのではないだろうか。

「そうですね、それは確かにあると思います。
しかし、ヨコハマタイヤやADVANというブランドが、発信元は日本ですがグローバル・ブランドである、ワールドワイドな存在である、ということは浸透していると感じています。それはWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)やADAC GT-MASTERS、ニュルブルクリンク24時間レースなどの世界的なモータースポーツ活動による部分も大きく、やはりクルマ好きなBMWユーザーであれば、敏感にそういった情報に触れていますからね。
例えばニュルブルクリンクというサーキットについて言えば、走行シーンの映像はテレビやインターネットで簡単に観ることが出来ます。その中で、"聖地"とさえ呼ばれるコースに設置されているヨコハマタイヤやADVANの看板が自然と目に入ってきたりしますよね。こういう経験を通じて、舶来品指向が強い方でもヨコハマタイヤやADVANがグローバルな存在であることを、すんなり理解出来るということのようです」


最後に、改めて鈴木さんにADVAN Sport V105の評価をお聞きした。

「ADVAN Sport V105、これは凄くお薦めのタイヤですよ!
従来のV103に対して、ヨーロピアンスタイルがより強まったという印象を持っています。欧州のタイヤブランドが目指している方向、その更に一歩先を行っているタイヤに仕上がっていますよね。
フィーリングとしてはステアリングの切り始めであったり、アクションの動き出しのところが凄く解りやすいんです。それはアウトバーンのような特殊な環境に限るという訳ではなく、日本の高速道路や郊外の道といった、一般的なシチュエーションでのスピード領域におけるドライブでも、もちろん実感できることなんです。
自信を持って、多くのみなさんにお薦めできるタイヤですね!」
2008年秋に、"ADVAN最強のストリートタイヤ"を掲げてデビューした、ADVAN NEOVA AD08。スポーツドライビングを愛するユーザーから絶大な支持を集め、サーキットやジムカーナ、ターマック(舗装路)ラリーなど、その卓越したパフォーマンスはさまざまなシーンで実証されてきた。

2013年の東京オートサロンでは、その性能を更に磨き上げるべく開発中のADVAN NEOVA AD08Rが参考出品としてお披露目され話題を集めた。
そのパフォーマンスに期待が高まる中、開発ドライバーの一人である全日本ジムカーナ選手権チャンピオンの柴田優作さんにお聞きした。


「ADVAN NEOVA AD08は、高い剛性感をベースに、誰もが乗れるタイヤという存在です。ドライビングの上手な人だけが乗れるのではなくて、誰もがサーキットなどである程度のタイムを出せて、さらに乗り心地もスポーツタイヤとしては優れたレベルでサーキットを往復できる、というように贅沢というか色々なことを欲張ったタイヤを目指して完成したのが、これまでのAD08なんですね」


まず、従来のADVAN NEOVA AD08の特徴を教えてくれた柴田さん。続けて全日本チャンピオンドライバーの視点から、Revolutionの"R"を冠するADVAN NEOVA AD08Rについて語る。

「例えばジムカーナという競技は、タイムにして90秒くらいのコースを走りますが、スタートは停車状態からの全開加速となります。ここで重要とされるのはウォームアップ性能。熱が入っていない状態からパワーをかけたときに、しっかりタイヤが路面をグリップしてくれることが勝負をわける要素のひとつにもなるのですが、この性能がAD08Rでは格段に向上しています。
もちろんジムカーナでも武器になるところですが、サーキット走行でも特にウェットの時などは有利でしょうね」


定評あるグリップ性能に磨きがかけられているというAD08R。しかし、グリップが向上していても、早々に摩耗してしまうタイヤだったとしたら、ユーザーにとっては選択肢として厳しいものがあるだろう。

「摩耗については、これまでのAD08もとても優れたタイヤだと思っています。現時点でライバル商品と比べても決して悪くありません。例えば暑い季節にブローしてしまうとか、トレッドの角が削れて性能が極端に落ちるといったことはありません。
その点、AD08Rはウォームアップ性能が良くなっているということで、これは摩耗に対して相反する部分も出てくることになります。難しいポイントなのですが、現時点では順調に開発が進んでいて、グリップ性能と摩耗性能の両方に対して"いいとこ取り"が出来ていると思っています」


AD08Rの優れたウォームアップ性能を武器にスタートダッシュが決まったら、その先のコーナーへのアプローチが待っている。気になる性能について、更にお聞きした。

「基本的にAD08は高いポテンシャルを持つタイヤです。ですから、その特性を大きく変えることなく全体的なレベルを上げる方向で開発は進んでいます。もちろんウォームアップが良くなってスタートが決まったら、その後のコーナーリングやブレーキングにおいてもグリップ力の向上を狙っています。
ただ、単純にグリップ力を高めるだけではなく、ADVAN NEOVAの美点として受け継がれているコントロール性の高さ、例えば縦から横へのグリップの移り変わりのスムーズさといった部分も、決して損なうことが無いように意識して開発を進めています」


