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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.125 News Index
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タイヤブース紹介
東京オートサロン2013 with NAPACは三日間の会期で開催されたが、その初日となる1月11日(金)は、午前中が報道および業界関係者のみへの公開となる。
日本最大級のカスタムカーイベントとして、国内のみならずアジアを中心とした海外での注目度も高い東京オートサロン。開場となった午前9時から、海外メディアを含めた多くの報道陣が取材に訪れていた。

そんな中で、ヨコハマタイヤブースでは新商品の発表会を行った。
グローバルフラッグシップタイヤ「ADVAN」から、ハイパワー・プレミアムカー向けタイヤの「ADVAN Sport V105」を発表。また、開発中の参考出品として「ADVAN NEOVA AD08R」も展示。

それぞれについての商品説明を行い、報道陣の注目を集めた。
ホイールブース紹介
新製品プレゼンテーション
インタビュー
今回の発表会は、出席された報道関係者の方々にとって印象深いものとなったようだ。

新商品の発表では、冒頭に社長などの役員が挨拶を行い、その後の具体的な商品説明や技術解説は担当者から、というのが一般的な流れである。しかし、今回は横浜ゴム代表取締役社長の野地彦旬(のじ・ひこみつ)が、冒頭に登壇して挨拶をした後、商品説明や技術解説までの全てを行ったのだ。

モータースポーツタイヤも含む様々なタイヤの開発を手がけ、生産の最前線を指揮する工場長も勤めてきた、エンジニア出身の野地ならではの内容となったが、特に技術解説では自らがプロジェクターで投影された図解資料について指し棒を使って解りやすく説明。

ヨコハマタイヤならではの“モノづくりへの情熱”は、社長の野地が自ら行ったプレゼンテーションで、多くの報道陣に伝わっていた。
「心と技術を込めたものづくりによって、幸せと豊かさに貢献する」という、横浜ゴムの企業理念が冒頭で紹介されて、プレゼンテーションはスタートした。今回お披露目された新商品やEV(電気自動車)コンセプトモデルはすべて、横浜ゴム・スタッフの心と、長年養ってきた高い技術を存分に詰め込んだものになっている、というメッセージがまずは伝えられた。

そんな"ものづくり"で生まれた新製品が、ADVAN Sport V105。

前身となるADVAN Sport (V103)は、2004年に産声をあげた。ADVANがグローバル・フラッグシップ・ブランドと位置づけられ、その象徴的な存在のひとつとして、ベントレーへの新車装着を皮切りに翌年には世界市場での発売が開始された。

昨今、ハイパワー・プレミアムカーには「より高速に、より快適に」を更に高いレベルで求める潮流があり、その流れに応えるために開発されたのがADVAN Sport V105である。自動車メーカーからの高い要求に応えるため、開発拠点としては世界中の自動車メーカーが"開発の聖地"とも称する過酷なサーキットコースである、ドイツのニュルブルクリンクにあるヨコハマテストセンターを拠点とした。ちなみに横浜ゴムでは1980年代の前半、ADVAN A008Pという商品の時代からニュルブルクリンクに開発の拠を構え、これまでに幾多のモデルが生み出されてきている。

また、もうひとつ重要な開発フィールドに、横浜ゴムの特徴として世界各地におけるモータースポーツ活動がある。

「ライバルに勝ち、結果を残すために、如何に高いグリップを如何に長く持続するか。如何に軽く、如何にコントローラブルなタイヤにするか。一般公道に比べて遥かにシビアな環境でタイヤが使われるモータースポーツの世界では、日々新しい技術を採り入れ、トライ&エラーを繰り返しながらも、早いテンポで技術の蓄積を進めるための実験を行うことが出来ます」と、野地はタイヤ開発におけるモータースポーツ活動の意義と役割を説明した。

併せて、「ニュルブルクリンクやモータースポーツのフィールドで鍛え上げられた技術を、みなさんに使っていただく市販タイヤとして反映させることが、横浜ゴムの使命と考えている」と語った。
ADVAN Sport V105では、これまでも定評のあるドライ性能を更に向上させつつ、特に欧州では強く求められるウェット性能も高め、さらにロードノイズやパターンノイズを飛躍的に改善している。まさに、横浜ゴムの誇るグローバル・フラッグシップ・タイヤがここに完成した。


さて、技術的な特徴としては、まず「マトリックス・ボディ・プライ」という構造が挙げられる。
これまでの常識を根本的に覆し、カーカスに角度を持たせることで剛性を高めているのだ。これにより補強部材を減らして、軽量化を実現しているが、この技術こそがさまざまなモータースポーツタイヤで採用してきたものである。さらに全体の最適化により、ハーシュネスとダンピング特性も向上させている。


また、構造とトレッドパターンのバランスを計算して接地形状を最適化。イン側では高いウェット性能、アウト側では強力なグリップを生み出している。
ウェットで言えば、最も接地長の長いところ、それはつまり最もタイヤに負担がかかっている場所であるのだが、ここにストレートグルーブ(縦溝)が来るようにして、路面の水にタイヤが乗ってしまうハイドロプレーニング現象を抑えている。

「マウンドプロファイル」という、面圧をコントロールするブロック形状を採用することで、高速走行時の接地特性を改善し、優れた高速安定性を実現した。従来のV103では平らだったショルダーにADVAN Sport V105では若干丸みを持たせ、水が外に出ていこうとする流れを生んでいる。
面圧の分布を見ると、V103ではエッジのところが若干高くなる傾向があったが、ADVAN Sport V105では面圧が均一になっている。これもまた、レーシングウェットタイヤでは既に採用されている技術であり、特にマカオグランプリのF3などで良い性能を発揮しているものだ。


コンパウンドについては、開発スタッフに対して「世界一のゴムをつくること」という使命が与えられた。さまざまな材料と配合バランスがシミュレートされ、その理想を追求していった結果、グリップ力を極限まで高める新コンパウンドの完成に至ったのである。
ハイグレードなマイクロシリカを惜しみなく投入し、その効果を高めるシリカ分散剤を初採用。これに併せて、機能の異なる三種類の高分子ポリマーをブレンドし、ウェットグリップを高める横浜ゴム独自の素材であるオレンジオイルも配合している。
これらはWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)をはじめとする、モータースポーツで培われた技術からフィードバックされたものだ。


このように、横浜ゴムが培ってきた技術を惜しみなく投入し、長年にわたって続けている世界規模でのモータースポーツ活動からもフィードバックを得て生み出された、ADVAN Sport V105。
クルマを愛し、走りを愛する方々から選ばれてきたADVAN。横浜ゴムの情熱と、妥協を許さない技の結晶として、ADVAN Sport V105をお届けする。
プレゼンテーションでは、現在開発が進められているADVAN NEOVA AD08Rも参考出品として紹介された。

"R"とは"Revolution"を意味しており、ご好評をいただいているADVAN NEOVAを更に進化させるべく開発が進められている。
従来から実績のあるトレッドパターン、プロファイルを踏襲し、コントロール性とグリップの向上によるタイムアップを狙いとしている。

その開発にあたってはサーキットユース、ジムカーナユース、そしてチューニングカーユースに至るまで、さまざまなステージを想定。特にAD08Rではコンパウンドの改良をメインとして、新しいコンパウンドの採用によってさらに高いグリップ力を獲得している。

結果として初期グリップが向上するとともに、コントロール性もアップ。コンパウンドの改良に伴って構造面のチューニングも施している。トレッドパターンについては従来のものを継続採用し、ウェット路面での高い性能と優れた摩耗性を両立。
サイドウォールにはAD08Rの証である"R"の文字を打刻している。

今回は東京オートサロンという、クルマ好き・走り好きの方々が多く集まる場なので、発売に先行してお披露目したADVAN NEOVA AD08R。詳細については後日、改めて発表する。
[UPDATE : 1.Feb.2013]
             
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