グリップ力とコントロール性能のバランスは、とても難しい部分ではないだろうか。その難しさは柴田さんも認めるところだ。

「そうですね、例えば剛性ばかりを求めてしまうと、かなりの入力をタイヤに加えないと本来の性能を発揮出来なくなってしまう恐れもあり得ます。このバランスをどこに持っていくかは難しくて、タイヤ開発における永遠のテーマではないかとも思っています。
ひとつ言えるのは、限界領域のコントロール性能を高めることが大切だということ。突然にグリップが抜けてスピンしてしまうようなことが無いように、ということを一番の大前提にしています。
もうひとつ、ドライバーに伝わるインフォメーションも重要なポイントですね。時にインフォメーションが分かりにくい、薄いタイヤというのもあるもので、何度も乗れば慣れるのかもしれませんが、ある程度の走りをするまでに時間がかかってしまいます。
例えばスタートして1コーナーへアプローチするだけでも、スタートのトラクションのかかり方とか、真っ直ぐに走っているだけなのに接地感に不安を覚えるようなタイヤでは、1コーナーへのブレーキングが早くなってしまいます。
インフォメーションが分かりにくいタイヤにはそういう面があって、こうしたことが無いようにいきなり限界まで持って行けるようなタイヤを作りたい、という思いがありますね」


タイヤの高いポテンシャルを引き出すために必要な要素は多い。その上で、限界領域に達したときのコントロール性能は最も重要視されるポイントであるし、従来のAD08ユーザーにとってはAD08Rになることで車両のセッティングに変化を要するのかも気になるところだろう。

「AD08Rになって、限界領域のコントロール性能は更に良くなりました。何といっても一番欲しい性能ですからね。
ウォームアップが良くなって、摩耗性能も向上したとなると、欲張って今度は限界領域のコントロール性能を高めたくなるのは必然。開発でも常にそこを求めていきますが、定評あるこれまでのAD08が持つポテンシャルを全体的にレベルアップさせる方向です。
また、車のセッティングについては、これまでのAD08で良い状態が出来上がっているのであれば、僕としてはAD08Rになってもセッティングを変える必要は無いと思っています。当然グリップが上がるので、もうちょっと上を目指すために更に細かいセットを詰めていくことで良い方向に行く可能性は高いでしょう。しかし、特性そのものはAD08から大きく変えていないので、タイヤだけをAD08からAD08Rに付け替えることで、同じ仕様でタイムアップを図れると思います。
ですから、まずはそのままAD08Rを装着して走ってみることをお薦めします。スムーズにAD08Rの世界に入れると思いますよ」
東京オートサロンでは、柴田さんがプロデュースしたホンダS2000にADVAN NEOVA AD08Rを装着して展示した。柴田さんが営むショップ「ARVOU(アルボー)」ではS2000の取り扱いが多いとのことだが、柴田さんから見たS2000という車はどのような特徴を持つものなのだろうか。

「一般的に言われていることですが、若干ピーキーな面があるので、乗りやすくなる方向のチューニングをお薦めしています。
いろいろなプランを持ってお客さんには提案していますが、まず基本としては安全に楽しむためにも足回りとブレーキ、LSDからでしょうね。僕としては基本的にナンバー付きでエアコンも装着したままの状態にして、自走でサーキットやジムカーナ場を往復出来て、さらに通勤や日常の外出にも使えることをベースに、チューニングを考えています」


そんな柴田さんのポリシーが形になっているのが、オートサロンに展示されたARVOUのデモカーだ。

「この車は10年近く触ってきているので、レベルアップもされています。
方向性としては少しサーキットに振った感じで、エンジンは排気量を2.4Literに拡大しています。でも、内装は全てついた状態として、ロールケージも必要最小限に留めていますから、決して"カリカリのチューニングカー"というわけでもありません。ボディ補強なんかも一切していませんしね。
あまり大がかりなことをせずに、ボルトオンで出来る内容で仕上げています。同じ車を作ろうというお客さんがいるとしても、費用的にも全然無理することなく出来る範囲です。いや、むしろお客さんの車の方が上を行っている感じなんですよ(笑)」


最後に、柴田さんにとってS2000の魅力はどこにあるのかをお聞きした。

「S2000は、チューニングしたことに対して必ず答えが返ってくるところが楽しいですし、ドライバーを育ててくれる車であるとも思います。そこがとても面白いのですが、もし間違ったパーツを装着すると途端に乗りにくい嫌な車になってしまうんです。誤解を恐れずに言えば、とてもスイートスポットが狭い車。でも、狭いなりにやったことに対する答えが返ってくるからチューナーとして面白いですし、ドライバーとしても伸びしろを引き出してくれるところが楽しいですね」


タイヤに対して人一倍の研ぎ澄まされた感性を持つ柴田さん。それは、全日本ジムカーナ選手権を連覇していることでも明らかだろう。そんな柴田さんは、発売に向けて開発の大詰めを迎えているADVAN NEOVA AD08Rに対して、大きな手応えを感じているという。
チャンピオンドライバーが自信を持って薦めるADVAN NEOVA AD08R。発売の日を、ぜひ楽しみにお待ちいただきたい。
[UPDATE : 8.Feb.2013]
           
ひとつ前にもどる